2節.意外なところに仲間
第5話.天使との会話 1
僕──吉村凪は昨日、陰キャを克服するために新人VTuberとしてデビューした。
すると、この配信で超人気VTuberのみーちゃんと、次の配信でコラボすることが決まった。
……今思い出してもなんでこんなことになったんだろうね。いや、嬉しいんだけどもっ!
そして現在──。
☆
「ふわぁ……」
なんか昨日はいつもより疲れたなぁ……。よく寝たはずなのに、全然疲れが取れてないや。
「よっ、凪。今日はいつもより眠そうじゃないか」
「おはよ、祐希。なんで祐希はそんな元気なの?」
学校へ向かっている途中の道、うちの近くに住んでいる祐希が後ろから僕に声をかけつつ、肩に手をのせてくる。
いつも通りのことなので特に気にせず、祐希にそう聞き返す。
「俺か? 俺は昨日、零くんの配信を見たからな! いやぁ、なんかもうすごかったわ」
「えっ!?」
見てたの!? って、見るって言ってたか……。
みーちゃんとのコラボが決まったことへの驚きで、昨日言ってたことも忘れてた。
「まさか凪、お前………」
祐希は僕を怪しむように眉を寄せる。
あれ? もうバレちゃったパターンかな? 昨日デビューしたばっかなのに、今の反応だけでバレちゃった?
「昨日の配信……見てない……のか……?」
……いやまぁそうだよね。祐希がそんなに勘が鋭いわけないよね。
「い、いや? 最初の方は忘れてて見てなかった、なんてことはないよ?」
「バレバレじゃねーか! あれほど今日は見ろって言ったのに……」
慌ててるような反応を祐希に返しておく。
後の方の印象が強すぎて、最初をそんな覚えてないから嘘ではないよね!
そんな他愛も無い話をしながら学校について、教室の扉を開け──。
「すいません、凪くんと祐希くん、ですよね?」
後ろから、初めて話しかけられたのにこの学校の人なら誰しも知っている人から声をかけられた。
「「え?」」
──だからこそ、陰キャの僕が話しかけられていることに、祐希すらも驚きを隠せない。
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