閑話 三人の男


 都内の大きな一軒家でまもなく高校生になる男三人がセンバツの決勝戦を見ていた。

 試合は始まったばかりで、一回の桐生高校の攻撃だ。


 「初回から揺さぶってきてるなあ」


 「それだけの戦力だって認めてるって事だろ」


 「実際龍宮高校は投手も打者も既にプロ級が何人も居ますよね」


 この春、龍宮高校に入学する事になる三人。

 三人共スカウトされて、特待生や準特待生として入学する。

 みんなが違うシニア出身でだったが、対戦経験もあり入学前に親交を深める意味で、今日は集まった。


 「豹馬君は先発じゃないんだよなー。残念」


 「出たよ、信者」


 一人の男は豹馬達と同じシニア出身。

 色々な所からスカウトが来ていたが、最初から龍宮高校に行く気しかなかった。

 シニアの頃から豹馬信者であり、何をするにも後ろに引っ付いてきていた、可愛い後輩である。


 「うるさいぞ。豹馬君は神なんだ。異論は認めない」


 「はいはい」


 からかった男に噛み付くようにがるると唸って威嚇する信者と呼ばれた男。


 「そんな事より自分の心配したら? お前、あの人からポジション奪えるの?」


 からかわれたのをやり返すように言い返す。

 TVではレオンが先制ホームランを打っていた。


 「俺、高校に入ったら外野の練習をしようと思うんだ」


 「諦めてんじゃん」


 「あの人が怪我でもしない限り無理だろ。俺は試合に出たい。外野なら一枠空いてるし」


 からかった男のシニア時代のポジションはサード。レオンと被っているのである。

 男は最初から競争を諦めて、コンバートも視野に入れている。


 「だけど、同じ高校に入るんだ。盗める物はぜんぶ盗んでやるぜ」


 「豹馬君もレオン君には手を焼いてるみたいだからねぇ。まっ、頑張ってよ」


 信者の男はお気楽に答える。

 この男は豹馬と一緒に居られれば満足なのだ。


 その後も試合は進み九回裏。

 男二人はやいのやいのと言い争いながらも、仲良く試合観戦をしていた。


 「豹馬カッコいい…」


 「きもすぎるぞ、お前」


 うっとりとした表情で試合を眺める信者。

 

 「お前、静かだな」


 「君たちがうるさいだけでしょう」


 言い争っていた二人とは対照的に、静かに試合を見ていた男。

 冷徹そうな目で、一定層の女子が喜びそうな見た目をしている。海夢とかマリンとかまりんとか。


 「かーっ。クールぶっちゃって。そんなキャラじゃねぇだろ」


 「やめてください。僕は高校デビューするんです。優等生キャラで売っていこうと思ってるんです。変な事言わないで下さい」


 「キャラとか言ってる時点で無理だと思うがな」


 優等生のポジションはセカンドとショート。

 本職はセカンドだが、ショートもしっかり守れる。隼人が居る事からセカンドでのレギュラー奪取を目標としている。


 「やっべぇな。龍宮強すぎだろ。初出場初優勝かよ」


 「豹馬くぅん」


 「本当に気持ち悪いですね」


 龍宮高校が優勝で試合が終わった。

 あまりの強さに三人共驚いている。いや、一名は少しトリップしていたが。


 「早く一緒に練習してぇな」


 「甲子園に行ってるせいで、練習参加出来てませんからね」


 「帰ってきたらすぐに向かわなくちゃ!」


 新戦力の三人は既にワクワクが止まらなくなっている。

 そして、いてもたってもいられなくなり、そのまま三人で練習を始めるのであった。


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 この作品を見てくれてる方って大体野球好きですよね?

 偶に野球は知らないけど、ストーリーが面白いって言って下さる方も居て、それはそれでありがたいんですけど。


 まぁ、それは置いといて。

 最近カクヨムで連載が始まったっぽい野球の作品が中々に面白そうなんですよね。

 まだ序盤も序盤だからあれですけど。


 『野球部の手伝いを嫌々していたら、なぜかドラフトで指名されました』ってやつ。


 週間現代ランキング3位でこれから盛り上がりそうなんで良ければ読んでみて下さい。


 なんかめっちゃ宣伝してるけど、別に作者さんと知り合いとかなんでもなくて、普通に面白そうだなーと思いましてwww

 こういうのって載せて大丈夫なんですかね。

 やばそうなら消しますw

 


 

 


 

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