第2話 真実
警視庁 拘留室 PM13時
「奴と二人にしてくれ。」釜野はうなずき、拘留室を後にする。
俺は静かに向かいの椅子に腰かけた。
すると、奴は口を開いた
「俺の名はグリス。貴様がここに来るのを待っていた。海賊共の好きにさせてはならない、世界を繋ぐ能力を持つお前の力を貸してくれ」
「何者だよお前は、世界を繋ぐってなんだよ!」
「長野にある下町研究所跡地に行け、そこに真実がある。」
すると、グリスの指先が灰色に変化していく。俺は驚いて、グリスを見つめる
「お前がこの腐った運命を変えるんだ...」
そういうとグリスは全身が石のようになって動かなくなってしまった。
俺は動揺して釜野に状況を伝える前に、下町研究所跡地へと車を走らせた。
「その研究所に雪や誘拐された人たちがいるかもしれない...!」
そう思い、80キロで新宿の街でワゴン車を走らせた。
長野県郊外地 下町研究所跡地 PM18時
俺は入口の付近に車を止めて、懐中電灯と違法輸入した拳銃を構えて、研究所へと入る。
夕方のせいで研究所内部は薄暗い。恐る恐る研究所の廊下を進む。最奥の扉に着き、息を整えた
「手を上げろ!警察だ!」
ドアを蹴り破って突入した。
古びた木造の部屋には何もない。ただ、奥にドアが立てかけてあった。俺は恐る恐るそのドアを開ける
そこには意外な光景が広がっていた。
汚い研究所とは思えないほど、明るく、豪華な回廊が広がっていた。
俺はその回廊へ拳銃を構えて進んでいった。最奥の大きな扉の先には、
パーティー会場に仮面を被った大勢の紳士淑女たちが、いくつもの檻を囲んでいる。
「こんな場所が...あの研究所に...?」俺はその檻の中を覗いてみると
手錠と足輪で拘束されている小さな子供や女性が泣き叫んでいた。
淑女たちはそんな被害者たちの手足をぐしゃぐしゃと貪っていた
俺はすぐに理解した。誘拐された人たちはここに運ばれていて、この紳士淑女は人間を買って食べる。と。
いてもたってもいられず、近くにいた淑女を拘束し、拳銃を構えた
「オラ、全員動くなァ!今すぐ会場の子供たちを解放しろ!じゃなきゃこの女を殺す!」
声を荒げて悲鳴をあげる淑女の頭に拳銃をかざす。
すると、背後から狼姿の大男が俺の頭を殴り、衝撃で意識を失った。
大男に引きずられて、施設の外へ放り投げられる。
俺は猛吹雪の雪山で目が覚める。身震いして身を起こすと、
目の前に大蛇が現れ、大きな口を開けて俺を飲み込もうとする。
もうだめだ...絶体絶命のその時、一発の銃声が蛇を仕留めた。
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