第375話 おやすみ
「じゃあ後よろしく」
「キュン」
「ゴギャゴギャ」
蟲領域に篭るのを延長してから更に1年近く。とうとう器はほぼマックスに。多分、後数体倒したら進化が始まるはずだ。
前回は一ヶ月近く眠ってたらしいから、今回もそれぐらい掛かるだろうと思われ。
妲己やアシュラに後の事をを任せて、俺は影で魔物をグサグサー。そして急にやってくる倦怠感。
俺は意識を失った。
☆★☆★☆★
妲己とアシュラがレト様を連れて帰って来ました。今回は進化間近という事もあり、狩りを延長して行ってましたが、まさか本当にレト様が飽きずにやり切るとは思いませんでしたね。
賭けは私の負けのようです。レト様を10年好き放題出来るという夢の体験はお預けですか。逆に私がプレイルーム10年出禁になってしまいました。
まあ、致すのはプレイルーム以外でも出来ますし、私にそんなダメージはないですね。これが行為禁止なら私は暴挙に出たかもしれませんが。
「さて。レト様の面倒は恐らく妲己が見るでしょうし…」
前回、中々目覚めないレト様をずっと見ていたのが妲己です。今回も傍に付きっきりでいることでしょう。私も何度か様子は見に行く予定ですが、あまり心配はしてません。
それよりもレト様が起きた時に気兼ねなく遊べるようにノックス魔帝国を問題なく運営しておく事が重要です。
見つけた島国の情報はこの1.2年でそれなりに集まってきましたし、レト様は目覚めたらすぐにでも侵攻を始めるかもしれません。
「お待ちしてますよ、レト様」
全てはレト様が面白おかしく過ごせる為に。私達眷属は粛々と準備を進めておくのみです。
「今日も変わりなしですか…」
「キュン…」
レト様が進化を始めてから1年が経ちました。未だに目覚めません。最初の1.2ヶ月は穏やかに見ていられたのですが、3ヶ月4ヶ月、半年と経つと、流石に何か異常があったんじゃないかと思ってしまいます。
「妲己も一度休んだ方が良いのでは? 見張りはアシュラに……分かりました分かりました。そう怒らないで下さい」
最初はレト様の隣で穏やかに過ごしていた妲己ですが、異常なのではと思い始めてからはひたすら寝ずに看病を続けています。
元々魔物は寝る必要がないとはいえ、流石に疲れも溜まってる事でしょう。そう思って提案したのですが、全身の毛を逆撫でて威嚇してきました。
こうなった妲己を止めれるのは残念ながらレト様しかいません。
テレサですら最近は心配して人間大陸での魔物探索の日々から魔帝国に帰って来てますし、ウェインも生産活動に身が入ってないように見えます。
他の眷属もそれぞれ心配して気も漫ろですし、国民にはレト様の異常を発表していないのですが、そんな眷属達の様子を察して活気がなくなってきています。
そろそろ国民に状況を説明するべきかどうか悩んでるまさにその時。
「ふぁぁぁあ…。なんか滅茶苦茶寝た気がするな…」
「キュンキューン!!!」
「わふっ!」
レト様が長い進化の眠りから目を覚まされました。妲己は大喜びで抱き付いています。
私もホッとして少し腰が抜けてしまいましたよ。
「なんだなんだ、熱烈だな」
「………おはようございます、レト様。進化は無事済みましたか?」
「ん? ……ああ。ちゃんと進化してるけど、これは…」
気を取り直してレト様に問題ないかを確認します。
レト様が戯れつく妲己をあやしながら、自分の身体を解析して、問題ないと仰ってはぃすが…。少し困惑してるようにも見えますね。何かあったんでしょうか?
「みんな集まってから説明するよ。とりあえずもうちょっとゆっくりしてからみんなを会議室に集めてくれ」
「かしこまりました」
気になりますが、今はとにかくレト様の無事を喜びましょう。眷属のみんなにも知らせなければいけませんね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます