07話 レベル5になるために!(ゴブリン達との戦い・前編)
それから私は再びアイルちゃんの道案内のもとに本来、最初に行くはずだったスライムがゴロゴロいる森の奥に向かい付近まで着いた。
「あのさ…?いちよう聞くけど、今度は大丈夫なんだよね…?さっきみたいに道を間違ってたりなんてことは…」
(今度は大丈夫です!この辺で間違いありません!)
「そっそう?だったらいいんだけど…」
アイルちゃんは大丈夫だと言ってたけど、なんでだろう?妙な胸騒ぎがするな?と思いながら森の奥に入ると…
(着きました!ここですよ!)
「今度こそ、初心者に優しいモンスターで…」
«アガッ?»
「えっ!?」
そこにはガラの悪い格好をした緑色の人型のモンスター集団がいて、するどい眼つきでこっちを睨んでいた!
「あの…アイルさん…?どう見てもあの方々はスライムじゃありませんよね…?どちらかというと…」
(あれは…スライムじゃなくて、グレッターゴブリンっていう大体がレベル3ぐらいのゴブリン達の集団ですね…?)
「ですよね…?また道を間違えたとか…?」
(今回はそんなことないですよ!
間違ってなんかいません!誓って言えます!)
「じゃじゃあ、どうして…?」
(そっか!この謎が解けました!
あのグレッターゴブリン達、きっとスライム達からこの辺を奪って、自分達のテリトリーにしちゃったんですよ!だから探してもスライムの姿がどこにもないんです!)
「あっなるほど、だからか。じゃねぇ!」
私がセルフツッコミをしていると。
「アガッ!アガッ!」
「ゴクリッ…何を始めたんだろう…?
岩の上に座ってる、一際、体の大きいゴブリンさんがなんか叫び始めたよ…?」
「アッ!アッガッアッ!」
«アッ!!»
するとボス的なゴブリンに命令されたのか、子分みたいなゴブリンがヤンキーさながら、武器の棍棒を肩に乗せて、ドタドタと大きな足音立てながら、私のそばに近づいてきた!
「アイルちゃん…?もしかしてだけど、ゴブリン達、私に怒ってない…?」
(もしかして、じゃなく怒ってますね…
たぶん優梨さんを自分達のテリトリーに入ってきた敵だと完全に敵視されてますね…?)
「だっだったよね…?それ私でもわかったわ…あははっ…」
私が苦笑いをした瞬間!
«アガッーー!!»
近づいてきたゴブリン達が大声で奇声を上げて!一斉に私に襲いかかってきた!
「ギャー!!やっぱり襲ってきたぁぁ!!」
(敵の数が多すぎます!逃げてください!)
「言われなくてもそのつもりだよー!!」
私は全速力で逃げ出した!
«アガッ!アガッ!»
「追いかけてこないでぇー!!」
必死に逃げる私だけど!怒り狂ったゴブリン達が物凄い速さで迫ってくる!
「ひぇぇー!アイルちゃん!
今、追いかけて来てるゴブリン達に命令してるように見えた、あの体の大きいゴブリンは一体何者なの!?」
(あれはグレッターゴブリン・ボスVerです!)
「やっぱりボスなのかー!それって体格以外で追いかけてきてるゴブリンと何が違うの?」
(説明致します!グレッターゴブリン・ボスVerとはグレッターゴブリンの進化系なんですよ!)
「進化してるのかー!」
(ですからレベルが最大で7〜9はあります!頭が切れて、子分達が決して逆らうことの出来ないほどの強いリーダーシップを持ち、そして何より進化前より約3〜5倍くらい攻撃力が強くなることが大きな違いですね!)
「じゃじゃあ、下手したら…私が前に戦った熊さんよりも強いかもしれないんだね…?」
(レベルでいえばそうですね!)
「つまりは!」
(つまりそういうことです!)
「逃げてもいい…」
(レベルアップするチャンスですね!戦いましょう!)
「だからなんでそうなるのよぉー!!」
私は鬼コーチのアイルちゃんに泣きながらツッコミをしたのだった!
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