第113話 甲子園決定


 「ふっ。いつの間にか筋肉痛とはマブダチになってしまったな」


 年が明けてから早いものでもうすぐ1ヶ月。

 1月の下旬になっていた。

 元旦に両親の祖父母に会い、お年玉を貰って可愛がってもらった。

 両方ともの親同士は仲が良く、揃って春のセンバツも見に来てくれると言っていた。

 しっかり活躍する所を見せないとな。


 練習再開しても、基礎メニューや体作りのメニューは変わらず地獄だった。

 合宿じゃない分、家に帰るのもめんどくさかったし。学校が早く始まってくれと思ったのは初めてかもしれん。


 「授業受けるのもきついよ。ほとんど寝ちゃってる」


 「いつも通りじゃねぇか」


 何、いつもはちゃんと受けてますみたいな言い方してんだよ。

 いつも寝てるから成績悪いんでしょうが。

 頼むから最終的に卒業出来る程度にはテストで点を取ってくれよ。



 「むむっ? 若干、体が大きくなってきたな。春までに、まだまだ大きくなっていくだろうし、しっかり調整していかないと」


 早くも地獄の効果が出て来てる様に感じる。

 後、1ヶ月でとれだけ追い込めるか。

 怪我だけはしないように。それで甲子園出られないとか最悪だからな。




 そして高野連から学校に連絡があり、龍宮高校の春のセンバツ出場が決まった。

 ほとんど決まりだったとはいえ、やっぱりホッとするな。

 校長は高校球児の代表として、模範になるように〜とか長い事お小言を高野連に言われたそうだが、笑って気にするなと言っていた。

 この人器大きすぎませんかね。



 「おっ! 垂れ幕あるじゃん! これを見ると甲子園に行くんだと実感するな!」


 甲子園出場が決まったので、校舎にでかでかと垂れ幕が用意されていた。

 パシャパシャと写真を撮り、SNSにアップする。

 俺氏、意外とフォロワーが多いんだぜ。

 主に爆死報告なんだが。

 おのれ、年始ガチャめ! 今年も俺を苦しめるのか! なぜ限定キャラが当たらんのだ!


 「甲子園行ったら、豹馬君フィーバーが起こるんだろうなぁ。全国の甲子園球児の皆さんには申し訳ないね。俺が主役の舞台になっちゃうんだから」


 「はいはい。どうせレオンフィーバーが起きて歯噛みしてるのが、今から目に浮かぶよ」


 「完全試合とかして、完全王子とか言われるんだろうな。今からそういうインタビューの練習とかしておくべきか?」


 「えぇ、無視? 無敵じゃん」


 ふはははは! 絶対に俺が主役になってやるぞ!

 レオンには負けん! ってか、誰にも負けん!

 甲子園は俺の庭にしてやるぜ!


 「その為にも練習だな! モチベーション上がってきたぞ! 筋トレでもなんでもかかってこい!」


 「やる気になったんだったら良いか」


 なんでタイガ君はそんなに俺にツンケンするのかね? 男のツンデレキャラは求めてないぞ?

 なんだかんだ言ってお前もワクワクしてる癖にさ。

 最近長打性の辺りが増えて来たってルンルンだったじゃんね。

 みんな、少しずつ地獄の合宿の成果が出て来てるようでなりよりです。

 

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