第38話.チャット回
最上さんとのやり取りが終わった後、僕はすぐに連絡を取るため、ましろさんとのチャットを──。
──グツグツグツグツ。
あっ! 肉じゃが温めたままだった! 危ない危ない……。
1度火を消し、改めてましろさんとのチャットを開いた。
ましろさん。イラストはすごい綺麗なのにフォロワー数が少ないという、まだ世に出ていない女性イラストレーターだ。僕は昔からのファンだったから、ママになってくれたときは結構嬉しかったんだよね。
〔ましろさん。今大丈夫ですか?〕
そう送ると、すぐに既読が付き。
〔大丈夫。どした?〕
〔先程ミックスライブの方とお話してたんですけど〕
〔マネージャーの件? そうだよね? そうに決まってるよね?〕
あ、圧が……。
約束、覚えててよかったぁ……。そうじゃなかったらもうイラスト使うなって言われてもおかしくないくらいの圧を感じたんだけど……。
〔も、もちろんですとも! ちゃんとその話を伝えたところ、ましろさんと話を合わせたらも一回連絡してとのことですけど、その様子だと引き受けてくれますよね?〕
〔もち。絶対やる。それだけ?〕
〔今のところはこれだけですね。今からミックスライブに伝えるんで、また連絡するかもです!〕
〔り〕
……偏見だけど、なんかましろさんってめちゃくちゃ若そうだよね。
っと、そんなことはいいから、ミックスライブに連絡、っと。
〔ましろさん、ノリノリで快諾してくれました〕
〔ノリノリだったんですね……。では、こんなのはどうでしょう。今週の水曜日──明後日にもう一度皆さんに本社に来ていただこうと思ったんですけど、もしよろしければましろさんも一緒に来ませんか?ということを伝えてもらえます?〕
〔わかりました! 多分こっちもノリノリでくると思いますけどね……〕
ふぅ、地味にこのチャットを切り替え続ける作業疲れるなぁ。
〔今伝えたところですね、明後日に3期生全員が本社に来るんですけど、ましろさんも一緒に来ませんか?と来たんですけど〕
〔行く。絶対行く。必ず行く〕
あ、圧が……。
〔わかりました! そう伝えておきます!〕
〔さんくす〕
ん〜、やっぱり絶対ましろさん若いよね。
もしかしたら、僕より年下ってこと……はさすがにないか! すごいイラストレーターさんだしね!
え〜、次はミックスライブとのチャットに切り替えて、っと。
〔やっぱりノリノリでした〕
〔了解です。ではそのことはこちらで皆さんに伝えておきますね〕
〔ありがとうございます!〕
ふ〜っ! やっとチャットが一段落ついた〜!
ま、さっき温めすぎた肉じゃがもちょうどいい感じになってきたしいっか!
僕は肉じゃがをお皿によそいで、その他諸々の晩ごはんの準備をした。
いざ食べようと手を合わせた瞬間、スマホが震えた。
僕は一旦食べるという作業をやめ、スマホを開く。
〔凪! 水曜日あっちに行ったらましろさんに会えるってマ!?〕
〔ましろさんって方聞いたことなかったんで今調べたんですけど、イラストすごい綺麗ですね……〕
〔お兄ちゃん! お兄ちゃんのママに会えるの!?〕
スマホが震えた原因は、3期生のグループチャットが荒れはじめていたからだった。
最上さんの仕事が早すぎる……。
〔え、そんなに気になる?〕
〔もち〕
〔そりゃあ、お兄ちゃんのママだからね!〕
〔まぁ、気にならないと言えば嘘になりますね〕
まぁ、逆の立場だったら僕も気になるしね。
〔イラスト綺麗でしょ? なのにまだみんなに知られてないんだよね……〕
〔え、でもそれって凪が私のママです! って言えばいいんじゃね?〕
〔それがね〜、ましろさんがみんなが零くんのママって誰だろうってなって調べるのはいいけど、僕が私のママです! って言って有名になるのは嫌なんだって〕
〔そういうもんか〕
〔あ〜、あたしはわかるかも。自分で作った曲が誰の力も借りずに有名になるのが一番嬉しいんだよね!〕
まぁ、わからなくもない話だけど。
さて、っと! これでこっちのチャットも一段落! 晩ごはん食べるか〜!
そう思い、一口食べて僕はすぐに箸を置く。
……温め直すか。
《あとがき》
皆さんのおかげで順位が上昇してきました。
カクヨム様での目標は星1000なので、これからもこの作品をよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます