第170話 キャプテンの帰還


 「お勤めご苦労様です!」


 「なんか誤解されそうだからやめてくれる?」


 新入生に高校野球の厳しさを教えてから二日後。

 代表合宿からキャプテンが帰還した。


 「うわぁ。こうして見ると甲子園を優勝したって実感が湧いてくるなー」


 「これがないと始まりませんぜ!」


 キャプテンが見て驚いたのは、甲子園優勝を祝う垂れ幕。

 まもなく、入学式が始まるって事で学校側が用意してくれたんだ。

 俺は既に写真を撮ってSNSに投稿済みである。


 「新入生はどう?」


 「活きの良い奴らが揃ってやす! 押忍!」


 「とりあえずその喋り方やめようか。新入生に変な目で見られちゃうよ」


 不良ってどんな話し方なんだろうね。分からないから想像で頑張ってたんだけど、キャプテンから不評みたいだ。

 ちっ。鑑別所帰りの怖い先輩ってイメージをつけてやろうと思ったのに。


 新入生の練習参加は初日こそ五人だけだったものの、俺達が練習してる事を聞きつけたのか、一般入部予定の子達が、翌日から増えた。

 既に十人以上になっており、正式に部活が始まる頃には何人になるのか想像もつかない。

 甲子園効果ってすげぇな。


 「代表合宿はどうでした?」


 「まぁ、日本中から集められてるって事で、有名な選手が多かったよね。白馬君も来てたし。後は桐生のエース尾寺君とか」


 そういえば、白馬君から代表合宿に行ってくるみたいな連絡を貰ったな。

 自慢かよと思って塩対応したような気がする。

 新三年を中心に集めてるとは言ってもさ。甲子園で大活躍したレオンとか俺を呼んでくれても良いと思うんだ。


 別に代表に選ばれたいとかじゃないけど、なんな選ばれないのは腹が立つと言いますか。

 ………選ばれたいのか。うん。


 「高校野球ってこの時期はスケジュールカツカツですよね。すぐに春季大会ですし。終わったと思ったらGWですよ」


 「で、あっという間に夏なんだよね」


 部室で喋りながら練習の準備をしてたんだけど、なんかしんみりした雰囲気になっちゃった。

 後四ヶ月しかないんだよなぁ。


 「短いですね」


 「そうだね。豹馬達が入学したのが昨日の事みたいだよ」


 それだけ濃密な時間だったって頃だろう。

 去年の夏は嫌な思い出しかないが。

 肝心な所で二人とも怪我しちゃったし。


 「長い夏にしましょうね」


 「勿論だよ。目指すは甲子園春夏連覇! どこの高校よりも長い夏にするよ!」


 わはははは! そうこなくては!

 俺達も全力を尽くす所存です!

 新しい戦力も入って来たし、我が龍宮高校に死角なし!

 王者として君臨してやる。

 挑戦はいつでも受けて立つぜ!



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 はい。第7章終了でーす。

 まぁ、新入生の紹介って感じですね。

 早速作者は増えたキャラの扱いに四苦八苦しておりますが、なんとか上手く話に組み込める様に頑張りますね。


 次章は春季大会の話になるかなと。

 センバツ優勝を果たした龍宮がどう戦っていくのか。

 乞うご期待ってところですね。


 今回は大して話も進んでないので、掲示板や閑話はなくそのまま次章に進みます。

 三井の代表合宿の様子とかを入れようか迷ったんですけどね。

 話を膨らませる程のキャラがいねぇって思いましてwww


 ではではまた次章で〜。

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