03話 レベル1ってマジですか。
私は不安を抱いたまま、アイルちゃんの言う通り森の奥を目指して歩き始めた。
「あのアイルちゃん…?
聞きたいことがあるんだけどさいいかな…?」
(なんでしょうか?)
「言ってたじゃない?私に与えられたスキルは百合を感じれば感じるほど強くなれるって能力だって…?
でもそれって、どういうので発揮されるの?というか、私が百合を感じるって感情的なこと?それとも見たり触れたり触れ合ったり聞いたり妄想したりすることのどれかなのかな…?
百合ってだけじゃ枠が広すぎて、どう解釈したらいいのか、わからないんだよね…教えてくれる…?」
(大体、優梨さんの言ったことで合ってますよ。)
「ほへ…?大体、合ってるの…?」
(優梨さんが百合だと感じることなら、聞くことでも見ることでも触れることでも妄想することでもなんでもOK!ということです。)
「へっへえ…?何でもOKなのか…すごいね…?」
(それこそ優梨さんが同性の女の子に恋することで、溢れる感情であっても力に変わるんですよ!
しかも恋してる相手に百合を感じた時は通常の百合を感じる時よりもさらに倍に魔力(パワー)が上がるようになってるんです!)
「そっそうなんだ?私が女の子に恋すると魔力(パワー)が倍になるのか…でもな…私って恋愛経験ないから、恋ってよくわからないなぁ…
それにそもそも私に恋する人もいないだろうし…それにもし私が片思いしたとして、その子に振られたりしたら、落ち込むだろうな…
私ってそういうのに耐えられない豆腐並なメンタルだし…うん、多分だけど恋はしないかな… 期待通りにならなさそうでごめんね…?」
(すでに諦めないでください〜!)
「だっだって…」
「まだまだこれからの事ですし、今はできる事で強くなりましょう!)
「出来る事って…?さっき言ってたモンスターと戦うこと…?」
(そうです!たくさんモンスターを倒すことで経験値を増やして、優梨さんのレベルをアップさせましょう!)
「レベルか…異世界だから、そんな概念がちゃんとあるんだね…?」
(そうなんです!優梨さんだけに限らずこの世界の全ての生き物にはレベルというものが存在していますよ!」
「この世界におけるレベルって、RPGのゲームみたいにやっぱ強さを表したものなの?」
(話が早いですね!その通りなんです!レベルは上がれば上がるほど体力も魔力(パワー)も増えて、基礎能力も上がり、使える技も増えていきますからレベルが高いことに越したことはないんですよ!)
「そこはゲームみたいにわかりやすいな、助かる…」
「ちなみに今、優梨さんはレベル1でステイタスは体力:5 防御力:1 俊敏さ:1 優れた勘:1 魔力(パワー):百合次第。SUPERスキル「百合を感じれば感じるほど一時的に魔力(パワー)を一気に増幅して
強くなる能力」です!
「レベル1で…ステイタスのほとんどが一桁…そりゃ当たり前か…」
(どうですか?私の説明を聞いて納得していただけましたか?)
「うっうん、納得はできたかな…?
自分が今、魔力(パワー)以外はとっても弱そうなのだけはね…?」
(すっすみません、まだ異世界に来て間もないですから…)
「わかってるよ。さぁ、レベルアップするためだ…とっと行こうか…スライムのいる森の奥に…」
(あっはい!そうですね!気を取り直して、森の奥へ行きましょう!頑張って強くなりましょうね!)
「あはは、頑張るよ…」
私は不安が大きくなりながら、森の奥まで歩いた。
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