第1章 高校生活
第6話 入学
転生してから15年程の月日が流れて。
俺氏。三波豹馬は高校の入学式に来ている。
「まだ、新しめの学校だけあって綺麗だな」
俺が入学したのは今年で創立10年目の私立の龍宮高校である。
名前がかっこいいからここに選んだ訳ではない。
いや、俺ならば名前のかっこよさで選んだかも知れないが、今回ばかりは違う。
叔母が理事長をしているのだ。
苗字が違うので親しい友達しか知らないと思うけど、吹聴して回る事でもない。
龍宮高校は、スポーツに力を入れている。スポーツ科もあるし、特待生枠も準特待生枠もある。
というよりも俺が入学すると知ってわざわざ枠を作ってくれたのだ。
それぞれの枠を二つずつ。
とんだ身内贔屓もあったもんだ。
それでいて、普通科は偏差値が非常に高い。
スポーツ科も普通科程ではないが高い。
叔母は文武両道を目指しているらしい。
まぁ、俺はスポーツ科を普通に受験して入学したんだけどね。
前世は大学まで行ったんだからちょろいもんだぜ。
じゃあ、何の為の特待生枠なのかと言えば俺のシニア時代のチームメイトの為だ。
家庭の事情でとても私立に行ける程の生活の余裕が無い者が2名と単純に馬鹿2名である。
俺が一緒の高校に行かないかと誘って連れて来たので、完全に職権濫用した感じになっている。
だが、シニアの全国ベスト4までいっただけあり戦力には期待出来る。
来年からは、学校のスカウトさんが探してくれるであろう。
そして、叔母が理事長してる事も選んだ理由であるがもう一つ、いや二つ、いや三つ、この高校にした理由がある。
それは、この高校はなんと私服なのだ!!
分かってる。分かっておる。制服のJKも良きなのは俺とて重々承知なのだ。
だが! だが! 制服バフに目を惑わされて真の美人を見逃してしまうのではと考えたのだ。
俺の好きな女性のタイプは可愛い系ではなく、美人系なのだ。
この手のタイプは制服ではなく私服でこそ輝く。
三波豹馬はそう信じているのであります。
因みに、俺は多分イケメンである。
10段階評価で7か8を頂けるレベルである。
ありがとう管理者さん。
そして二つ目の理由が、坊主にしなくていい事である。
最近は減ってきたが、それでも野球をガチガチにやってる所は未だに坊主なのである。
ちょっと俺的にそれは無しである。
舐めてるのか言われたらそこまでなのだが髪の毛で野球をやる訳ではあるまいし。
モテたいし。
三つ目の理由は、上下関係の緩さである。
体育系のノリはちょっとご遠慮願いたい。
プロに行ったらそんな事言ってられないと思うが、馬鹿みたい足並み揃えて声出してグラウンド10周とかやってられないのである。
1人1人の歩幅も違うのに合わせる意味がわからん。
未だに軍人演習の延長だと思って練習してるとこがあるからな。
個人に合ったメニューでスキルアップしていきたい。
勿論、チーム練習も重要だし、それは春休みに練習参加させてもらった時に確認済みである。
しっかりしたルールがあってチームワークを乱さない様に個人でも練習してる感じである。
まぁ、俺もそれなりに考えた上でこの高校を選んだ次第である。
「やぁ、パン! 高校でもよろしくお願いね!」
入学式も終わり、これまでの事を考えてたら小学校からバッテリーを組んでいる相棒に声をかけられた。
因みに、パンとは俺のあだ名である。
豹からパンサーになってパンである。
気に入ってます。
「タイガか。こちらこそこれから3年間よろしく頼むぜ」
こいつの名前は后大牙。
苗字も名前もかっこいいよね。
そしてイケメンである。
俺評価10の最強イケメンである。
ただし、超絶馬鹿。
野球関連に関しては頭が良いのに勉強はできない。
俺が今の所唯一勝ってるのは頭の良さだけである。
身長も187cmと同じなので。
「いやー、おばさんには感謝だね。俺のレベルだとこの高校には入れなかったよ。パンもお礼言っといてよ」
「いや、お前はここじゃなくても何処か特待で行けただろ? 準特で来て本当に良かったのか? 誘っておいて今更なんだが」
「おいおい。本当に今更だね! でもパンとバッテリー組みたかったし、これで良かったと思ってるよ」
そう言い、にっこり笑いながら肩を組んでくる。
こら、やめなさい。
中学の頃から俺とお前で薄い本書かれてるの知らないのか。
感想も求められた事もあるんだぞ。
「まぁ、ここは素直にありがとうと言っておくよ。あ、父さんと母さんだ。タイガ、また後でな!」
そう言ってタイガと別れて、父さんと母さんの元に向かう。
今日は入学式だけして終わりなのだ。
だから校門の前で写真を撮ったりしてから部活に向かおうと思っている。
俺はちょっとした人混みを掻き分けながら2人の元に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます