第13話:決着!ヒステリックロリ
ぶっちゃけると俺らのパーティはバランスが悪い。
なぜなら近距離に対応できるのが一人もいないからだ。
いや、俺は近距離戦ができないというわけじゃない。
でも遠くから魔法を撃っていたほうが正直楽であるし、そっちのが得意だ。
そして敵たるホリィも遠距離野郎だ。近接で俺が攻めるしか無い。
ったく、もうちょい早くからここに来て、刀を打ってもらうべきだった。
まあ今後悔しても遅い。今ぱっと思いついた技でも試してみるか。
俺の右手に空間魔法を纏う。空間内の重力と圧力を1000倍にする。
そしてついでに電力と魔質を1000倍にした雷付与魔法で俺の腕に雷を纏う。
そんで筋力と腕力と物理攻撃力の1000倍。これで俺の最強の拳が完成!
俺「喰らえ!重雷拳(グライガン)」
俺はホリィにこの拳を向けた。だがー
流石はお付きの悪魔だ。ホリィを庇い、俺の攻撃を止めた。
ま、この攻撃には流石に悪魔も吹き飛んだがな。
ホリィ
「ッ...!!!」
俺
「後はお前だけだ、な!!!」
ホリィに殴りかかるキリヤマ。
俺
「何だと!?」
キリヤマの攻撃はギリギリで避けられホリィに掠った。
しかし、ホリィから飛び散ったのは血ではなく木片であった。
俺
「生物じゃねぇのか!?」
(おかしい、コイツから生気を感じるのに!?)
ホリィ
「アタシは...生き物じゃ、ない?」
俺
(本人も知らねぇのか?
まぁ、生物じゃねぇならこっちとしてもやりやすいしいいか。)
キリヤマは先程の魔法の炎verを左手に纏いまたホリィに襲いかかる。
俺
「木には炎だよな。重火拳(グラビガン)!!!!!!」
ホリィ
「魔王様が私を人間じゃないことを知らないはずが無い..」
動揺してる今がチャンスだな。
ホリィ
「魔王様がアタシに嘘をつくわけがねぇんだよぉぉ!!!!!!!!」
ホリィから大量の魔力が溢れ出す...
それは思わずキリヤマが一瞬慄く程であった。
俺
「本体は大して強くねえとばかり思ってたが...こりゃまずい。」
ホリィ
「太陽の悪魔よ。アタシの体を依代にしていい。こいつら全員殺せ。」
すると倒れていた悪魔がホリィに纏われた。ホリィの爪はモグラの様に、
髪と目は白と化し、肌にも白い鱗ができている。
そして周りにはキリヤマのドームを埋め尽くす量の魔力と熱気が押し寄せる。
気付けば氷盾が溶け始めていた。
俺
「ここで熱気と魔力を閉じ込めるのは逆効果か。」
キリヤマは水盾と氷盾を解除する。
この時ついでに念の為動体視力と瞬発力を上げていた。
結果この行動は功を奏した。
ズバァアアァァァアアアァアン...!!!!!!!!!
ホリィの右手の一振りで100m位先まで斬撃が飛んでいる。
おまけに炎属性付きときた。二撃目が来る。
グシャ...!!!!!
キリヤマの腕からこんな音がした。...街の外れまで飛んだだろうか。
右手で重雷拳、左手で重火拳を纏って防いだまま食らったのに、
両腕はグシャグシャになっていた。防御力は1000倍にしたのに。
おまけに腕が燃えていて再生が行われない。躊躇なく両腕を噛み千切るキリヤマ。
これを隙と見たホリィがブ◯リーみたいな足音で襲ってきた。
俺
(こんな時にふざけるなよ...!!今両腕無くて防御ができねぇっての!)
キリヤマが迷っていたその時ー
バン...!!!!!
ホリィの眉間に穴が開いた。
タチバナ
「やりぃ!」
ホリィは微動だにせずこちらに走ってきた。
俺
(アイツは生物じゃねえ!撃つなら四肢を撃って、動きを少しでも鈍くしてくれ!)
念話でタチバナに話しかけるキリヤマ。
タチバナ
「了k...いっ!!?」
ホリィの顔が180°後ろに向き、タチバナに向けて太陽の咆撃を放つ。
しかもこっちに走りながら。恐怖映像じゃねえか。
まあ幸い、ミラさんがタチバナを回避させてくれていたようだ。
タチバナ
「サンキュ、ミラ!」
だが問題はこっちに向かって来るホリィの方だ。
腕が再生しない限り魔法は使えないし。咆撃なんて覚えてない。
腕が再生するまで恐らく8秒ほど要する。
対してホリィがここまで来るのは3秒位だろう。逃げて5秒稼げるか?
答えは"知らん"だ!でもやってみるしか道はない!
俺
「速力1000倍からの跳台(バウンド)!」
(こっから重力1000倍!落ちるように空へ逃げる!ってマズい!
アイツ俺にもビーム撃って来ようとしてる!流石に光の速度には間に合わねぇ!
こんなの障壁を張ってる時間も...)
ホリィ
「グルアァアアァア...!!!!!!」
ビュゥウウゥウウウン...!!!!!!!!!!
キリヤマに光線が放たれ、大ダメージを覚悟したその時ー
ユルリカ
「ミラーウェイブ!!」
ホリィの攻撃が逸れる...
俺
「ナイス!ありがとうユルリカちゃん!」
ホリィ
「ゔぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!!!!!!!」
ユルリカにホリィが襲いかかる。
俺
「させっかよ!!!!!」
既に重力をホリィに向けていたキリヤマは重雷拳の脚ver、
重雷脚(グライキャク)をホリィの顔面に喰らわせる...
ホリィ
「グギッ...!!!!」
ホリィは外れの山まで吹っ飛んでいく。
俺
「土壇場で脚に魔法を付与できてよかったな。」
そしてキリヤマの腕が再生した。
俺
「これで終わりじゃねぇよなぁ!?」
ホリィ
「うるせぇ...死ねぇ!!!!!!」
そう言うとホリィは空高く飛び、手を上に掲げる...
ホリィ
「巨炎塊・アイネ!!!!!!!!」
俺&ユルリカ&ミラ&タチバナ
「!!!」
街をまるごと呑み込める程巨大な炎の球がホリィの手にあった。
俺
「烙昇炎!!!!!」
隕石を地面から生やして上空の巨大な炎塊に落とす。
ユルリカ
「ライトニングブリザード!」
得意な光魔法に冷気を纏わせ、炎塊に広大な冷たい光を浴びせるユルリカ。
ミラ
「対炎結界、参層式アイシクルウォール!」
冷気を帯びた結界を張り、宴会を包んで威力を落とすミラ。
タチバナ
「氷連弾!!!!」
氷属性の弾をひたすら打ち続けるタチバナ。
ゴオォオオォォオオオオォォオオォオオォオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
お互いの技がぶつかり合い、轟音を出す。
俺
(クソっ!こんだけやって炎自体は止められているが、
炎の熱に当てられた街が燃え始めてる...ミラさんの三層式結界が無けりゃ、
もっと燃え広がってただろうな。判断力があっても決断が中々決まr...)
ホリィ
「ッ...!!!!!」
俺
(何が起こった!?)
タチバナ
「今度こそやりぃ!」
ホリィの体に数個の穴が開く。
タチバナは無数の弾を巨炎塊に当てていただけでなく、
何発か撃った弾の軌道を変えてホリィの背中に直撃させたのだ。
これによりホリィの魔力は途切れ、巨炎塊は消え去った。
俺
「ナイス!」
タチバナ
「おうよ!」
キリヤマは即座に重雷拳と重火拳、重雷脚と重火脚を発動。
肉弾戦に持ち込んだ。
俺
「喰らえ!重雷花火(ジュウライカ)!!!!!」
⇧この技は、重雷拳、重火拳、重雷脚、重火脚でボコボコに連打する技である。
ドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!
ホリィ
「グオァアッ!」
ホリィの体をボロボロにしたキリヤマ。
それでもなおホリィは立ち上がる。
俺
「これで最後だ。」
キリヤマとホリィは正面から殴り合う。
ドグシャァ....
俺
「グッ...!!!!」
ホリィの手はキリヤマの腹を貫き...
キリヤマはホリィの首をもいだ。
俺
「俺達の勝ちだ。」
そう言ってキリヤマは倒れ込んだ。
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