第三章:新生パーティ、ほぼ日本へ行く編
第10話:最難関クエスト
タチバナがドアの前に立っている。よく見ればミラも一緒だ。
俺
「再登場までが短すぎるだろ。んで何の用だ」
タチバナ
「単刀直入に言うとですね、
身寄りがないのでパーティに入れてもらえないかって話です...」
ミラ
「ですぅ...」
俺
「えっ、なんで!?お前等はお前等で冒険者するだけじゃダメなの?」
タチバナ
「それがよぉ、一ヶ月以上クエストを受けない、受注したクエストの放置をすると、
ギルドとの契約を切られるらしんだわな。」
ミラ
「正確にはそれを2回以上行った場合に限りますが...
両方したと見られて一発OUTらしいんですよ。」
タチバナ
「俺、転生者なのにな。」
ユルリカ
「その方たちは...?」
タチバナ
「目が覚めたのかい、良かったね。俺は転生者のタチバナ。
ちなみに君のこと治したの俺の付き人のミラね。」
ミラ
「ミラです。ちゃんと治療ができたようで良かったです。」
ユルリカ
「そっその節は、どうもありがとうございます!」
俺
「話を戻すけどよぉ、それならなんで俺らのパーティに入りたがってんだ?
冒険者にはなれないんだろ?」
タチバナ
「流石に俺らも転生者だからよぉ?
特例で誰かのパーティに入れてもらうことができれば、
冒険者としての活動を許されたんだ。」
俺
「転生者って変なとこで優遇されんだな。」
タチバナ
「ってなわけでパーティに入れてくれ!頼む!宛がない!」
俺
「デメリットは報酬山分けすること以外特に無いからいいぜ。
それにミラさんの治癒能力は欲しい。
戦った時の魔法の使い方も目を見張る物があった。」
タチバナ
「えっ俺は!?ねぇ俺は!?」
俺
「お前は...遠距離からなんとかしてくれや。」
タチバナ
「悩んだ挙げ句出た答えがそれだけなら、黙る位の方がダメージなかったぞ」
俺
「あっ、そっか。そういえば、ユルリカちゃんは初対面だもんね。どう?
気に入らないなら全然こいつら捨てるけど」
タチバナ
「もっと言い方あるだろ!」
ユルリカ
「わっ私は...この方達は命の恩人ですので断る義理も無いですし、
パーティメンバーが増えるのは賑やかで良いことだと思います!」
俺(可愛いなぁ...)
「俺達の意見はこうだ。歓迎するよ。」
タチバナ
「ありがとう!!!」
ミラ
「ございますぅ」
こうしてユルリカちゃんと俺のパーティに新たに二人加わった。
正直なこと言うと、ユルリカちゃんと二人でイチャイチャしてたかった。
受付嬢
「お仲間が見つかって良かったですね。」
タチバナ
「ほんとな。」
俺
「唐突で悪いが、クエストを受注したい。
一番報酬金額の多いクエストを紹介してくれ」
受付嬢
「今ですと、こちらのクエストですね。」
俺
「報酬金40万G?」
タチバナ
「一人10万Gっつうことは...日本円換算すると...
一人辺り大体5000万!?ってか報酬2億!?」
ユルリカ
「そっ、そんな大金が...」
ミラ
「暫くは楽して暮らせていけそうな金額ですねぇ。」
俺
「内容は?」
受付嬢
「異国のとある温泉街での殺人事件を解決していただきたいのです。
解決に向かった王級の冒険者も犠牲になっているということと、
死体から推察するにかなりの手練と思われるので、この金額です。
今も事件は続いておりますので、早急な解決を町長から頼まれています。」
ミラ&ユルリカ
「温泉街!?」
タチバナ
「女性陣はそこ食いつくのね...」
俺
「ユルリカちゃんと温泉だと!?覗くか!?覗けるのか!?」
タチバナ
「テメェは帰れ!」
受付嬢
「受注されますか?」
俺
「この中に殺人鬼にビビってるやついる!?いねえよなぁ!!?殺人鬼ぶっ潰すぞ!」
タチバナ&ミラ&ユルリカ
「オー!!」
初めて4人で行くクエストで報酬金額40万G。
もうちょっと連携とか鍛えてからこういうクエストに行くもんじゃないの?
それと、ぶっちゃけると半分ノリで組んだパーティなのでちょい気まずい。
ま、今更そんな事言ったってしょうがねぇか。
タチバナ
「どういうルートで温泉街へ行くの?」
俺
「なんも知らんな」
タチバナ
「ノープランかよ」
俺
「うん。てか温泉街がどこにあるかも知らん。」
ユルリカ
「レヴンタスの外ですよ。極東の小さな国にあるそうです。」
俺
「国外なのにここまでクエスト依頼が来るんだね。」
ユルリカ
「冒険者とかギルドやってる国って、レヴンタスみたいな大国か、
お金に余裕のあるところだけですからね。」
俺
「流石博識のユルリカちゃんですなぁ///」
タチバナ
「んでよぉ、結局どう移動すんのよ。」
俺
「馬車とか?」
ユルリカ
「借りますか?馬車。」
ミラ
「そういうことなら最高級のでお願いしますねぇ。」
俺
「案外がめついな。ミラさん」
タチバナ
「コイツこういうとこあるからな。」
俺
「まあでも良いんじゃないかな。どうせクエスト終わり大金入るし。
何よりユルリカちゃんに楽させたいしね。」
タチバナ
「どこまでも一途だなおい。」
俺
「よし、そんじゃジャン負け馬車借りて来ようぜ」
タチバナ&ミラ&ユルリカ
「賛成!!!」
(俺は動体視力と瞬発力の強化で負けることはない。)
...公平なジャンケンの結果ミラさんに行ってもらうことになった。
待ち時間で談笑してたら呑気にミラさんが帰ってきた。
ミラ
「只今ですぅ〜」
俺
「ありざます。おいくらだったんすか?」
ミラ
「往復で4800G(約240万円)ですね。」
タチバナ&俺&ユルリカ「ん!?」
俺
「片道2400Gもすんの!?」
ミラ
「何を言ってるんですか?クエスト含めて2泊3日以上するんですから、
その間の駐車料金も含めてですよ?」
俺
「駐車料金を含めてですよ?じゃねーよ!高すぎだろ!」
タチバナ
「ほんとすまん。うちの付き人がほんとうにすまん。」
ミラ
「これでも冒険者割引はされているんですよぉ!?」
俺
「...じゃあ、一般の人が借りたらどのくらいの値段なんだい?」
ミラ
「4805G。」
俺
「誤差じゃねぇか!」
ミラ
「まあまあいいじゃないですかぁ、そのくらい。」
俺
「お前が諭すな!」
ユルリカ
「でもクエスト終わったら沢山報酬もらえますし、
割り勘すればそこまで損害はないですよ?」
俺
「そうだね///」
タチバナ
「お前も大概だな」
ユルリカ
「それに温泉もそうですけど、何より皆さんとの旅が楽しみですし!」
俺&タチバナ&ミラ「エヘヘ///」
こうして、この気持ち悪い空気のまま、キリヤマ達は温泉街へと旅立った。
〜道中〜
すごいお金がかかった理由が分かった。馬車って聞いたんだけど、
最早これ豪邸にタイヤ付けて使役した悪虎で移動してるみたいな感じだわ。
※(悪虎。(あっこ。アッコさんではない。)虎型の魔物で、
飼いならすまでは大変だが懐くと便利。移動やペット、
護身の相棒としても重宝する。ちなみに紫色の三つ目で舌と尻尾が2つある。)
ってかここホントにただの豪邸。無駄にシャンデリアとか付いてるし。
冷蔵庫まがいのものまである。ちなみにこの冷蔵庫、
冷蔵は出来るが電気とかはないので魔石で動いているのだよ。いや、すげーな。
現代より便利なものとか結構あるのねぇ。そしてベッドがやたらデカい。
寝室二部屋もある!
俺
「この部屋は俺とユルリカちゃんで、その他はあっちの部屋な。」
ミラ
「違うでしょぉが!私とユルリカちゃんがこの部屋ですよぉ!
タチバナさんと一緒なんて嫌だわぁ!」
タチバナ
「...」
俺
「お前...なんか可愛そうだな。それはそれとして、
俺はユルリカちゃんと寝る!いっぱいイチャイチャすんだ!」
タチバナ
「諦めろよ!」
クソが!!!あろうことかタチバナと同じ部屋で寝ることになってしまった...
ー1日後ー
明日までには着くそうだ。この2日間、皆ダラダラしてた。
したことと言えば、たまに集まってポーカーとかUNOとかしたくらいだ。
正直に言うと、温泉くらいにここの浴槽派手で気持ちよかったんだけどね。
けど、ここにはゲームとか無いからね。スマホも無いし。
地球は大分恵まれてるんだなって。そして今日は...特に何もない。
豪華な食事を食べて、トランプやってUNOするくらいだ。
ちなみにこの世界は一日が48時間だからな。結構精神持ってかれるぞ。
ー翌日ー
俺
「着いたぞ!温泉街!」
ユルリカ&ミラ&タチバナ「おー!!!!」
俺
「温泉以外にやることってなんかあったっけ?」
タチバナ
「クエストだろ!」
ユルリカ
「それ以外にもこの国、"ニホニア"には、
ニホニア特有の技術や食事などがあるのです。」
俺
「例えば?」
ユルリカ
「"カタナ"と呼ばれる片刃の剣の技術が凄いんですよ。
切れ味が抜群で、魔法との相性もいいんです。」
なるほど、ここはこの世界の日本的なとこなのか。となると目的が2つ増えたな。
まずは米の確保!多分あるだろ!朝はご飯派の俺にとってこれは大事やな。
もう一個が刀!クエスト報酬で貰った金で魔石買ってガルムの角とかもあるし、
なんとか出来るだろ。そう俺は近距離戦が少し苦手だったのだよ!
ってなわけで武器はほしいと思ってたんだ。これが今回の旅の目的になったな!
あと温泉で覗くことだな。って俺は童貞でも紳士なの忘れてはいかん!
それと恐らくめちゃめちゃ難しいクエストなのを忘れてはいけん!
気を引き締めなくちゃだな。
俺
「よし、クエスト終わったら刀買うか!
早速クエストにかかろう!まずは調査からだな!早速聞き込みに行くぞ!」
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