第22話 作戦

 クライス「作戦は、こうだ」


 クライスは玉座で作戦を語り始めた


 悠「雪を取り返せるなら何でもする!聞かせてくれ」

 クライス「いいか?まず、君は前線には出るな」


 悠「は?」


 クライス「君のウォークの力は絶大な効果を発揮する、使い方によっては戦況を180度変えられる。」


 コロウ「おそらくティード側もウォーク能力者であるガウスを前線に出すのは渋るだろうな」


 俺は心底うんざりした。奴らを一人残らずなぶり殺せると思ったのに、楽しみだったのに、


 エルフの死に顔をじっくり拝めるのに


 ダグ「ふはは、お前、凄いこと考えてるだろ」


 悠「え?なんでわかる、それも魔法の力か?」


 ダグ「いやぁわりいな、一般人に意地悪しちまったようだ」


 イラッ


 悠「どいつもこいつも俺を雑魚扱いしやがってよぉ、そんな大層な力を俺が持ってるなら俺にその力の使い方を教えてくれりゃあいいだろうがよ、いいか?俺はお前ら人喰い種族をまだ信用してないからな」


 悠「いざとなったら、もう一回世界繋げてお前らをうちの警察隊とぶつけてやるからな」


 コロウ「お前に力や魔法の使い方を教える時間がもうないのだ」


 クライス「ティードはすでに港町ダイアリーを占拠している。王都に被害が出るのも時間の問題だ」


 メント「ティード海賊団は近年力を付けてきてる、もはややつらの悪行は相当の強者でないと食い止められないのです」


 クライス「ダイアリーを占拠した最大の目的は、君だ」


 悠「俺?なんでだよ」


 クライス「奴らは君を恐れている、ウォークの力を持った君の凶暴さがいつ牙をむくか」

 クライス「当初のやつらの目的は新たに君を拉致して、ガウスがいつ死んでもいいようにウォークの補欠として冷凍保存しておくことだった、しかし。その計画は君がダイアリーで泥棒を捕まえた事件で狂った」


 クライス「君は奴らにとってあまりにも"凶暴"なんだよ」


 クライス「だから海賊団の全勢力を駆使してでも、君が力をコントロールする前に始末しようと最後に君を目撃した地点であるダイアリーを占拠した」


 クライス「だが、もう遅かったのだ。その時君はすでに人間たちの世界と繋ぐことに成功していた」


 ダグ「俺があの時助けなかったら、お前あいつらに体バラバラにされて海に流されるとこだったんだぞ、二度と何かの拍子で生き返れないようにな」


 悠「わかったわかった、で、結局俺はなにすりゃいいんだよ」


 クライス「君はコロウと共に行動してもらう、コロウはこう見えて銃の腕は達人級だ。もし何かがあっても助けられるだろう」


 クライス「そして、戦いの前線、海賊船にはこの私と我が騎士団が出る」


 悠「王様も戦うのか」


 ダグ「クライスはめっちゃ強いんだぞ、ティードとタメ張るくらいにな」


 クライス「騎士団はダグとメント。そして今はおらんが、クリス、カノン、カイラというやつがいる」


 クライス「カイラは今、ハミット王国に息子の護衛として出張中だからこの戦いには帰ってこんだろうな」


 ガチャリ


 ドアが開き、スーツ姿の若い金髪男と制服の短髪女子が入ってきた

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