第9章 関東大会
第202話 初戦の相手
今年は神奈川で開催される春季関東大会。
勝ち進めば横浜スタジアムで野球が出来るんだよね。出来ればそこまではいきたいなーなんて思っちゃったりしちゃったり。
「初戦は栃木の造新学院か」
「甲子園常連校だよね」
五月後半の土曜日。
関東大会がとうとう始まる。
まぁ、龍宮は新戦力を試す良い機会としか思ってないけど。
どこの学校もそう思ってるんじゃないかな。
でもね、みんなが楽しそうに試合をしてるのを見てると出たくなってくるんだよねぇ。
「スタメンは昨日言った通りや。展開によってはメンバーも変えるやろうから準備は怠るなよ」
チラッと監督に出たいアピールをしてみたけど、いつも通りフル無視。
なんか前回出たいアピールをし過ぎて掲示板で話題になったんだよね。金子が教えてくれた。
今回はそんな恥をかかないようにしないと。
「公式戦デビュー! 緊張してきました!」
「とてもそうは見えないけど」
今日先発のミズチは緊張してきたとか言ってるけど、滅茶苦茶楽しみにしてそう。
中学でも全国大会とか大舞台は経験してるしね。
他の一年も一人を除いてリラックスしてる。
「胃が痛くなってきた…」
野球から長く離れてた一二三少年はかなり緊張してるみたいだ。大浦に変わって4番に抜擢されてるし。監督も中々酷な事をする。
下手したら一二三少年が潰れてしまうぞ。
「大丈夫だって。お前は普段から俺とかキャプテンの超高校級のボールを打ってるんだぞ? 相手ピッチャーがそれ以上な訳ないんだから。リラックスして打席に立ってこい」
「が、頑張ります!」
うーん。本当に大丈夫だろうか。
でも一二三少年って打席に入ったら自然とスイッチが入るタイプの選手だと思うんだよね。
俺相手に笑顔で挑んで来れるんだから。
因みに今日はいつものスタメン組は一切出てない。一年五人と上級生の控えがスタメンだ。
センバツ優勝校って事で観客がかなり入ってるけど、順調に試合が進むのなら俺達の出番はない予定だ。監督が試合展開によっては出すって言ってたけどね。間違いなく俺に出番はない。
何故なら勝った場合の次の試合の先発を仰せつかってるからだ。
だからミズチが打ち込まれたりしても、出るのはキャプテンか金子。
流石にこの二人がKOされる事は無いと思うので、やっぱり俺に出番はない。
いや、待てよ? 代打で出番があるかもしれん。
前回打ったしさ! 可能性あるよね!
「先に言っとくけど、お前を代打で出すくらいなら試合を諦めるぞ」
まだ何も言ってないんだが。
何故か監督に先回りされちゃいました。
分かってる。分かってますよ。
流石に俺を代打なんてありえない事ぐらい。
「暇だなぁ」
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