第33話:昨日の朝ごはんの話を佐々木さんに報告する
翌日の朝。
「おはよう、佐々木さん」
「ん? あぁ、おはよ。山田」
俺が教室に到着すると佐々木さんは既に自分の席に座っていた。なので俺は佐々木さんに挨拶をしていった。
「今日は大丈夫? 筋肉痛とかは出てない?」
「うん、今はもう全然大丈夫だよ。土曜日に帰ってからしっかりとマッサージをしていったしね。佐々木さんの方は筋肉痛とか大丈夫だった?」
「そっか、それなら良かったわ。私も今は全然大丈夫よ。あ、でもあの日の夜に家で洗い物をしてたんだけどさ……そしたらやっぱりちょっと疲れてたようで手を滑らせちゃってお弁当箱を床に落としちゃったのよね」
「えっ、そうだったんだ。怪我とかはしなかった?」
「うん、全然大丈夫よ。でもその時にいつも使ってたお弁当用の箸がパキっと折れちゃったのよ。だから今日からしばらくは箸を使わないお弁当になるけど許してね」
「あぁ、それは全然大丈夫だよ。そんな事よりも佐々木さんが怪我とかしないで本当に良かったよ」
「ふふん、私はそんな簡単に怪我するような女じゃないわよー? だからそんな要らない心配なんかしなくてもいいわよ」
「はは、何だか佐々木さんらしいセリフだなー。まぁでも佐々木さんが本当に怪我とかしちゃったら俺は凄く心配しちゃうからさ……だから大変な目に遭いそうな時はいつでも俺に言ってよ? 佐々木さんのためなら必ず力を貸すからさ!」
「う、そんな真顔で何て事を言うのよ。まぁでもその……心配してくれてありがとね」
佐々木さんはちょっとだけ顔を赤くしながらそう言ってきた。
「ま、まぁでもその……土曜日は本当に楽しかったわね。またいつか皆で遊びに行きたいわね」
「うん、そうだよね。また皆でいつか一緒に遊びに行きたいねー……って、あ、そうだ! そういえばもう一つ佐々木さんに報告したい事があるんだけどさ」
「え? 報告したい事? それって一体何よ?」
「うん、ちょっとだけ待っててね。えぇっと……」
俺がそう言うと佐々木さんはキョトンとしながら俺の顔を見てきた。なので俺はすぐにスマホを開いてとある写真を佐々木さんに見せる事にした。
「えぇっと……あ、見つけた! はい、これ」
「ん? どれどれ……って、あぁ、これ……もしかしてカップケーキを作ったの?」
「うん、そうそう! 昨日の朝ごはんに試しに作ってみたんだけどさ、物凄く美味しく作れたよ!」
俺は昨日作ったカップケーキの写真や、それを美味しそうに食べている真唯の写真を沢山撮っておいたんだ。という事で俺はそれらの写真を佐々木さんに見していってみた。
「へぇ、そうなんだ。それなら私も教えた甲斐があったってものだわ。それとこっちの女の子はもしかして山田の妹さん?」
「あぁ、うん、そうだよ。妹の真唯って言うんだ。甘い物が大好きだからめっちゃ喜んでたよ」
「ふふ、そうなんだ。この写真からでも真唯ちゃんが凄く喜んでるのが伝わってくるわね」
俺が真唯についての話をしていくと佐々木さんは笑みを浮かべながらそう言ってきてくれた。
「はは、そっかそっかー。あ、それで真唯から佐々木さんに伝言を預かってるんだ。凄く美味しく出来ました、こんなにもおいしいレシピを教えてくれてありがとうございました。前に作ってくれたドーナツもすっごく美味しかったですってさ」
「へぇ、ちゃんと感謝を伝えてきてくれるなんて良く出来た妹さんね。ふふ、それじゃあ私からも、感謝の御言葉ありがとう、これからも何か食べたい物があったらお兄さんに言ってくれれば作ってあげるわ……って、伝えといてね」
「えっ? ほ、本当に? そんな事真唯に言ったら本気にしちゃうと思うよ??」
「別に良いわよ。美味しそうにご飯を食べれて、しかもちゃんと作った人に感謝の言葉を伝えるなんて絶対に優しくて良い子に決まってるもの。だからそんな良い子には私もまた作ってあげたくなるってものよ」
「そっか。うん、わかった。それじゃあ真唯にもそう伝えておくよ」
「うん、お願いね」
佐々木さんは柔和な笑みを浮かべながらそう言ってきてくれたので、俺はわかったと言って深く頷いていった。
そしてそんなやり取りをしているとやっぱり佐々木さんって凄く優しい女の子なんだよなっていうのを再認識していった。
「あ、そうだ! それでさ、もう一つだけ佐々木さんにお願いがあるんだけど……良かったら俺にまた簡単なレシピを教えてくれないかな?」
「え? 簡単なレシピ? どうしたのよ急に?」
俺がそう言うと佐々木さんはキョトンとした表情をしながらそう聞き返してきた。
「いや、実は真唯がまた一緒に料理をしようねって言ってきてくれたんだ。それで俺もまた真唯と一緒に料理をしたいって思ったからさ……だから佐々木んさんに初心者の俺にも作れそうなレシピをまた教えてくれたら嬉しいなって思ってさ」
「ふぅん? ふふ、そっかそっか。なるほどねー、山田も料理の楽しさに気が付いたんだね?」
「うん、そうだね。それに何か簡単な料理とか作れたら仕事で忙しい両親の代わりに晩御飯を用意出来ていいかなって思ったりもしてね。だから是非とも料理上手の佐々木さんに色々と教えて貰えたら嬉しいなーって思ってね」
「ふふ、なるほどね。わかったわ。私で良ければ全然幾らでも料理についての助言をしてあげるわよ。それと料理を始めたての山田に役立ちそうな初心者向けの本とかも図書室に置いてあるからさ、そういう山田に役立ちそうな本も後でまとめて紹介してあげるわね」
「えっ、本当に!? それは凄く助かるよ! うん、それじゃあ是非ともよろしくね」
「うん、わかった。それじゃあ今日はお昼を食べ終えたら一緒に図書室に行きましょうか?」
「うん、そうだね!」
という事で俺は佐々木さんから料理についての助言やオススメの料理の本を紹介して貰える事になった。
よし、それじゃあこれから少しずつ料理についての勉強をしていく事にしよう!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます