第34話:母親と一緒に昼飯を作っていく
それから数日後のお昼。
今日は学校の創立記念日なので学校は休みだ。なので俺はせっかくの休みを活かして……。
「そうそう。凄く上手よ、和樹」
「う、うん、ありがとう」
なので今日は母親にお願いしてお昼ご飯を作る手伝いをさせて貰っていた。偶然にも今日は母親も仕事は休みだったんだ。
ちなみに今日のお昼ご飯は炒飯だ。俺は炒飯の具材を切ったり炒めたりとかの作業工程の手伝いをさせて貰っていた。
そして今は最終工程としてフライパンを振るって炒めながら味を調整する作業を行っていた。
「よし、それじゃあこれで完成っと!」
「おぉー、これは立派な炒飯だね。やるじゃん和樹! ちゃんと料理の基礎的な事はしっかりと出来てたわよ!」
「そ、そっか。それなら良かったよ」
「うんうん、本当によく頑張ったわね。よし、それじゃあ温かい内にさっさと食べちゃいましょうか!」
「うん、わかった」
という事で俺達は出来立ての炒飯をリビングのテーブルに運んでいって、そのまま母親と一緒に食べ始めていく事にした。
「それじゃあ食べましょうか。いただきまーす!」
「いただきます!」
俺達は手をしっかりと合わせてから炒飯を食べ始めていってみた。
「もぐもぐ……うん! これはすっごく美味しいわね!」
「あぁ、うん、本当だ。これは初めて作った炒飯にしては上出来な方かな?」
「うんうん、十分十分! むしろ美味しすぎるわよ! ふふ、こんなにも美味しい息子の炒飯を食べれるなんてすっごく嬉しいわー」
「はは、それなら良かったよ」
という事で母親は満面の笑みを浮かべながら俺にそう褒めていってくれた。
まぁお世辞なのは当然わかるけど、それでもそうやって全力で美味しいって褒めてくれるのは何だかとても嬉しい気持ちになるよな。
「それにしても和樹が料理の手伝いをしたいなんて言った時は本当にビックリしたわよ。でもどうしたのよ一体? 何か最近も図書室から料理の本とか借りてたんでしょ?」
「えっ? あぁ、いや何て言うか料理って楽しそうだなーって思ってさ。あとはまぁ……真唯にお菓子とか作ってあげれたらなって思ったりもしてさ……」
「ふぅん、そうなんだ? ふふ、本当に和樹は妹思いの優しいお兄ちゃんなのね」
「う……ま、まぁね……」
母親は微笑みながら俺の顔を見てそんな事を言ってきた。でも俺はちょっとだけ恥ずかしくなってきたので思わずそっぽを向いていった。
「ふふ、でも今日は隣で見てたけど本当に凄く良く出来てたと思ったわよ。包丁の持ち方とかフライパンの使い方とかもしっかりと理解してて本当に良かったわ。やっぱり本を読んで勉強した甲斐があったって感じね?」
「あぁ、うん。それは俺も本当にそう感じてるよ。あの図書館で借りた料理本は凄く参考になったなー」
母親はそんな事を言ってきたので俺もそれに同意していった。
佐々木さんに紹介して貰った初心者向けの料理本を暇な時間にずっと読んでいたんだけど、その本で得た知識が今日の炒飯作りに役立っていたと実感していた。
「うんうん、そうだよねー。私もあの本はチラっと見たけど凄く良い初心者向けの本だったよ。でもよくあんな良い初心者向けの本を見つける事が出来たね?」
「え? あぁ、うん。ちょっと料理が好きな友達に教えて貰ったんだ。この本が初心者には参考になるってさ」
「へぇ、そうなんだ。それは良い友達だね! ふふ、こんなにも良い本を紹介してくれるなんてちゃんとそのお友達に感謝しなさいよー?」
「うん、それはもちろんわかってるよ」
母親にそう言われたので俺はちゃんと頷いていった。もちろん俺は佐々木さんには凄く感謝している。
(だけど俺って佐々木さんに恩が沢山あり過ぎるよなぁ……)
これを機に何か恩を返したいなと思っているんだけど、でも何か良い案はないかなぁ……。
(うーん、何かないかなぁ……って、あ、そうだ!)
俺はその瞬間にとある事を思い出した。なので俺は急いでスマホを取り出して佐々木さんにLIMEでメッセージを送っていった。
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