第8章 新しい季節
第171話 凱旋
新入生の入学式が行われた次の日。
始業式が行われた。
「はい、皆さん拍手ー!!」
龍宮高校野球部は最初に壇上に呼ばれて、校長先生からお祝いのお言葉を頂く。
甲子園優勝おめでとー的なね。校長先生は俺達の個性を守る為に高野連と真っ向から対抗してくれた、最近の先生の中では驚くべき善人だ。
「うはははは! キラキラした視線が気持ちいいぜ! これは教室でもチヤホヤされちゃうだろうな!」
そんな校長先生からお祝いされるのは普通に嬉しい。
壇上からみる他生徒の視線も気持ちいい。
ああ。野球やってて良かった。
「おかしいな?」
「そう? なんとなく予想はついてたでしょ」
始業式が終わり教室へ。
スポーツ科は二クラスしかないため、新学期恒例のクラス替えはない。
見慣れたメンツからチヤホヤされるだろうと、ウキウキして教室に向かったんだが。
「レオンと大浦が人気なのは…。百歩譲って。百歩譲って理解するとしよう。なんであんなに金子が人気なんだ? 俺には男連中しか集まってこないのに、金子は女にチヤホヤされてるぞ?」
「あの優しげな雰囲気が良いんじゃないかな」
「お前は女に近寄って来られたらコミュ障みたいになるだろうが」
俺、タイガ、隼人は男連中からは沢山の祝福の言葉を頂いた。
タイガと隼人は彼女持ちってのが、周知の事実である。だから、まぁ女性も遠慮してるんだろうなってのは分かる。
俺は? フリーですけど? いや、勿論渚ちゃんという心に決めた女性はいるけども。
それでもスポーツ科のむさい男連中にチヤホヤされるより、スポーツ系女子からチヤホヤされる方が嬉しい。
仲良くなりたいとかじゃないんだ。ただ、チヤホヤされて気持ちよくなりたいだけなんだ。
「みんなそう思ってるのが分かってるんじゃないかな。パンって喋れば承認欲求モンスターってのがすぐに分かるから」
「甲子園出場を決めた時、女に喋りかけられて吃ってただろ。それで気を使われてるんじゃねぇの?」
吃ってない。吃ってないったら吃ってない。
ちょっとびっくりして対応に失敗しただけだ。
肉食系女子は恐ろしいんだぞ。目がギラギラしてるからな。俺は笑顔でおめでとうって言ってもらえるだけで良いんだ。
「わがままだよ」
「さっさと渚と付き合っちまえよ。他の女の事なんて考えてる暇がなくなるだろ」
「来週の月曜日デートなんだよ」
三波豹馬。一世一代の大勝負に出るんだぜ。
「その前に春季大会があるのを忘れないでね。一回戦は免除だけど、金曜日に早速試合だよ」
それな。平日に学校を公欠で休んで試合があるんだよ。まぁ、高校野球あるあるだけど。
「関東大会とかあんまり興味ないなぁ」
「夏のシードは取らないと面倒でしょ。ベスト16には入らないと」
「打線がいつも通り仕事すれば、ベスト16は問題なさそうだがな」
一年生はまだ出れないんだよね。登録の関係上。
早くても一年生のデビューは関東大会からになる。
「なんか程々の所で負けて練習してる方が身になるような」
こういう考え方は傲慢なのでしょうか。
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1年次は野球メインで学校行事をほとんど飛ばしてたんですけど、2年次からはちょこちょこ入れていこうかなと思ってます。
体育祭やら文化祭って青春ですよねぇ。
スポーツ強豪校は修学旅行に行けないのがお約束ですけど、豹馬の学校では行かせてやりたい。
だけど、モロに野球に関係ない話なので、どうしようかなと未だに迷ってます。
豹馬達の学校生活に興味ありますかね?
ご意見頂けると嬉しいです。
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