第190話 復活


 メリクリ。

 作者サンタからちょっとしたプレゼント。

 って事で本日2話更新です。


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 皆さんは恋愛漫画を読んだ事があるだろうか。

 読んだ事があるなら、こんなシーンを知っているはずだろう。


 主人公が風邪を引き、ヒロインが献身的にサポートする。また逆のパターンもあるが。


 俺こと、三波豹馬君はサブカルチャーが大好きなので、当然そういったシチュエーションも知ってたし、憧れを抱いていた。


 しかしいざ自分が高熱で倒れてるとだね。

 マジでほっといて欲しいとしか思わない。

 喋るのもしんどいし、わざわざ来てくれたら気を使わないといけないので、変に神経を使ってしまう。

 一人暮らしとかをしてたら、また話は別なんだろうけどね。実家に住んでたら大抵は親がなんとかしてくれる。


 俺はこれから漫画でそんなシーンを見かけたら冷めた目で見る事になるだろう。

 勿論これは俺の意見であって、みんながみんなそうじゃない事は分かっている。

 某レベル999のやま○君のヒロインを看病しに行く場面は男ながら惚れそうになったし。ってか、惚れました。


 まぁ、長々と語ったが何を言いたいかと言うと。


 「ちょーしんどい」


 渚ちゃんが心配して連絡はくれたけど、向こうもモデルのお仕事みたいで。

 俺としては家に行きますよーみたいな展開にならないで好都合だったんだが、心配かけたのは申し訳ない。早く治して元気な姿を見せなければ。





 「そして復活である!!」


 「静かにしなさい」


 「お兄ちゃん邪魔」


 日曜日の夜。

 完全に熱も引き完璧な体調である。

 勿論病み上がりということで無理はできないが、明日は月曜日で練習は休みだ。

 学校に行って授業を受ける事は出来るだろう。


 「ふはははは! 健康最高!!」


 「豹馬ちゃん怒るわよ」


 「またうざいお兄ちゃんに戻っちゃった。風邪を引いてるぐらいが丁度良かったんじゃない?」


 我が家の女性陣が辛辣である。

 せっかく快気した豹馬君にかまってほしい。

 父さんは我関せずを貫いて、ソファでスマホをぽちぽちしてるし。


 「無理しないようにしなさいよ」


 「分かっております」


 「渚に連絡した? ちょー心配してたよ」


 「抜かりなく」


 「豹馬、さっきガチャでこのキャラが出たんだが、どうなんだ?」


 「くたばれクソ親父」


 それは現環境で必須の人権キャラですねぇ。

 豹馬君はそれを引くために貯めてた石をブッパしたのですが。

 結果は当たり前のように爆死。そろそろPSで誤魔化すにも限度がありますぜ。


 「あー微妙に体が鈍ってる感覚があるなぁ」


 「風邪を引いた時の体力の消耗は馬鹿に出来ないぞ。元通りにするには意外と時間がかかるもんだ」


 「白馬君に打たれたから鍛え直しだって時に」


 「焦るなよ」


 「分かってる」


 なんだかんだ父さんはしっかりアドバイスしてくれる。

 母さんも色々してくれたしな。

 大天使神奈は…。大天使だから良し。


 ほんと良い家族に恵まれて幸せもんだぜ。

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