百合で強くなる女子高生、モンスターと戦ってみる!編
04話 ある日、森の中で熊さん(モンスター)に出会った
アイルちゃんの案内に従って、ひたすら森を歩き続けていると段々、目の前が険しい草むらになってきた。
「ねぇ、アイルちゃん…?いちおう聞くけど、そのスライムがゴロゴロいるっていう場所って後どれくらいで着くのかな…?全然それらしき生き物が見えないんだけど…?)
(私の調べだともう少しで目的の場所に着くはずなんです!
なのですみません、道がわるくて大変でしょうけど、頑張ってくださいますか…?)
「ハァ…そっか、もう少しで着いちゃうんだね…」
私が深いため息をつきながら肩を落とすと…
(あらら、なんだかあからさまに嫌だってオーラが出てますね?やっぱりまだ不安ですか?)
「そりゃ不安だよ…実戦経験もないし、これから戦うモンスターってスライムだったよね?
ゲームでは簡単に倒せるモンスターだったけど、本当に私でも倒せる相手なんだよね?」
(優梨さんってば怖がりすぎですよ。この世界のスライムはですね、どんなに強くてもレベル0.5〜1.5ぐらいしかないんですよ?)
「0.5と1.5ってなんだか、目の視力みたいな数値だね…?」
(あまりにも弱すぎるので、そうなってるんです!
だから優梨さんみたいな戦闘初心者でも簡単に倒せるぐらいの相手なんです!気をあまり張りすぎないでリラックスしていきましょうよ!)
「あはは、リラックスねぇ…」
私は小言を呟きながら、険しかった草むらをようやく抜けると色んな形の岩が散乱している広いエリアに着いた。
「もしかして、アイルちゃんの言ってたスライムがいる場所ってここのこと?」
(そのはずだと思うんですが…?)
「でも見た感じスライムの姿なんてどこにもないよ?」
(おかしいですね…?確かここだったはずなんです…)
アイルちゃんが困惑した返事をした瞬間!
「あれっ?なんかあの大きな岩の後ろで何か動いたような?」
(スライムかもしれません!そういえばこの辺に生息してるスライムは臆病な性格で敵が来たと思ったら、草むらや木の後ろや岩の後ろに隠れる習性があるんですよ!忘れてました!)
「な〜んだ!そうだったんだ!」
(優梨さん!岩の後ろを覗いて見てくださいませんか?)
「わかった。そんな隠れちゃったりする臆病なモンスターなら私でも倒せる気がしてきたぞ。」
私は自信を持つと岩の方へ近づいて、そっと後ろを覗いた。
「さ〜てスライムはいるかな?」
「ヴゥゥゥガヴゥゥゥ…」
「えっ・・・」
そこには3メートルはあるんじゃないかという大熊の姿をしたモンスターがなんだか怒った様子でこっちを睨んでいた。
「あっっあのぅ!アイルさんっ!
言ってたことと違うんですけども…?
目の前にくっくっ熊さんがいるんですけど…?」
(えっ!そんなはずは!私の調べではそこには…)
「そっそれに何か怒ってらっしゃるみたいだし…?」
「あっ…すみません…そこの場所じゃなくて…逆の場所でした…)
「じゃっじゃあ、ここって…?」
( 大変言いにくいんですけど…そこは「ムカムカベアー」っていうレベル7、戦闘初心者じゃ100%敵わない凶暴なモンスター熊さんの縄張りみたいですね…)
「なんですと…」
(あっあの…優梨さん?)
「ゴクリッ…何…?」
(いっ今すぐそこから逃げてくださいー!!)
「はっは〜い!!」
私は泣きながら、全力で走り出した!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます