第220話 準決勝
関東大会準決勝。
神奈川の東海大との試合である。
奇しくも、浦和と同じく冬明けに練習試合をした相手であり、相手方はかなりリベンジに燃えているらしい。
今日の先発はキャプテン。
改良したスライダーを武器に序盤から凡打の山を築いていく。
曲がり幅が大きくなったスライダーと覚えたてのカットボールを有効的に使って、五回までヒット2本無失点と文句ないピッチング。
打つ方では速水以外の一年四人が1打点ずつ。
速水もヒット1本も四球で、新戦力が徐々に高校野球に慣れてきたという印象だ。
勿論、一年以外のメンバーも負けずに打点を上げており、五回終了時点で6-0と大差でリードしている。相手は神奈川の強豪だし、レギュラーメンバーがキャプテン以外出てない中でのこれは、龍宮の選手層の厚さを表している。
「うーん。充実。夏に向けて準備は万端って感じだな」
「怪我が怖いよね。ほんとに」
フラグみたいな事言うなし。
でも正直、今の龍宮なら一人二人欠けたところで、問題なく戦える戦力はあると思う。
仮に俺とレオンが抜けても普通に勝てるんじゃなかろうか。
1(中)ウル
2(捕)タイガ
3(三)レオン
4(左)大浦
5(遊)隼人
6(一)清水先輩
7(右)一二三少年
8(二)速水
9(投)キャプテン
投手陣には俺と金子とミズチ。
代打にはプリンスや剛元、他にも打てる選手が控えている。
「これのどこに穴があるんだって話だよ。俺が投げてる時は明確に穴だけどさ」
その分投げる方で貢献させて頂きますゆえ。
そこはお許し願いたい。
キャプテンも金子も普通に打てるからなぁ。ミズチはちょっと微妙だけど。それでも俺よりは全然マシ。
「凄いねぇ。プロの二軍相手なら良い勝負出来るんじゃないかって思っちゃうよ」
うーん。それはどうだろうか。
出来そうな気もするけど、無理そうな気もする。
プロは打球スピードとか段違いだしなぁ。
それにプロなんて、超高校級の白馬君みたいな選手の集まりなんだ。二軍とはいえ、そこまで甘くないような気もする。
金子とぺちゃくちゃと話をしながらも試合が進む。六回からは、前半戦程打てずにかなり早いスピードで進む。
キャプテンは長打2本で1点を失ったものの、結局最後まで完投。
最終的に130球ほど投げてたが、かなり満足そうな顔をしている。
新球の手応えバッチリだもんな。でもその新球の抜け球が打たれた訳で。
まだまだ覚えたてだから、もっと磨き上げる必要はあるって感じかな。
「7-1か。関東大会でこのスコアはあんまりアテにはならないけど、それでも良い結果だ」
夏の予選とかとは本気度が違うからなぁ。
手を抜いてるとかじゃないんだけど、やっぱり気合いの入れようは違うと思う。
次はいよいよ決勝戦。
俺の出番はあるかな?
せっかくのハマスタだし出来れば投げたいけど。
俺の出番があるって事は、ミズチが捕まるかバテたって事だからなぁ。
出番が来て欲しいような、来て欲しくないような。悩ましいところですな。
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ある程度一年の戦力は見せれたかなと思って、ダイジェストにしました。
春の関東大会はどうしても盛り上がらないですからね。さっさと終わらせたいのが本音ですw
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