ハナとメイド服

一次審査

始まりは新聞広告から

異世界に転移してから、数日後............今現在、私はアンナさんと、その旦那さんであるピーターさんと一緒に、朝食を食べている。


花「アンナさん!!ピーターさん!!このパン美味しいです!!」

アンナ「ウフフ、なら良かったわ」

ピーター「どんどん食べてもいいんだぞ」


あぁ..........何にもしなくても、料理が出てくる幸せよ.................


そう思いながら、食べていると..........ピーターさんの読んでいる、新聞の記事が目に留まった。


その新聞には


『王室メイド用制服のデザインを募集中!!』


と書かれていて、更に


『デザインが採用された場合、【宮廷裁縫師】に任命される』


的なことも書かれていた。


花「.........メイド服のデザイン募集?【宮廷裁縫師】?」

ピーター「メイド服.......あぁ、この記事のことかい?」

花「は、はい!!」

アンナ「まぁ!!王室がメイド服のデザインを募集するなんて、珍しいこともあるものね」


メイド服の広告を見ながら、そう言うアンナさん。


花「そんなに珍しいことなんですか?」

アンナ「そりゃそうよ!!何せ、王室で働いているメイド達の服は、かれこれ100年以上変わっていないんだもの」


100年以上.........同じメイド服ぅ!?


花「それはそれですごいですね」

ピーター「だが、そのおかげで若い貴族達からは、ダサいだの、センスが無いだの言われてらしい」

花「oh.......」


どうりで、王室メイドの制服のデザインを募集中とかいう、広告が出てたわけね。


花「ところで、【宮廷裁縫師】って何ですか?」

アンナ「ん〜、そうね.......簡単に言えば、王族や貴族の人達を相手に、服を作る【裁縫師】のことよ」


つまり、エリートってことなのかな?


アンナ「で、ハナちゃんはこれに応募するの?」

花「うーん.......」


私的にも、この広告は魅力的な話だ。


でも..........正直に言えば、こんな私の作った作品を応募していいのかという気持ちもある。


だけど.....


花「ちょっとだけ、やってみたいなぁ.......」


思わず、ポツリとそう呟く私。


しかし、アンナさんとピーターさんはその呟きを見逃さなかった。


アンナ「だったら、試しにやってみたらどう?」

花「え、いやその」

ピーター「ハナちゃん、一度でもいいからチャレンジすることも大事だぞ」


うぅ.......完全に押されている。


だけど、メイド服を作れる機会は二度とないし...........やってみるか!!


花「それじゃあ、試しにやってみますかね」

ピーター「ハナちゃん、その意気だぞ!!」

アンナ「私達は、応援してるからね!!」


..........この人達のところに来て良かった。


和気藹々と喋る二人を見ながら、私はそう思った。


花「..........ん?」


それと同時に、私はある記事を見つけ、目を見開いた。


何故、目を開いたのかって?そりゃあ...........その記事に、のことが書かれていたのだから。


花「何でこの世界にシェーレグリーンが!?」

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