第22話.本社前での雑談

「「なんで祐希(凪)がいるの(いるんだよ)!?」」




 いや、ほんとになんでいるの!?


 ここ、本当にミックスライブ本社前だよね……? え、祐希来る場所間違えてない?


 で、でも、確か最上さんが2人目が来たって言っていたから──。


「え、もしかして祐希もミックスライブ3期生になるの?」

「あ、あぁ……そうだけど……って、『も』ってことはもしかしてお前も……?」

「い、いや、僕はまだ完全に決まったわけじゃないけど……」

「え? もしかしてお知り合い?」


 僕たちが意味が分からなくてあたふたしていると、最上さんがそう問いかけてくる。ってことは、最上さんが僕たちに知ってたけど黙ってた、ってわけじゃないんだ……。


 え、ほんとにたまたま……?


「え〜っと、まぁ……」

「こいつ、学校の友達なんすよ」

「なるほど……すごい偶然ってことなんだ……」


 そう言って、最上さんは驚いた表情を見せる。


 あれ? でも最上さん、さっき3期生は僕が知ってる人ばっかって言ってなかった? でも、僕たちがリアルで知り合いってことは知らなかったわけで……。


 ってことは──。


「もしかして祐希って、裏でネット活動してたりする?」

「ん? あぁ、【きゅいあ】っていうゲーム配信者だけど、さすがにお前も知ってるよな?」


 ……え?


「え、祐希ってきゅいあさんだったの!?」

「おう! 今も昔も早すぎるで話題のきゅいあとは、俺のことだぜ!」


 ……通りで僕がいつも祐希にアニカー勝てないわけだ。


「ってか、祐希がきゅいあさんなら僕が何者か分かるんじゃないの?」

「え、お前もなんかネット活動してんの?」


 ほんとにわからなそうな顔でそう言う。


 いやいや、気づかなかったの? 気づくでしょ、普通。って言っても、僕も全然気づかなかったけど。


「なら……コホン、これならわかりますか、きゅいあさん?」


 口調と雰囲気を少し零のときときゅいあさんと話すときに近づける。


「あ〜! お前、零くんだったのか!?」

「遅すぎでしょ! まぁ僕も数年前から知り合ってたのに気づいてなかったけど!」


 話し方を配信するときに寄せるだけで気づくとは。さすがは陽キャというメイン属性を持ちながら、サブにオタクも備えてる祐希だ。


「ってことは、俺たちが家で一緒にアニカーしてたときって、捉え方を変えればちょっとした世界大会してたことになるんじゃね?」


 ……たしかに。世界ランク1位と7位が競ってたんだもんね……。


 友達と遊んでくる〜! ってノリで、世界大会に行ってるって考えたらすごいわ。






〜〜〜すごくどうでもいい話だけど、一応頑張って考えたから読んでほしいお話〜〜〜






「そういえば、祐希はなんで『きゅいあ』って名前にしたの?」

「最初は俺の名前をローマ字にして入れ替えてから『追山おうやまきゅいあ』ってのを考えたんだが、ダサすぎたもんできゅいあだけにした」

「きゅいあはダサくないんだ……」










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