第2話 ラーメンを食べながら三国志を語る

 ほらここよ、ここがうまいラーメンを食べさせる店、三国志よ。

 ねえ知ってる?

 このお店がどうして三国志っていう名前か。

 それはね、ここの店長さんのお名前がせきさんっていうのよ。でね、三国志の武将の関羽と同じ漢字だから、それにあやかって三国志ってつけたらしいわよ。関羽は商売の神様だからね。商売繁盛の願いもこめてらしいわよ。



 はい、そうですか。カウンター席ならあいているんですね。ええ、じゃあそこでお願いします。



 ほら、吉野君お冷やどうぞ。

 ごくごく……。

 吉野君、何にするの。私は野菜ラーメンかな。吉野君はチャーシュー麺ね。ここのチャーシューは自家製らしいわよ。

 あっ店員さん、すいません。私は野菜ラーメン、で彼はチャーシュー麺を。

麺の固さですか、私はそうね、ちょっと固めで。吉野君も同じでいいのね。じゃあ、二つともちょっと固めでお願いします。


 ねえ見て見て、あの湯切りすごいわね。ちょっとしたショーみたいね。

あっできたみたい。

 はい、ありがとうございます。

 うーんいい匂い。

 それじゃあ、いただきます。

 ではまずはスープから。

 ズルズル……。

 はー濃厚でコクがあって美味しい。魚介の出汁も入っているのかな。鶏ガラと魚介が適度にからみあって、素晴らしいハーモニーよね。それにとてもクリーミーだわ。

 なんかミスター味っ子の味皇みたいな台詞ね。うまいぞーって言ったら口からビームでないかしら。あれは画期的な演出よね。私グルメアニメでミスター味っ子が好きなのよね。

 それでは麺をチュルチュルチュルチュル。

 わーこの麺、ストレートなのにスープとよく絡んで絶品ね。

 吉野君、チャーシュー一枚くれるの。ありがとう。そういうところ好きよ。

 ぱくぱく、ごくんっ。

 うんうん、この脂身の甘さがたまらないわね。


 チュルチュルごくごくぱくぱく。


 ところでね、吉野君。このお店の名前にちなんで、三国志の好きな武将を教えてよ。

 はーこのスープにつかったキャベツは最高ね。もやしもシャキシャキだし、人参はカリカリして、とてもいい食感ね。

 そう、吉野君は陸遜がすきなのね。たしかにゲームの陸遜のビジュアルは格好いいものね。ファミコンの三国志のあの大きなカセットは特別感があってよかったわよね。


 私ね、そうね、誰がいいかしら。

 趙雲もいいし、張遼も渋いし。あっでもやっぱり周瑜かな。天下の美周郎。ゲームでもアニメでも漫画でも周瑜はハンサムだものね。若くして死んだのも哀愁があっていいわよね。それに孫策との友情もいいのよね。

あっ今のはちょっと腐女子的発言だったかしら。まあ、BLも嫌いじゃあないんだけどね。

 バナナフィッシュとかも一時期はまってたし。

 そうそう、って曹操じゃないわよ。

 わーひどい吉野君。親父ギャグじゃあありませんよ。

 本題にもどしますわね。

 私たちの新居にコレクションのコミック持っていっていいかしら。

 子供の時に漫画読ませてもらえなかったから、その反動でけっこうな量があるだけど。


 ジー(ねえ、いいよね)


 へっいいの。そう、とってもうれしいわ。そういうところ大好きよ。何よ、照れちゃって、かわいいわね。

 これで三国志の漫画も置けるわ。そうよ、あの六十刊もあるやつよ。

 吉野君も読んでくれたよね。

 ラストのあたり、よく似たキャラばかりで混乱したの。

 うーん、それは私もいなめないわ。なにせ、キャラが多いものね。


 チュルチュルごくごくぷはーっ!!

 はー美味しかった。スープまで全部飲み干しちゃったわ。もう、さすがにお腹いっぱい。

 ところでね、横山光輝といえば最近バビル二世も読みだしたのよ。あれもすごく面白いわね。私ならロデムをずっと美女にしとくけどね。今度はマーズにもチャレンジしてみようかな。

 あれってアニメの六神合体ゴットマーズとはぜんぜん違うんでしょ。アニメのマーグがかっこよくて好きだったんだけどね。

 昭和のSFコミックっていいわよね。未来のことを描いているのにどこかノスタルジックで。


 吉野君の家に幻魔大戦のDVDあるの。みたいみたい!!

 それって吉野君が一番面白いって言ってた映画よね。

 じゃあ今夜は徹夜でゲーム&アニメ映画大会ね。


 すいませーん、店員さん。お会計お願いします。ラーメンとても美味しかったです。ごちそうさま、また来ますね。


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