第371話 技術発表会
「今年は技術発表会か」
新しく眷属にクラマが加わり、一段と賑やかになってきたノックス魔帝国。
俺が一年蟲領域にこもってる間に、相変わらずノックス魔帝国の技術革新は続く。俺が頼んでウェインに抑えてもらってるから、緩やかにはなってるけど、既存の技術にはまだまだ改良の余地があるのか、ブラッシュアップしていくだけで、簡単に国が様変わりするんだ。
毎年教科書の内容を変えないといけないくらいには発展してるらしい。サマーとミシェルがため息吐いてた。これ、コピー機というか、印刷機が発明されてなかったら地獄だっただろうな。
で、そんな発展著しいノックス魔帝国の今年のお祭りは簡単に言えば技術発表会だ。もっと堅苦しい名前があったけど、わかりやすく言うとね。
今回で第二回開催。
10年前の前回は丁度蟲領域に入ってた頃で見れなかったけど、今年は時期が良かった。
生産部に所属してる色んな奴らが、10年で溜まりに溜まった技術を放出する。他の生産部の奴らの良い刺激になってるみたいだし、新しい発見とかがいっぱい見つかって、また国が発展していく。
そしてまた10年後に備えて日々精進してくれる訳だ。
それに審査員のウェインの目に止まれば、国とウェインのポケットマネーから研究費を出してくれるってお触れを出してるから、みんなのやる気が凄い。
この国で一番金持ちなのは多分ウェインだからね。こういう時か、研究ぐらいにしかお金を使う機会がないそうだ。
『さぁ! 続いての発表はー! 前年のリベンジ燃えます! 巨人族のラローシュと小人族のマデリーンの合作! 機動戦士だー!!!』
「ガンダ◯じゃん」
司会のマイクを持った奴が盛り上げながら紹介したのは、俺の眷属でもあるラローシュとマデリーン。
蟲領域の要塞を完成させてからは、首都に戻って来て国の発展に尽力してくれている。
でもあの二人は要塞を作った事で、とにかく大きい物を作る楽しさってのを覚えてしまったらしい。そこから、まず着手したのは人型のでっかいロボット。それも人が乗り込んで操作するタイプの。まあ、◯ンダムである。
「あの二人はまたあれを作ってきたんですか。去年は失敗して爆発したんですよ」
「え、そうなの?」
確かに司会が去年のリベンジとか言ってたけど。爆発して失敗してたんだ。パイロットは良く無事だったな。
「見せてもらおうか、二人合作の機動戦士の性能とやらを」
「何故か分かりませんが、そのセリフは無性に腹が立ちますね」
そんな事言うなよ。俺も元ネタは見てないから知らないけど、そんな知らない俺でもセリフと言った人は知ってるぐらいには有名だったんだぞ。
『開発者からはこのようなコメントが届いております! 『今回のパイロットはシンクロ率も抜群。前回みたいな醜態は晒さない』との事です! シンクロ率とやらは良く分かりませんが、とにかく今回の作品には自信たっぷりの様子でした!』
「シンクロ率?」
あれ、別作品かな? 機動戦士って言うし、見た目的にもてっきりそっちかと思ってたんだけど。
「前回パイロットした僕がダメだったみたいな言い方じゃないかー!!」
俺がそんな事を思ってると、観覧席の一角でたくさんの女性を侍らせて見ているキンブルが野次を飛ばしてた。あいつが前回のパイロットだったのか。
なんか納得。大方ロボット相手にも発情して、嫌がられたんだろ。知らんけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます