第14話.コラボ配信 3

「あ、それ私ですね」

「ふぁ!?」




:は?

:え? この執事、旧作で世界ランク7位!?

:マジ?

:零くんはご主人様たちを何回驚かせば気が済むんだ……




「環境最強のコンセプトだけでランキングが埋まったら面白くないかと思いまして」

「いやいや、その気持ちで始めたコンセプトで世界ランキングのれるの!?」

「のれちゃいましたね」

「えーっと……じゃあ、環境最強で走ったら何位くらい……?」

「たしか……1位のタイムはこせなかったので2位くらいですかね」

「( ゜д゜)」




:だめだ! みーちゃんと走らせるな!

:零くんが無双する未来が見える

:なんだろう、強すぎるのやめてもらっていいですか?

:ま、まだだ! まだ初見のコースとか初見のアイテムとかがあるから!

:でも他のV見てるならどんなやつかわかってるのでは?

:あっ……

:悲報、みーちゃんの勝利の道筋なくなる

:さて、俺らは参加する準備をしておこうか

:もうちょっとみーちゃんを養護してあげてw

:そ〜いや、旧作1位の人ってもしかして最新作も1位?

:そうだよ〜

:きゅいあは化け物

:あれは早すぎる、2位と4秒差ある

:上位帯と4秒差つくってなにもんだよ……

:やばすぎ

:この配信にきゅいあさん来て、旧作の実質トップ2の2人でたたかってくんないかな

:さすがに来ないだろ。ここ、一応新人VTuberの配信だぞ

:いや、でもきゅいあはいろんなところのVの配信に潜入してるぞ。ワンチャンあるんじゃね?

きゅいあ -kyuia ch-:呼んだ?

:呼んではないんだよなぁ

:やっぱり来ちゃったか〜

:本物!?

:↑ニキは他のVTuberさんの配信で見たことないのかな?

:おっ、ちすちす

:かるすぎ

:何気に個人勢は初めてじゃね?

:いろんなところの配信出すぎてリスナーがそんな驚いてないの草




「あ、きゅいあさん6日ぶりですね〜」

「きゅいあさんは私の配信に何回も来てるから、今日も来ると思ったよ! って、6日ぶり?」

「そうですよ〜。例の旧作のアニカーで知り合ってから、たまにチャットを送る程度の仲になったんですよね〜」

「なるほどね……こんな知り合いもいるんだ……」


 ちょいとご紹介。

 きゅいあさん。アニカーで世界1位というだけでなく、他のしているゲームすべてがトップ100には入っているという超凄腕ゲーム配信者だ。また、彼──あ、名前からは分かりづらいけど、男だからね!──はVTuberが好きで、よくいろいろなVTuberのゲーム配信に顔を出している。


 昔からの知り合いということもあって、きゅいあさんには僕がVTuberを始めることを6日前に伝えていたんだよね。そのときに「いつか絶対凸るからな!」とは言ってたけど、こんなに早いとは……。




きゅいあ -kyuia ch-:べ、別に、親友とみーちゃんとのコラボが心配で見に来たわけじゃないんだからね!

:男のツンデレにはたして需要はあるのか

:ないな

:ないね

:しかもきゅいあだからな

:↑ニキきゅいあに殺されるぞw

きゅいあ -kyuia ch-:おうおう、好き勝手言ってくれてるなおい! 需要がないのは認めるがな!

:いや認めるんかい

:ならいいじゃねぇか

:まぁそれはいいとして、どうせきゅいあのことだ。他の理由があるんだろう?

きゅいあ -kyuia ch-:お、よくわかっているじゃないか! ま、とりあえず零たちは早くオンラインに潜るんだな。もう結構時間食っちまってるぞ?




「そうですね。ではみか様、私のデビュー戦と行きましょうか」

「そうだね。既に嫌な予感がプンプンするけど、アニカースタート!」






 ◎5万人が視聴中










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