第173話 身体測定パート2
一年次にもやった身体測定。
あの頃からどれだけ成長したか楽しみだ。
「ちぇっ。金子にかっこいい先輩ムーブは取られちまったよ。仕方ないからさっさと計測を終わらせるか」
俺が大嫌いな1500m走から終わらせよう。
持久走って本当に嫌い。ってか、走るのが好きじゃない。スタミナを付ける為にはある程度やる必要があるんだけどさ。
バイク運動でいいよねって思っちゃうよ。
「大体こういうのってレオンが無双するんだよな」
「前回は遠投しか勝てなかったよ」
俺は左手の握力。
暇さえあればゴムボールをにぎにぎしてるからね。
「よし。目標はレオンにどの種目でも一位を取らせない事としよう」
「1500m走が最初の難関だね」
ふははは! 走るのが嫌いなだけでタイムが遅いとは言ってないぞ!
俺の真の実力を刮目せよ!
「ぜはーっ。ぜはーっ」
ダメでした。レオン君速すぎるよ。
俺だって悪くないタイムだと思うんだ。
「3分45秒って速過ぎない? 日本記録とかどうなんだろ」
くそっ。正直勝てる自信があったのに。
肺活量の差がこんなにも違うとは。
「いや、パンの4分丁度も普通に速いんじゃない? 最後の一周まで、デッドヒートを繰り広げてたじゃん」
「負けたら意味ねぇんだよぉー!」
因みに部内では三位でした。
隼人君にも負けました。ぴえん。
その後も各種目全力で頑張る。
その甲斐もあってか、色々な種目でレオンを超える猛者も現れた。
「まぁ、短距離はウルの独壇場だよね」
50m走ではウルがぶっちぎりの一位。
それは分かってたけど、ここで頭角を現したのは、一年生のクールボーイ速水。
ウルと大浦に次ぐ三位で部内を沸かせた。
腹筋では隼人がレオンに勝ち、背筋は二代目ゴリラの清水先輩が。
遠投はタイガが一位だったし、結局レオンが一位だったのは1500m走だけだったな。
他にも色々計測したけど割愛。
一年生もちょこちょこと上位に食い込んできてて将来が非常に楽しみである。
まだ身体スペックだけだけど、野球ではそういうのも大事だからね。
そして俺はというと。
「199.7cm…。後3mm頑張れよぉ…」
レオン君に勝ったのは身長と握力だけでした。
身長も中途半端だしさぁ。
「もう俺の骨端線閉じてるんだけど。後3mm伸びるかな。不安になってきた」
「もう2mで良いじゃん。ほぼ一緒でしょ」
「テンションが違うんだよ! テンションが!」
それにしても。
「各種数値は伸びてるな。高校生って凄いや」
「去年より大幅にアップしてるよね。冬の地獄を耐え抜いた価値があったよ」
冬の四ヶ月の成果がそろそろ出始める頃だ。
俺も針金だったのが、木の小枝ぐらいにはなってるし。
今年は普通の枝ぐらいにまで成長したいな。
「二年生組もこれからが体作りの本番だしなぁ。来年の数値もえらい事になりそうだ」
俺は早めの成長期が終わったから、筋トレとか出来たけど、他はこれからですし。
来年はもっと順位が下がるかも。
この一年しっかり鍛えないとな。
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