第11話 レベルアップ?
◆◆◆ 第11話 レベルアップ? ◆◆◆
「姉さん、初めっから大森林はあぶねえって。やはりここは南の林で動物を仕留めるのが先でさぁ」
夕方のギルドで酒盛りをしながら俺にジャスティスのデカが言ってきた。
名前は相変わらず知らない。俺が勝手に決めた名前だ。
慎重は俺より少しデカいくらい。
何故デカだと言うと、男の急所が直ぐにデカくなるからだった。それに中身も身長の割には一番デカかった。
体は女だが、心は男なもんで特別嬉しくは無い。
町の仲間だから平気だと言う事だ。
小さな鏡で見る自分は見たことも無い美人で、信じられないような肉体をしているのは分かっている。
だから俺と言うよりは、この身体に反応しているんだ。
だから知らない男に突いていく事は無いし、古参の冒険者はある程度信用もしていた。
「じゃあ誰が連れて行ってくれるってんだよ~」
「うちのジャスティスが護衛しますって。その代わりに……」
「3級か?」
「もう一つ上の……」
「2級か。一人5本でいいか?」
「それでいいっす!」
デカは金属で出来たゴブレットを俺に向けて来た。
そのゴブレットに俺のモノを軽く合わせるとチンと言う良い音が出た。
それを一気に煽る。俺はオレンジ酎ハイで乾杯、約束の出来上がりだ。
焼き鳥やレバーの煮込みをギンと一緒に食べ、俺は家路に付いた。
古参達には言っていないが、俺は
確かに生まれ変わる時に結界術師と言ったような気もするな。他にも何か言ってたような気がするが、その内思い出すだろう。
子爵邸でお風呂に入り、いつものように気持ち良くしてもらった後で髪を洗ってもらいほへーっとする。最近いっぱい食べているからか、バインバインがバルンバルンになった気がする。寝ていても殆ど崩れない胸は、前世であれば心無い人から整形とはいじったとか言われるんだろうが、この世界にはそう言う施術が一切ない。
魔法でどうこうする事も聞いた事がないので、これは自パイだと自信をもって言えれる。
いつでも好きな時に触れて揉めれるが、自分のでは意味が無い。
「ああ、誰かおっぱい揉ませてくれないかな~」
「わ、私ので良ければ…………」
アンが胸を前に張っていた。
「い、いや、独り言!じゃなくて5年後に期待するからッ!」
「それでもハルさまの1/10まで成長するかどうか……」
「だッ大丈夫!それはそれで楽しみがいがあるからッ!」
「そうでしょうか?」
「うん!そうよそうに決まってるから!この話は終わり!」
強引に話を切ってしまった……
可愛いんだけど、子供は趣味じゃないんだよな。せめて二十歳くらいになれば……あるいは……分からないんだけどな。
未来に希望を持たせつつフェードアウトしていった。
今日は朝から動物の狩りに連れて行ってくれる約束になっている。
ギルドへいつものポーションを買ってもらい、野郎共に色々なポーションを買ってもらう。
「女王様参りましょう」
俺を先頭にマッド達が楔形陣形を取って行く。
「おい、これじゃ俺が先陣切ってるじゃん」
「ここの動物はザコばかりでさぁ、散歩する感じで大丈夫っすよ」
人的に植林された木々の中を通りながらマッドが説明する。
薪を確保する目的で植林している林なんだろうが、その中に野生動物が住み着き、木々を荒らす為に時々初心者パーティーが動物を間引いているらしい。
「自慢じゃないが、俺は普通の女以下だぞ」
隣にいるフルに視線を向けた瞬間、こいつは剣を抜きざまに、俺に向かって剣を一閃!
頭上スレスレに上から垂れ下がっていた蛇の頭を切っていた!
「守りはこの様に万全っすッ!」
ヘルムを後ろに脱いでいるフルは、まあまあ良い顔をだらけさせてニマニマしている。
あの半殺しの一件以来、どこか壊れている気がする。
もう一度0級ポーションをぶっかけてみるか?
それともこっそり顔面騎乗でケツの匂いを嗅がせている頻度を上げるか?(それが原因だ!)
「いたっす!鹿だ」
結構先に立派な角を持つ牡鹿がこっちを向いていた。
「デカ、回りこめ。こっちに誘い込むんだ」
いつの間にか俺の名づけた綽名で呼ぶようになっていた。
音も無く牡鹿の背後に回りだすデカ。
一番身体も小さく、斥候なんかを受け持っているんだろう。
「そしてこれからが重要なんです。女王様はお色気で牡鹿を此処に誘ってください。そこを取り押さえますんで最後の一発を女王様がガンッ!と」
「おい、それに何か意味があるのか?」
「大ありですよ!なんせアレはオスです!姉さんの色気をまともに受けて断れるオスはいませんって!」
「お、おう。そうか?」
「そうです!だから目一杯誘惑してくださいね」
それだけ言うと俺をボッチにしてみんな散らばって行った。
誘惑ったってな。そんな事した事ないんだけど。
まずはパンチラか?
牡鹿は草をモヒモヒ食いながら俺の居る所を見ていた。
その牡鹿に対してヒラヒラの羽毛で編んだスカートを上にあげて見せた。
「なっ?」
何が“なっ”なんだか分からないが、適当に言ったらなが出てしまった。
そしてこの言葉が講じたのか、牡鹿は口をあんぐりと開けて目をまん丸にしてガン見していた!
「おっ意外に効いてる効いてる!やっぱ、動物だけにヒョウ柄のパンツは有効だったか?」
最近、子爵から与えられるパンツはヒモに小さい布切れが付いただけのパンツに変わってきていた。俺の部屋のクローゼットには色とりどりの小さい布切れのヒモパンしか無かった。
尻の皺なんか丸出しだ。
今は夏だし涼しくて蒸れないのと、開放的で良いんだが、冬は温かいパンツが良いと思う。
深紅のローブを近くの枝に掛け、後ろを向いて尻側のスカートを捲り上げて見る。
「ムハァ!」
やっぱり動物はケツか!?
そうなれば!
負えrは四つ這いになり、尻を上下に揺らして尻肉をブルンブルンと揺らせた!
「ムフー!」
と、鼻息荒く近寄る牡鹿。同種族同士でやれよと言いたくなるが、此処は異世界。
ひょっとしたらケンタウロスなどもこうやって出来たのか?
いや!人間ともやってないのに…………
『私の初めては牡鹿でした!彼は優しくて鼻息荒くのしかかって来たので問題なく終わりました!場所は町の南の林の中です!みんなに見られながらの種付けでした』
なんて事になったら目も当てられん!
ここはやっぱり少し距離を開けて避難を……
「ヌヒヒヒヒンっ!」
「ひっ!」
尻に生暖かい息が掛かった!
恐る恐る後ろを振り向くと、涎を垂らして血走った眼付の牡鹿…………体高2mはあるぞおい!ヘラジカかよ!
「ワフッ!」
草むらに潜んでいたギンちゃんが飛び掛かった!太ももに噛みついたギンは後ろ蹴りの反動でどこかへと飛んで行く!
「キャイ~ン」
「ひあっ!」
それを見た俺は、カサカサと四つ這いのまま前へと逃げる!
「ブヒヒヒヒン」
俺のケツを匂いながら追って来る牡鹿は、俺の穿いているパンツの後ろを噛み上に持ち上げてきた!
「ひやああ!食い込む!食い込んじゃってるって!」
びょいーん!びょーんびょーんとパンツを持ち上げられて腰が上下に動かされる!
そして上がった瞬間、身体を入れられてお腹側に熱い棒から持ち上げられ、両肩に前足が来てロックされた!
こんなん絶対ダメッ!獣人の赤ちゃんができちゃう!
まだ触手の方がましよ!
「どっせい!!」
フルが前に来てデカい角を押えた!
「チャンス!」
後ろから追っていたデカが剣を持ち斬り掛かって来た!
ドン! 「あーれー!」
蹴りの一発でどこかへと消えていく。
「女王様!今の内に!」
デカが飛ば差rている間にマッドが横から引っ張り出してくれた。
「いや~んっぬらぬら~」
お腹側が何かしらの液体でヌルヌルになっていた。
「お嬢!ここにナイフを!」
「俺の手に乗ってジャンプを!」
フルは片手で角を抑え、牡鹿の頭をバンバン叩いていた。そしてその横でマッドが両手を組んで手の平を上に向けて下で構えている!
「よーし!お前らの気持ちは俺が貰った!」
俺は走り込んでマッドの手に足を賭け、上に持ち上げられながら一気にジャンプする!
「喰らえ!パーフェクトサンシャインダブルトマホークアタック!」
クルクルと身を屈めて回転し、最上昇点で大の字になる!
「目標レーザーサーチオンッ!」
「ココっす!」
フルが頭に手を置き堪えていた!
「備えよ!メガアトミックボンバーの力に!これで俺のレベルがああああ!」
右脇からドラゴンナイフを抜き取り、目標向けて一直線に振り下ろす!
サクッ!
「うぎゃあああああ!俺の手!手が貫通!貫通!」
そのまま目標を狙ったんだが。
プレート⇒手⇒プレート⇒頭蓋骨⇒脳!
ピコーン!
ドサッ!
フルの手をナイフで縫い付けたまま奴は死んだ。
即死だった。
何処からか戻って来たギンちゃんが再び太ももに噛みつきブンブンしようとして諦め、牡鹿の上に乗ってどうだ!と鼻をスピスピしている。
いや、俺が止めを刺したんだが。
牡鹿の頭に刺さっているナイフを抜き、縫い付けられていたフルを解放する。
手の平から血がピュ~っと出ている所に1級ポーションをぶっかけ、横からフルの頭を抱き抱えて残りのポーションを飲ませる。
「おっぱッおっぱッ!」
「煩せえ、黙って飲め。今日はサービスだ」
横目でまろび出た乳を必死に見ようとしていた。
「パワーいつまで寝てんだ。血抜きするぞ」
後ろを見ると、牡鹿の後ろ脚に縄を掛けたパワーが引きずられて伸びていた。
アレで突進の力を弱めていたのか。サンキュー
その後ろ脚に掛かっていた縄を太い枝に掛け、頭を下にして吊り上げる。
シャキンッ!っと首を撥ね血抜きをしてから腹を掻っ捌き、内臓を穴に捨てる。
キュインキュインとギンがもったいないと言ってるが、
「生を食べたらメッ!」
と言ったら悲しそうな顔になっていた。
討ち取った頭からデカい角を小さい手斧で切り取る。
「これは滋養強壮と精力剤になるんだ」
マッドが誇らしそうに言ってるが、
「お前らには必要ないな」
などと言うと、毎日俺のせいでスッカラカンっす!と言われた。
何のことだろう……
枝肉を棒に括り付け、俺らは町へと凱旋する。
久しぶりの鹿肉は美味かったとだけ言っておく。
だが、最後の一発を入れた俺にレベルアップなどと言うモノは一切無かった…………
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