第258話 VS東海大1


 試合当日。

 浮かれポンチのキャプテンの様子が気になるが、見た感じは普通にいつも通り。

 気合いバッチリって感じだ。空回りしない事を祈る。

 フラグを見事に乗り越えてください。


 「先発は弾呉四男じゃないんだよな」


 「一年生だしね」


 スタメンを見たけど、弾呉四男の四季君は先発じゃなかった。三年生のエースサウスポーが先発だ。


 言ったら悪いけど、弾呉四男の方が手強いんじゃないかと思ってる。

 ストレートこそ140キロ後半はでるものの、変化球はスライダーとフォークのみ。


 「いや、高校生の時点でサウスポーの140キロ後半は充分凄いと思うよ。プロも注目してるらしいし」


 「照れる」


 「だるっ」


 タイガが凄いって言ってるけど、俺はサウスポーで150キロ超えてますが?

 その意味も込めて照れてみせたら、心底嫌な顔をされた。失言だとでも思ってるんだろうか。


 「でも、パンのお陰でサウスポーの球速が速い選手に慣れてるのは事実だね。ウルもレオンもサウスポーを苦手にしてないし」


 シニアの頃からずっとバッピしてきましたから。俺のインコースにも平気で踏み込んで打てるくらいだし、生半可なサウスポーには苦労しないだろう。


 気を付けて欲しいのはデッドボールだな。

 俺は前世の事もあって、デッドボールを蛇蝎の如く嫌ってるから、本当に当てないように気を付けている。

 その為にコントロールも磨きまくってると言っても過言ではない。それでもたまにすっぽ抜けるが。


 いつも俺が当てないと分かってるから、踏み込んでこれるんだよね。

 今回の東海大のエースのコントロールは並みだ。怪我には本当に気を付けて欲しい。



 初回。先攻は東海大。


 先頭バッターの一番も体が大きい。


 マン振り集団の東海大だけど一番もブンブン振ってくる。それでいて一番の役目もしっかり果たす厄介な打者だ。コンタクト率が高いんだよね。


 「速球系にはとにかく強いからな。どうリードするのやら」


 東海大は速球系にとにかく強い。

 変化球で躱したいところだけど、そればっかりにも頼ってられない。

 握力もなくかっていくし、変化球を生かすのも殺すのもストレートが重要だ。



 初球。

 インハイへのストレート。

 相手は見送る。ちょっと驚いてる感じ。

 得意の速球を初球で、それもインコースに投げてくると思ってなかったみたいだな。


 2球目。

 アウトローへのストレート。

 これは外れてボール。


 3球目。

 もう一度アウトローへストレート。

 これも外れてボール。


 「選球眼が良いな。悪くないボールだし手を出しても良いと思ったけど」


 しっかり見てくる。打てると思った球をマン振りする感じだと思ったけど、ちゃんとボール球には手を出さないようにしてるらしい。


 4球目。

 またもやアウトローへのストレート。

 相手はスイングしたものの、ファール。

 これでツーボールツーストライクだ。


 5球目。

 インコース低めへのボール。

 これにも反応したものの、キャプテンが投げたのはスプリットだった。


 空振り三振である。


 「ストレートでゴリ押しして最後は変化球か」


 「タイガさんも速球にどれだけ強いか測りかねてるんじゃないですかね」


 どうだろうな。今の所、スイングは怖いけど当たらなければなって感じだし。

 打率も悪くない打線だけど、キャプテン相手にはどうなのか。

 それを探るところからだな。



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 新作だすぜヒーハー。

 体調を崩す前から書いてたんだけど、あっため続けてるのもなーと思ってとりあえず放出。

 ストックはあるけど、それが無くなったら毎日更新出来るかは分かりません。


 地獄からの刺客『エンマダイオウ』


 競馬モノのお話です。初日は5話更新。

 良かったら暇潰しに読んでくだせぇ。


 

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