第72話 VS三松学舎3
ただいま、マウンド。
「感傷に浸ってる所悪いけど、今日の調子はどうなの?」
「6割って所かな。出力に耐えられない問題は解決してないし」
「それ、大丈夫なの?」
「ふははは! 休んでる間にピッチングの極意を編み出したからな! 今日の俺は無敵である!」
「ふーん。まあ、点差が開いたから楽に投げなよ」
そう言って鼻で笑いながら、戻って行くタイガ。
あいつは、人を小馬鹿にする様な笑い方が得意だな。
すんごい腹立つ。
度肝抜かせてやんよ!
七回表の三松学舎の攻撃は4番から。
復帰初戦。
相手は絶対初球のストレートを待ってると思うんだよね。
久々のマウンドでボールの調子を確かめたいからストレートを投げると思ってる筈。
って事で初球はナックルカーブから。
「あ、やべ」
カッキーン!!
思いっ切りすっぽ抜けた。
くそみたいな棒球がど真ん中へ。
そしてホームラン。
ギャグかよ。
「タイム!!」
タイガがタイムをかけて、般若の様な顔をしてやってくる。
「ピッチングの極意とは?」
「6割って所かな。出力に耐えられない問題は解決してないし」
「は?」
「ふははは! 休んでる間にピッチングの極意を編み出したからな! 今日俺は無敵である!」
「なに? 記憶飛んでんの? 無かった事にはならないよ?」
「どうもすみません」
いや、ほんとに。
すっごいすっぽ抜けた。
調子に乗り過ぎたと反省しています。
「次、そんな事したらちょん切るよ?」
「ひえ」
何をとは聞かない。ナニだろうからな。
ふははははは!
…頑張らないと。
ぷりぷり怒ってるタイガの後ろ姿を見ながら気合いを入れ直す。
豹子ちゃんにならない様にしないと。
5番バッターは流れに乗ろうとかなり力が入ってる。
初球はチェンジアップ。
豪快な空振り。
絶対ストレート狙ってたじゃんね。
2球目もチェンジアップ。
またもや、豪快な空振り。
そして3球目もチェンジアップ。
流石に3球続けると思ってなかったのだろう。
尻餅ついての空振り三振。
「ふははは! やっぱり三振はいいなあ」
顔真っ赤にして屈辱そうな顔してやがる。
あー。合法麻薬が脳内を巡っていく。
さっき、ホームランを打たれた事を忘れて、テンションを爆上がりさせていく。
6番はストレートオンリーで5球目を見逃し三振。
7番はストレートとチェンジアップで追い込み、ナックルカーブで空振り三振。
ホームランさえなければ、完璧である。
「あいヤー! 三振はやっぱりたまらないヨ! みんなを笑顔にするネ!」
「誤魔化そうとするな。お前は調子に乗ってホームランを打たれたんだ。帰ったら覚えておけ」
ひえー。
レオン様もお怒りである。
「誰にだってすっぽ抜けはあると思うの。許しておくんなまし」
これからは、心を入れ替え誠心誠意ピッチングに励ましていく所存。
三波豹馬の奪三振ショーをご覧あれ。
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