プロローグ③

服屋に寄った後、私とチャーリーさんは、とある場所に向かった。


チャーリー「ここが、今日から花さんの家になる場所です」

花「ここが.......」


そこは、ありふれたパン屋で、店の中から、焼きたてのパンのいい匂いがした。


チャーリー「まぁ、正確には屋根裏部屋ですけどね」

花「何から何まで、ありがとうございます!!」

チャーリー「いえいえ、これが僕の役割ですから」


そう言うと、チャーリーさんは去って行った。


花「それにしても、ここが私の家になるのか...........」


何だか、どこぞの魔女の映画みたいだな。


そう思っていると、パン屋のドアが開き..........


アンナ「あら!!あなたが【渡り人】ちゃんね!!」


と、女の人が元気よく挨拶してきた。


花「は、はい!!」

アンナ「私はアンナ。夫と一緒に、このパン屋を営んでいるの」

花「私は牧野花。牧野が名字で、花が名前です!!」

アンナ「まぁ!!可愛らしい名前ね!!」


ウフフと笑いながら、私の名前を褒めるアンナさん。


アンナ「立ち話をするのもアレだから、とりあえず入りましょ」


そう言われ、アンナさんの案内の下、私は店に入り、二階部分...........と言うよりかは、屋根裏部屋に案内された。


屋根裏部屋には、ベット・ドレッサー・クローゼットなどなどが置かれていて、ある程度暮らせるようになっていた。


花「うわぁ..........とってもいい部屋ですね!!」

アンナ「そうでしょそうでしょ!!主に、ここは泊まりに来た人用の部屋だったから、ちょうど良かったわ」


今日から、ここが私の部屋になるのか...........何か嬉しいな。


そう思ったら、少しお腹が鳴った。


アンナ「フフッ、クッキー食べる?」

花「い、いいですか?」

アンナ「もちろん!!だって、今日から私達は家族みたいなもんでしょ?」


家族..........


花「じゃあ、お言葉に甘えて.......」


そういった後、私はアンナさんと一緒に、屋根裏部屋から、二階部分にあるリビングに行き、クッキーを食べた。


そして、アンナさんと話をしているうちに、この世界のことが色々と分かってきた。


まず、私が今いる場所は、ケイト王国の王都...........なんだけど、ここはいわゆる下町と呼ばれる場所のため、割と落ち着いた場所なのだとか。


あと、これは私が個人的に驚いたことだけど...........どうやら、この世界には鉄道のようなもの、【魔導機関車】があるらしい。


どうやって動くのかは分からないものの................この世界では、重要な移動手段だとアンナさんは語ってくれた。


..........どこの世界にも、似たようなものはあるんだね。


アンナ「そういえば、花ちゃんの職業は何なの?」

花「えっと..........確か、【裁縫師】っていう職業だったはず」

アンナ「【裁縫師】!!いい職業じゃない!!」

花「あ、ありがとうございます.......」


何だか、褒められるのは嬉しいな。


そう思った後、紅茶を飲む私なのだった。

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