閑話 レオンとの出会い5
心無しか父さんも姿勢を正してる様に見える。
母さんも怒ると般若みたいになるからなぁ。
「ま、まぁお母様。レオン君も心配しての事ですから」
「あら〜。失礼致しました〜」
変わり身がはえーんだ。
俺はもう絶対怒らせないぞ。
「それでですね。一つ提案がありまして」
「提案ですか〜?」
「はい。レオン君に聞いた所によると、お母様は飲食店を経営する為の資格ほどんどお持ちだとか?」
「はい〜。専門学校に通ってたので調理に関する資格は一通り〜。更新が必要なものもしっかり更新してます〜」
「それは有り難いです。私は今スーパー銭湯内で、お食事処もやってるんですが、食品衛生責任者の資格を持ってた方が退職されるので、私が取りに行こうかと思ってたんです。防火管理者は持ってるんですが。もしよろしければ、うちで働きませんか? 給料はこのくらいになりますが」
「まあ〜こんなに〜? 離婚した夫より多いじゃな〜い」
んふっ。
笑っていいのかな、それは?
頑張って耐えたけど。所謂ブラックジョークってやつかな。
「まぁ役職手当込みですが。それに、お母様は社員という形で雇用させて頂こうと思ってますが、他にもシニアに所属してるお母様方はパートという感じで働いてもらっています。コミュニケーションも取りやすいと思いますよ。勿論、当番の日はこちらで時間調節しますので」
「まあまあ〜。何から何まで〜。本当にお受けさせて頂いてもよろしいのですか〜」
「勿論です。せっかく息子同士で知り合った仲ですし、何よりレオン君の才能に惚れました。絶対などと言う無責任な事は言えませんが、かなりの高確率でプロになれると思います」
「元プロ野球選手の方にこんなに言って頂ける程才能があったなんて〜。自分の息子の事なのに全然知らなかったです〜」
レオン母が心無しかしょんぼりしてる。
いや、大抵は気付かんと思うけど。
だって野球やった事無かったんだし。
「いや、俺自身知らなかったよ。この前初めて野球やったばっかりだし」
ほらね。
やった事ないのに才能見抜けるなんて、もうそれはラノベの鑑定持ちなんよ。
偶にちょっと見ただけで見抜ける人もいるけど。
父さんみたいに。それでもちょっと見ないといけないしな。
「では、三波さん〜。息子共々これからよろしくお願い致します〜」
「こちらこそ。妹の渚ちゃんも、うちの娘と仲良くしてくれてるそうなので、これからもよろしくお願いします」
それから少し世間話をしつつ、レオン母の私物に父さんがプロ時代のサインを山程して解散となった。
「豹馬」
「んあ? 何?」
「本当にありがとう。この借りはいつか必ず返すぞ」
「ふははは! 俺は何もしてないぞ。ほとんど親の力だ。でもそうだな…。それなら、早く凄いバッターになって試合で俺を助けてくれ。ここぞという場面で絶対打ってくれるバッターに」
「ああ! 任せておけ! すぐに豹馬からも打てる様になってやる!!」
「それは10年早いな!!」
これがレオンが野球を始めたきっかけ。
本当にあの時レオンに声かけて良かったなぁ。
☆★☆★☆★
カッキーーン!!
「ガッッッッデム!! お前スランプじゃなかったのかよ!! それならこの前の試合で霊山から打てよ、ばかやろー!!」
「くははは! 完全復活!!」
やべぇよ。
五打席勝負で2本もネットまで運ばれたぞ?
レオンが調子悪い時に、ボコボコのボコにしてやろうと嬉々として勝負仕掛けたのに。
あの時は10年早いとか言ったけど…3年で並ぶ所か追い抜かれてるんじゃないですかねぇ。
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これにてレオンとの出会いの閑話は終了です。
ここまで長くなる予定は無かったんや。
レオン視点も入れて書こうと思ったんだけど…
自分で書いててなんですが、こいつ何考えてんのか分かんねぇってなりまして…笑
途中まで書いて断念しました。
作者が成長したら、再チャレンジします!笑
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