第25話:ようやく中間テストが終わった

 それから一週間後のとある日。


―― キーンコーンカーンコーン……


「はい、そこまで。それじゃあ筆記用具を置いて答案用紙を前に送っていくように」


 試験監督役の教師にそう言われたので、俺は筆記用具を置いて答案用紙を前の席に送っていった。


 全ての答案用紙が最前列に送られていくと、教師は早速答案用紙を数え始めていった。


「……よし、枚数は全部あるな。それじゃあこれで中間テストは終了だ。今日はホームルームはないから各自解散。お疲れさんー」

「「お疲れさまでしたー」」


 そう言って教師はすぐさま教室から出て行った。これでようやく長かった中間テストが終わりを告げたのであった。


「はぁ、ようやく終わったぁ……」


 俺は背伸びをしながらそんな事を呟いていった。でもまだ今はお昼前だし、ここから自由な時間になると思うとちょっと嬉しい気持ちになるよな。


「お疲れー」

「ん? あぁ、お疲れさま、佐々木さん」


 という事で俺はもう一度軽く背伸びをしていってると、後ろから佐々木さんに声をかけられた。なので俺はそのまま佐々木さんに話しかけていった。


「佐々木さんはテストの出来はどうだったかな?」

「うーん、まぁ予想は平均よりかはちょっと高いかなってくらいかな? でもいつもよりは確実に良い点数を取れたっていう自信はあるわよ」

「はは、そっかそっか。うん、それなら一緒に勉強会を開いた甲斐があったよ!」

「うん、そうね。そういう山田はどうだったの? 今回のテストの出来は?」

「まぁ俺も予想はそこそこ良い点数は取れたと思うよ。それに苦手な科目は佐々木さんに教えて貰ったりしたし、多分いつもよりも良い点数なのは間違いないかなって思うよ」

「ふふ、そっか。それなら良かったわ。それじゃあ改めてだけど勉強会を開いてくれてありがとね。私も色々とわからない問題を教えてくれて本当に助かったわ」

「ううん、こちらこそだよ。俺も色々と教えてくれて本当にありがとう佐々木さん」


 という事で俺達はお互いに笑いながら感謝をしていった。


「あ、そうだ。そういえば佐々木さんって今日はこの後は用事ある? もし何も用事が無いようなら、良かったら駅前のハンバーガー屋とかファミレスとかで昼飯でも食べてから帰らない?」


 そして俺はせっかくまだお昼前という事もあってそんな提案を佐々木さんにしてみた。


 この試験期間中は佐々木さんはお弁当を作ってないという事もあって、ここしばらくは佐々木さんとはお昼を別々に食べていたんだ。


 だから俺は久々に佐々木さんと一緒にお昼ご飯を食べたいなと思ってそう誘ってみた。でも……。


「あー……ごめん。実は今日の午後からすぐに部活が再開するんだよね……。だからこの後すぐに部活のミーティングが始まっちゃうのよ」

「あ、そうなんだ。うん、わかったよ。それじゃあこれから部活も頑張ってね!」


 でも佐々木さんは今からすぐ部活があるという事でその提案は断られてしまった。


 まぁでも佐々木さんは運動部だししょうがないよな。それに確かもうすぐ他校との練習試合があったり大会とかもあるって言ってたしな。


「うん、本当にごめんね。でも放課後の予定さえ空いてれば今度はハンバーガー屋とかファミレスとか全然付き合うから……だからこれからもまた気軽に誘って欲しいわ」

「え……って、えっ!? 本当に? うん、わかった! それじゃあまた今度誘うよ!」

「ありがと。それじゃあまた今度お願いね。それじゃあお疲れさま」

「うん、お疲れさまー」


 そう言って俺は佐々木さんと別れていった。


 お昼ご飯を断られたのはちょっと残念だったけど、でも佐々木さんにまたこれからも気軽に誘ってくれって言って貰えたのは普通に嬉しかった。


(よし、それじゃあまた誘うチャンスがあれば是非とも誘ってみよう!)


 という事で俺はポジティブな気持ちになりながらも家に帰る準備をし始めていった。するとその時……。


「よっす、お疲れさん」

「ん? あぁ、お疲れー」


 そんな事を思いながら帰る準備を進めていってると、今度は友人である夏江が声をかけてきた。


「はは、何だか楽しそうに話をしてたなー? 和樹ずっと嬉しそうにしながら笑ってたぞー?」

「楽しそうにって……あぁ、もしかして佐々木さんとの話の事? って、俺そんなに笑ってたか?」

「あぁ、めっちゃ楽しそうにしてたぜー? ま、その話はまた追々聞くとして……なぁ、和樹ってこの後は暇か? もし暇なようなら何か昼飯でも食ってから帰らないか?」


 すると夏江がそんな提案をしてきてくれた。


「ん? まぁ俺は予定ないから全然良いんだけど……でも良いのか? せっかくテストが終わったんだから桜井さんと一緒に帰らなくても良いのかよ?」

「あぁ、桜井さんは今日からもう部活が再開しちゃうんだってさ。だから今日は先に帰ってて欲しいって言われたんだよ」

「あ、そっか。なるほどな。そういう事か」


 そりゃあそうだよな。桜井さんは運動部である女子バスケ部に所属してるんだもんな。それで中間テストが終わったんだからそりゃあバスケ部もバレー部と同じく復活するに決まってるよな。


「わかったよ。それじゃあ駅前のファミレスで飯でも食いながらテストの打ち上げをしようか?」

「おぉ、良いなそれ! よし、それじゃあ早速ファミレスに向かおうぜ!」

「あぁ、わかった」


 そう決めた俺達はすぐに教室から出ていき、そのまま駅前のファミレスへと向かって歩いていった。

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