孤島でサバイバル生活だ! ゲーム『ザンキゼロ』 PS4、PSVita

 下ネタきついし、グロいし、不道徳だし、常識疑うレベルの問題作なんですが、私は大好きです。

 夏におすすめのゲームです。

 青い海に浮かぶ小島でサバイバル生活しちゃおうぜ! たまにクリーチャーに殺されちゃうけどさ! 常軌を逸したキャラもいるけどさ!



『ザンキゼロ』

 スパイク・チュンソフト 2018年7月5日発売。

 PlayStation 4、PlayStation Vita。


 公式サイト

 https://www.spike-chunsoft.co.jp/pages/zaz/


 こちらは私のいろんな小説にパクリ……いや、パクッてませんけど、好き過ぎてこのゲームをヒントに発想を膨らませて、自分のアイデアを作ったりはしてきました。



 ゲーム内では、人類は滅亡しております。人間はいないし、街は廃墟です。

 ですので登場人物は全員クローンです。みんな日本人のクローンです。


 主人公たちは、敵と戦ったり、食料を集めたり、武器を作ったり、施設を建てたり、ちょっぴりエッチな? イベントを起こしたりします。エッチなやつは同性同士も可能です。プレイヤーが自由に起こせる任意イベントなので、お好みの組み合わせでどうぞ……という感じです。露骨なものはなくて、におわせるぐらいですけどね。エロい曲は流れます(だから何)。



 ゲームを進めていくにつれ、何者かによって主人公たちの過去のトラウマが徐々に暴露されていきます。一体「犯人」は誰なのか。

 みんな疑心暗鬼に……案外ならない。なんかそれはそれとして集団生活をこなしていく主人公たちが私好みでございます。ギスギス空気を出すキャラもいますが安心してください、すぐにデレます。



 不満点は……。

 アクションがだるい点です。


 それと、死ぬときに装備品をその場にバラまいて死ぬんですが(クローンなので、新しい体に生き返ることができます。何回死んでも大丈夫です)、これを回収して、再装備するのがとてもとてもとても面倒くさいです。


 たとえば4人同時に死ぬと、4人分の装備とアイテムがバラバラっとあたりに散乱してしまうわけで、拾いながら、えっと、どれが誰のだっけ? とキャラごとのスキルを確認して再装備させるのがだるかったですね。それぞれ自分の装備品にはマジックで名前書いといてほしい。ああでも年齢によって持てるアイテムの重量が変わるから、そう簡単にはいかないか。だるいな!



 それとエッチなイベントがね、未成年がいるのがね、ちょっとね……。未成年っていうか小学生……。そもそもクローンだから、生まれて間もないときは児童なわけで。でも任意イベントだから起こさないようにすれば回避はできる……。


 クローンがお年寄りになっている場合は、お年寄りのエッチイベント発生となります。それはまあ倫理的にはセーフかな。絵のインパクトはすごいけども。男性キャラはハゲちゃったり、顔にシミができたりしています。若い頃はイケメンだったのにねえ。イケメンの老化イラストを見られる貴重なゲームです。美少女キャラも老化によりシワだらけになります。すぐ児童の姿に生まれ変わりますけども。


 あと、このゲームでは空腹度と便意があります。この便意が面倒くさいのです。だいたいゲーム内でおもらしするとか変態すぎてびっくりする……。おもらし防止のために、空のペットボトル持ち歩くの、びっくりする……。ペットボトルでできるのならばもうそのへんの茂みの陰でしなさいよ! 世界は滅亡してるんだし、いいでしょ、もう。いやいや、そうはいかない、公衆衛生への気遣い、とっても感心です! あと、う○こは肥料になるしね。本拠地でう○こをしたら美味しい野菜が収穫できるので、なるべく外ではせずに我慢して本拠地に戻ってきたいところ。いや、やっぱり面倒。



 問題点も多いゲームなんですが、私は好きです。



 あと、ホラー要素もありまして……。

 ゲーム内で訪れることになる、夕焼け色に染まる校舎や真夜中の病院で、耳を澄ませてほしい。遠くから聞こえてくるんですよ……クリーチャーの囁き声が……!


 あ、これもう近いな、怖い、逃げたほうがいい、逃げ、ひぃ来た、こわ、待って、そこの部屋に入って、急いでドアを閉め……ああああああ!!!

 というパニック状態も経験できます。楽しいね!


 バイオとかになれている人は全然怖くないと思いますけど、ホラー系が苦手だとかなりビビると思います。私はビビりまくりでした。部屋を明るくして、陽気な音楽をかけながらじゃないとクリアできませんでしたよ!



 ちなみに、作中では、ドラゴンボールで孫悟空を演じた声優さんと、フリーザを演じた声優さんが、どぎつい下ネタを言いまくります。製作スタッフ、お二方によくこの台本を渡せたなと、妙な感心をしてしまいます。



 エロいの、グロいの、胸くそ悪いのが耐えられる方、モラル的にどうかと思うところをスルーできて、ブラックユーモアに耐えられる方、あとホラー要素にも耐えられて、自由度の低いアクション要素にも耐えられる方(アクション苦手でも全然大丈夫、というかアクション好きな方にはヌルすぎて退屈かも)、ここまで条件を絞るとなかなかいないかもしれませんが、ぜひやってみてください!



 ラスト、泣くと思うよ。私は泣きました。ラスボス戦でもじんと来ちゃった。

 くっっっそだるいアクションを何時間も頑張ったからこそ、キャラに思い入れが湧いて、それが涙につながるのかも。

 数々の困難をともに乗り越え、お互いのトラウマも強制的にではあったけれど見せあって、なんやかんやあって生きていく……生きていかなきゃね……だって世界は滅びてしまっても、絶望的な過去を抱えていても、自分たちにはまだ命があるんだからさ。


 すばらしいエンディングを迎えるために、だるいアクションと変態に耐えましょう!

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