第110話 お食事デート
やらかした。
昨日は、ウルと神奈が家でデートする日だから、夕方に家に帰ろうと思ってたんだった。
眠すぎてすっかり忘れてたぜ。
……まぁ、邪魔するのも良くないか。
神奈が幸せならOKです。
お兄ちゃんは血涙を出しつつ我慢します。
「ふむ。格好に問題はないな」
そんな俺は今日渚ちゃんとお食事に行きます。
午前中には昨日と同じくプールでしっかり体を虐めてきました。
筋肉痛もマシになってたから、昨日よりは楽だったな。
明日からはまた地獄なんだが。
「レオンが凄い形相で睨んできてたけど…帰ったら怖いな。何言われるんだろう」
一応渚ちゃんとご飯行く事は言った。
後でバレると何されるか分かったもんじゃないからな。これだからシスコンは困る。
「待ち合わせ30分前。完璧だな」
駅前集合って事で、しっかりと仁王立ちする。
俺はデカいから目立つんだよね。
待ち合わせスポットには向いてると思います。
「パン君〜。お待たせしました〜」
「いやいや、全然待ってないよ」
ほひゃー。天使。大天使。熾天使。
可愛いってより、美しい。
渚ちゃんは、身長も女性にしては高め。
これで中学2年生ってんだから信じられぬ。
……高校生が中学2年生とデートして捕まらないよね?
「今日はお誘いありがとうございます〜」
「こちらこそ! 今日の服装滅茶苦茶似合ってるね!」
「わあ〜ありがとうございます〜」
「今日行く所、SNSで送った所で本当に良かった?」
「はい〜! 私も行ってみたかったんですよ〜」
渚ちゃんの服装はモデルさんだけあって、滅茶苦茶おしゃれだった。
タートルネックにライダースジャケット。
スキニーデニムと、かっこいい女性って感じ。
スタイルが良いからこそ出来る格好。
控えめに言って最高です。
で、今日行く所は最近出来たらしい、パスタ専門店。
正直、行く所滅茶苦茶悩んだよね。
ファミレスは流石に無しでも、気合いを入れ過ぎても気持ち悪い。
まだ高校生と中学生だし。
手頃な価格でおしゃれな場所をひたすら検索し続けた結果、新しく出来たパスタ専門店。
まあ、中々ありなんではなかろうか。
「そっか。モデルの仕事も順調なんだ」
「はい〜! 最近はかなりお仕事が増えてきて嬉しいです〜!」
「勉強とかは大丈夫なの?」
「はい〜。まだ5教科で450点を下回った事はありません〜」
うひゃー。ナチュラルで頭良いよね。
俺は前世知識に助けられてるのに。
まあ、高校までの勉強なら割となんとかなるんだよね。
大学に行って、更に専門化すると一気に難しくなる印象。
ミクロだのマクロだのと。
前世はかなり苦労したなぁ。
学校の事や、仕事の事。
たまに野球の事を話しつつ店に向かう。
渚ちゃんが聞き上手なのか、俺のつたないコミュ力でもなんとかなってるのはありがたい。
「わあ〜おしゃれな店ですね〜!」
「うん。思ったよりもおしゃれでびっくりしてる」
店はとても綺麗でおしゃれだった。
一応予約もしてあるけど、これ学生が入っていい店なのかな?
でも、そんな心配は無用と、店に入ってみると学生っぽい人等がちらほらいた。
クリスマスだからかカップル連ればっかりだったが。
そして、俺等はとても目立つ。
何せ俺の身長は197cmだ。
日本ではあまりお目にかかる大きさではないだろう。
渚ちゃんも美しいから目立つ。
「滅茶苦茶見られたな」
「いつものことです〜」
流石モデル。見られる事に慣れてるらしい。
俺は野球関連で目立つのは慣れてるんだけど、こういう場はまだまだ慣れていない。
とりあえず堂々としておけばいいかと、マウンドに立ってる気持ちで胸を張ってるが。
「あ、俺これにしよう。和風きのこパスタ」
「私は明太子カルボナーラにします〜」
それぞれ、ドリンクと一緒に注文して料理を待つ。
ちょっと高級感があって落ち着かないな。
「私もこんなお店は滅多にきませんね〜。お仕事の打ち合わせもファミレスが多いです〜」
「俺は小さい頃は父さんに連れられて来てたんだけどな。引退してからはそんなに」
「でも、パン君は将来野球選手になるんですよね〜? 今のうちにこういう場に慣れておくのも良いんじゃないですか〜?」
「野球選手って居酒屋とか焼き肉屋さんでどんちゃん騒ぎしてるんじゃないの? イメージだけど」
父さんも若手を引き連れて行ってた事も結構あったみたいだし。
アメリカに行ってからかな。こんなお店に来るようになったのは。
「うわ。美味しそう」
「写真撮ります〜!」
喋ってるうちに料理も来て、最近の学生らしく綺麗に写真を撮る。
「美味! めっちゃ美味しい!」
「はい〜! とっても美味しいです〜!」
この味でこの値段なのか。
ドリンク合わせても二人で4000円いかないんだけど。採算取れてるのかね。
学生の特別なデートにはもってこいのお店だ。
星三つです。
「今日はありがとうございました〜」
「いやいや、こちらこそ楽しかったよ」
ご飯も食べ終わり、お店を後にして帰宅中。
残念ながら21時までに寮に戻らないとなので。
「それで、これ。クリスマスプレゼントなんだけど」
「うわ〜! 良いんですか〜?」
「うん。妹に聞いて欲しいって言ってたのを買ったんだけど」
クリスマスプレゼント。
かなり悩んだよね。
付き合ってもない異性にプレゼントって中々に気を遣うよな。
アクセサリーとかは重いし。
でも俺には最強の味方。神奈がいる。
賄賂に高額のお菓子を求められたが、渚ちゃんが欲しいって言ってた物をしっかり聞き出してくれた。
「え〜? なんでしょ〜?」
「家に帰ってからのお楽しみって事で」
そうこうしてるうちに、渚ちゃんの家の前に到着。
楽しかったデートもここまでた。
「じゃあ、今日はありがとう」
「はい〜! 私も楽しかったです〜」
渚ちゃんが家に入るまで見送り、学校に戻る。
ああ。終わっちゃったなぁ。
これをモチベーションに、地獄の合宿を乗り越えたのに。
後半戦は何を目的に頑張ればいいのか。
希望のない地獄の練習だけは避けたいな〜。
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なんかデートって書いててムカムカするな。
作者が独り身だからでしょうか。
まさか作品に対して嫉妬してるのか。
デートってこんな感じなんですかね。
あまり経験がないので、分からないんですよね。
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