第3話 俺は乳離れ未だ出来ぬ†小天使†…
——クイン・ステッレの古城——
「うむ、何の気無しに持って来てしまったが…どうしたものか」
「…あぅ(ここは…?)」
「此処は余の居城よ、ちと不便だが」
「…だだ!(俺の言葉達を理解しているというのか、美しき少女よ…)」
赤子の俺は、絹で織られたハープの音みたいな白く長い髪を揺らす少女の胸に抱かれている。欠けた壁とかつては壮美優麗であったろう絵画やカーペットで飾られていたボロい廊下を渡り切ると…
「…! ばっう!!(何という…)」
「幼体ながら此処を美しいと思うておるのか? 審美眼だけは持ち合わせているようだの」
水中と同じく白ボヤけた視界でもはっきり分かる程の立派な、いや偉大な玉座の間だ!!!!
「ばだ〜(トレッッッビアアアアアアアン!!)」
カッコイイ玉座の間を前にして琴線がビンビンにならぬ男子などいるだろうか? いいや、俺がガンダムだ!!!
「玉座程度で騒がしい奴じゃ…喰ろうにはちと惜しくなってきたの?」
「あぅ、だうー(
愉快そうに微笑む少女は俺のまんまるお手手を握ったり開いたりと物珍しそうに遊びながら話を続ける。
「シュヴァルツ・フェイトグランデ…? 貴様の魂に刻まれた真名にはうっすらと『ユータ・サトー』とあるがの」
「ぶぶっー…だ! (それは我が†
『《隠す為の綽名》の取得に失敗』
『魔力が枯渇しています』
「ほう、想像した能力を
「…リリィス、御下へ参上致しました」
「あっば!(影から肌色率の高い女が!? まさか
少女が指パッチン(凄いイイ音だった)すると、燭台の影から小さな羽と尻尾の生えたあからさまにサキュバスな女が現れた。少女は俺をサキュバスに渡した。
「だ〜だ?(この体温の高さ…†
「陛下、この人間の赤子は一体?」
「拾った」
「なるほど!」
「飢えておるようじゃ、乳を与えておけ」
「はっ! 陛下は何方に?」
「ちとヒトの生態について紐解いて来る」
「禁書庫か…久し振りね、こっちの空気〜」
抱かれてる俺とサキュバスは玉座の間を抜け、客室であったろう天井の無い部屋のベッドに腰掛けた。サキュバスは「これくらいかな?」と塩梅を確認しながら胸を大きくした。何故だかこの女の胸を見ると無性に腹が減る。
「いっぱい吸って大きくなりなさい〜人間」
「…!」
くっ…! このシュヴァルツ・フェイトグランデがおっぱいを貪るなどとッッッ!!!
美味い!!!!!
—その後、サキュバスがドン引きするくらい飲んだ。
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