第43話 突然の不労所得?
◆◆◆ 第43話 突然の不労所得? ◆◆◆
公爵家一家の呪いも解け、そろそろどこかへと移動しようと思っていたが、何処に行くかも決めていないし、徐々に良くなり俺に纏わり付くソフィアも可愛くて出て行く機会を失っていた。
ここまで来たら王都まで言っても問題なくね?
軽い気持ちでそう考えるようになっていた。
したがって、俺らは王都へと向かうべく、町で食料を漁りだす。
「何とッ!此処にカツ丼があるとは!!」
何故か屋台で売っている丼物の数々!
カツ丼、親子丼、牛丼、中華丼、卵丼…………
海鮮丼が無いのが悔やまれるが、此処から海は少し離れている為、致し方ないか。
「最近売り出したんだよ」
カツ丼をあっと言う間に食べて、追加の親子丼を頼んでいる時に、店のおっちゃんが教えてくれた。
「おっちゃんが考えたの?」
「まさか、商業ギルドでレシピを売ってんだよ。たしかカクルス領で店を開いている店主が考えたんじゃなかったけな?アイ?アウ?アカ?アナ?……なんかそんな名前だったはずだよ。色々と新しい食事を考えていてこの公爵領や王都でも大流行りらしいぞ」
「へースゴイ人がいるんだ」
もぐもぐと新しく出てきた親子丼を屋台のカウンターでギンちゃんと食べる。
「おっちゃん、追加で牛皿三つね」
「毎度あり!」
完全にロストテクノロジーと言うか、食の破壊を行っている元日本人がいる。
多分、あの潰れたパーティーピーポーの店主のはずだが、たしか王都へと行くって言ってたな。
じゃあ俺も会いに行こう!
くノ一に巻いた餌はその内掛かるだろう。
ついでに超乳エルフも掛かれば良いんだが……あいつ、お金持ってそうだしな。
ちと無理か?
今度の俺は、公爵にも挨拶をした。
二人の奥様と、そして…………
「ずっといてくれるって言ったじゃん!」
いや、それは言ってないんだが。
「俺にも用事と言う物があってな」
「イヤッ!」
「用事が終わったら戻って来るから、多分」
「それ戻ってこない奴じゃん!」
「だって、ソフィーって体力戻ってないじゃん」
「大丈夫よ、私がハル君に身体強化を掛けるからッ」
「イヤそれ俺が反動を食らって動けなくなる奴じゃん」
初めの頃のソフィーでもあったが、限界異常に身体強化を使えば、魔法が解けた時に体に反動が来る。
全身の筋肉痛やだるさがそれだ。
そりゃー限界以上の力を発揮するのだ、反動が無い方がおかしい。
「嘘付き!」 ぽふっ
部屋中にある中からぬいぐるみを投げて来た。
ちなみにぬいぐるみはでテディーベアのようなクマさんだった。
妙に本物の様なリアリティーがあるのは気のせいか?
「強姦魔!」 ぽふっ
いや、チューしかやってねえ。お前こそ毎度毎度おっぱい吸ってるやんか。
今度はギンにそっくりな狼だった。
「露出狂!」 ぽふっ
まあ、反応が楽しくって止められないんだ。
見せたい訳じゃないぞ……いや、少しはあるかも。
今度は、際どい服を着た俺の人形だった。
これって、手作り?
「行かないでよお!」
ソフィーは泣きながら俺の胸に……いや、背が低いので腹に頭を付けて泣き出していた。
「…………そうだな、身体が丈夫になって、もう少し長旅に耐えられるようになったらな」
「言質取った!」
泣いていた顔は悪い顔に変わっていた……
「お前……」
「じゃあこれあげるから、今すぐ着て」
コソコソとサイドチェストの中から一着の服…………いや、これを服と言って良いか分からないベルトのようなモノを出してきた。
「こ……これは服?」
「ふふふっ私からの餞別の服よ。何も考えずに町中で戦闘ごっこをするハル君にはお似合いだわ。私が作ったんだから今すぐ着なさい。フィッティングするから」
お風呂も一緒に入る仲なので、俺はその場で裸になり、ベルトの様なモノをソフィーから着せられていく。
それは首の後ろから前にクロス……この場合は菱形と言うべきか。
胸や腹に菱形に形どられた菱形ベルトが食い込み、お尻やアソコにギュ――――ン!と食い込み、胸を四方から盛り上げ、スナップボタンで眼帯ビキニのように隠しているが、ベルトの面積よりも肌の露出が多い……多すぎるベルト…………まるでSM女王様か、ハードなゲイが喜びそうな破廉恥菱形ボンテージ衣装…………
「これもオプションね」
何故か馬の尻尾の様な皮で出来た物に怪しい出っ張りが付いている、まるで大人の遊び道具を持ち出してきた。
「そ、それも付けるんじゃないでしょうね」
「大丈夫よ、お尻には装着できるリングが付いてるし、常時身体強化の付与もつけてあるからぁ」
にやぁと笑う小悪魔
「痛くしないからぁ」
「ちょっ!ちょとおおお!」
結局ベッドまで追い詰められた私は、むにゅっとお尻に尻尾を付けられて、小悪魔ボンテージファッションを完成させられた。
「ベルトには火・水・風・土の完全耐性と、麻痺、毒、混乱、睡眠、呪い、石化、
久しぶりに体内に物が入る感覚に、内またでモジモジしていた。
だめっこれダメな奴っ!
「私の魔力が近づいたらお尻が振動するように出来ているから。お尻好きなヘ・ン・タ・イさん。うふふ、ハル君ってば色々やってんだ、知らなかったわ」
「こッ!これは仕方なく! 子爵と伯爵がっ!」
「許してあげるから。直ぐに元気になるからッ!」
ソフィーは私に抱き着き、そのまま私は悶絶し、逝ってしまった…………
「いつでも頼りにしなさい。待ってるぞ」
公爵にサヨナラを言い、私は破廉恥ボンテージの上から深紅のローブをきっちり前で止め、新しいニーハイブーツを鳴らしながら公爵の城を出た。
窓から手を振るソフィーの脇にいた人形や、ぬいぐるみまでが手を振っている気がする。
ああ、気のせい気のせい。まさか人形が動く訳がない。
私は公爵の高級馬車で王都まで行く事になった。
城から見えなくなった所でマジックイメージチェンジングリングで普段着のタートルネックのノースリーブにホットパンツに着替えて一息出来た。
エリスはもったいなかったが、ソフィーの護衛として残してきた。
勘違いの多い天然爆乳っ子だったが、俺のお気に入りだっただけに少しもったいなかったか。
女の子を好きに出来る数少ない存在として男の気分を味わえただけでも良かった。
さあ、王都ではどんな事が待っているんだろう。
公爵領地からは一泊しただけで着いた王都。
そこは流石にデカかった。
公爵の呪いの話は陛下まで当然伝わっており、速効でその話を報告する事になっていた。
清楚な前合わせの白いシャツに白いフレアのミニスカ。
ハル・クリムゾンの二つ名に相応しい、深紅のローブを付けて陛下の前で謁見していた。
そして…………………………
私はいつの間にか透明なスライムの落とし穴に落ち、体中に纏わり付かせてヌルヌルのぬるぬる状態で服を溶かせられ、半覚醒状態で工場のような場所で働かせられていた。
まるで牛乳瓶を作る工場のよう。
手から出した数々のポーションが、ベルトコンベアに乗って運ばれていく。
4級、3級、2級、1級。
そして0級ポーションまで。
楽な椅子に座って手からポーションを出すだけで仕事が終わる。
不労所得ってこんなんだったかしら?
何か違う気がするけども、考えが纏まらない。
何もかも忘れてしまってる気がする。
あれ?犬を飼ってた気がする。
アレは前世?
忍者にロボット、飯作りの店長?
アレ?ソフィーって誰だっけ?
まっ良いか。
誰か知らない人からご飯を食べさせてもらいながら、私は楽ちんソファーに座って、唯々ポーションを出していくのであった…………
◇◇第四章:呪われた公爵家、オーエン領領 了◇◇
第二部:ハプニングthrough忍~転生したら忍者の里だった編~
coming soon
【第1部】ハプニングthroughハル~転移したら女だった 永史 @nagaman
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