第19話:久々に夏江と一緒に勉強する
とある日の放課後。
今日は佐々木さんは家の用事があるとの事で先に帰宅していった。
なので今日は久々に夏江と一緒に図書室でテスト勉強をしている所だった。今日は夏江も暇だったらしく俺を勉強に誘ってきてくれたんだ。
「はぁ、流石にテスト勉強にもそろそろ飽きてきたなぁ……」
「まぁそう言うなよ。来週にはテストが始まるんだからあと少しの辛抱だろ?」
「んー、いやまぁそうなんだけどさー……」
でも夏江は勉強を始めてからすぐに図書室の机に突っ伏しながらそんな事を言ってきた。まぁテスト勉強がしんどいっていう気持ちはわかる。俺もテスト勉強ばっかりでしんどいし。
「ま、勉強の気力が出ないようなら少し早いけど休憩にしようか? いつも通り外の自販機で何か飲もうぜ?」
「おー、いいな! そうしようぜ!」
俺がそんな休憩の提案をしていくと、暗い表情だった夏江は一気にとても元気になってきた。
「はは、現金な奴だなー。ま、それじゃあさっさと自販機の方に行こうぜ」
「あぁ、わかった!」
そう言って俺達は外にある自販機の方へと向かって歩いて行った。
そしてそれから数分後。俺達は自販機でジュースを買っていき、そのまま近くのベンチに座りながら休憩を始めていった。
「んく、んく……ぷはぁ。んー、今日も頑張ったなぁ!」
「いやいや、今日はまだ一時間も勉強してないからな?」
夏江がジュースを美味しそうに飲みながらそんな事を言ってきたので、俺は笑いながらツッコミを入れていった。
そしてそのまま俺達はジュースを飲みながら他愛無い話を続けながら休憩をしていった。
「あ、そういえば今日は桜井さんはどうしたんだ? 今日は桜井さんとは一緒に勉強しなくていいのか?」
「あぁ、今日桜井さんは急用が出来たらしくてすぐに帰っちゃったんだよ。だから勉強会はまた明日から一緒にやろうって事になってるんだ。あ、ちなみに今日以外は毎日一緒に桜井さんと勉強会をしているぞ」
「へぇ、そうなんだ。はは、それにしても桜井さんとめっちゃ仲良さそうで羨ましい限りだよ」
「そりゃあお付き合いさせて貰っているからなー。だから早く和樹も彼女作れよ、めっちゃ楽しい毎日になるぞー! 勉強会だけじゃなくて一緒にデートとかしたり最高だからな!」
俺がそう言うと夏江は満面の笑みを浮かべながらそう言ってきた。やっぱり同じ学校の女の子とお付き合いしているとすっごく楽しいんだろうな。
「はは、そりゃあ夏江の幸せそうな顔を見てたら毎日最高なのは察せられるよ。あ、そういや二人って普段はどんなデートをしているんだ?」
「ん? デート?」
ふと、俺はそんな事が気になったので何となく夏江にそう聞いてみた。
「まぁ普通に映画館とかカラオケとかそういう所が多いかな? 特に桜井さんは歌うのが好きだって言うから結構な頻度でカラオケには行く感じだな!」
「へぇ、そうなんだ。確かに桜井さんって透き通る声をしてるから歌唱力高そうだもんな。音楽の授業の合唱とか物凄く上手だったしさ」
「そうそう! いやマジでめっちゃ上手いんだよ! 桜井さんの歌はもう何時間でも聞けるんだよなー。あとこれはまだだいぶ先なんだけど、来月辺りに桜井さんと千葉のアトラクションランドに行く予定だよ!」
「へぇ、あのランドに行く事になってるんだ? それは王道のデートって感じがして凄く楽しそうだなー!」
「あぁ、マジでめっちゃ楽しみだよ! 早朝から夜のパレードまで一日中ずっと楽しんでくるつもりだぜ! あ、もちろん和樹にお土産も買ってくるからそれも期待しとけよー!」
「はは、そっかそっか。うん、ありがとな。それじゃあ楽しいデートのお土産話も楽しみにしてるよ」
「あぁ、わかった!」
という事そんな楽しいデート話を色々と聞かせて貰っていた。でもそれからすぐに夏江はちょっと不思議そうな顔をしながら俺にこんな事を聞いてきた。
「んー、いやでも何で和樹はそんな事を急に聞いてきたんだよ?」
「ん? あぁ、いや、まぁ何て言うかさ……女の子と遊びに行くとしたらどんな所に行くのが普通なのかなってちょっと気になっただけだよ。ほら、俺ってまだ一度も彼女とか出来た事がないからそういうのが気になったんだよ」
「あぁ、なるほどな。そういや確かに俺達って今までずっと男友達としか遊んでなかったもんなー」
「そうそう、そうなんだよ。だから夏江のデート話とか聞けて凄く参考になったよ」
という事で夏江の疑問に対して俺はそう返事を返していった。
まぁほんのちょっと前に俺は佐々木さんといつか一緒に遊べたら良いなって何となく思ったんだ。
だからもし佐々木さんを今後遊びに誘うとしたらどういう所が良いのかなって思って、普段から桜井さんと遊んでいる夏江にそう尋ねてみたというわけだ。
(ま、でも夏江の話を聞いてみると、やっぱり相手の好きな場所に遊びに誘うのが大事っぽいよな)
でも俺は佐々木さんの好きな場所なんて全然知らないんだよなぁ。そもそも佐々木さんが普段どんな遊びとかをしてるかも知らないしさ……。
だからそういう所ももっと交流を深めていって色々と知れるようになっていったら嬉しいよな。
「そっかそっか、それなら良かったよ。ま、そういう関連ならこれからも相談に乗ってやるよ。だから気になった事とか困った事があったらいつでも気軽に言ってくれよ?」
「はは、ありがとな。それは助かるよ」
夏江は笑いながらそんな頼もしい事を言ってきてくれたので、俺も笑みを浮かべて夏江に感謝の言葉をしっかりと伝えていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます