ミドル6 天音と桐坂

――――幕間――――

GM作中では一日か二日ほどの時間が経ちます。三人が捜索するが中々天音は見つからず――

 立花の妻であるみくりもまた、懸命に捜査を続けています。


立花:「ミクちゃん、そろそろ休みな。身体に障る」と優しく肩を抱く


芧:「私に出来るのはこれぐらいですから……立花さんこそ、動き過ぎるとウィルスの活性が大変でしょう。ここは私ががんばらないと」


立花:「天ちゃんのことは心配するな。兄貴にも話を通して、いろいろ動いてもらってる」


   「俺ァこういうの、慣れっこだからさ。無理ができるのは、ミクちゃんっていう帰る場所があるからなんだぜ?」


   「だからさ。俺の事、思ってくれてるなら、まず君が休まなくちゃ。ミクちゃんが倒れちまったら、俺、死んじまうよ」とおどけて言う


GM:「……私も天音ちゃんに何かをしてあげたかったんですけれど。独りよがりになってしまっては、いけませんね」


   寂しそうに目を伏して「お願いします、立花さん。美味しいごはん、皆で食べましょうね」


立花:「うん、約束だ。天ちゃんが帰ってきたら、盛大なおかえりパーティをやらなくっちゃな」という感じで死亡フラグ立てておくか

――――――――


GM:さて、天音。このシーンではきちんと登場できます(コマをPLに返す。以降、天音という表記は本来のPLのもの)


天音:(ころころ)……10。これで81かぁ


GM:では、天音。あなたは雑多に書類や機械類の散らばった無機質ながらも散らかった部屋の、ベッドメイクもされていないめちゃくちゃなベッドの上で目覚めます

   どこかこの場所が懐かしい気がする――と、今までのあなたならばおぼろげに思うだけだっただろうが。今ならば分かる。自分には『ここで寝ていた記憶がある』。


   記憶が奔流する


   あの日、自分は天音だと叫びFHを殴り飛ばした日。自分は確かに別人となって皆の元を去った。その記憶がある。

森の中で麻生と再会し、FHの研究所の一つに向かった。その記憶がある。


   そして彼の言うがままに、悪態をつきながらも自分の身体は『紅いクリスタル』に何かを施して――疲れ果てて泥のように眠って、今、ここに自分の意識がある


天音:「いたた……なに、ベッドが硬い……うっ!」ここで記憶が奔流する


GM:『目が覚めたかい。やれやれ、不便なものだね』自分の内側から男の声がした。頭の中に響く。桐坂将のものだ


天音:「この声……! やっとご対面……? いや、ご対脳? ……と、ともかく! やっと会ったわね桐坂将!!」


GM:『あぁ、やっとだ。しかし君に会うのは予想外だな。僕が目覚める頃には君は消えていると思ったが……予定外のショックなのか、いややはり君の人格の持つ強さゆえなのか……』ぶつぶつ


天音:「頭の中でうっさいわね! というか、なにがなんなのよ! アンタ、あたしの何!」


GM:『こちらの台詞だ……君のような人格が生まれる予定はなかったんだよ。その身体は僕の遺伝情報から培養したもので、本来なら僕だけがそこに宿るはずだったからね。本物の桐坂将の息子、いや娘としての身体なんだそれは』


   『僕はレネゲイドに宿った桐坂将の記憶さ。ジャームになって死ぬ前のね』


天音:「アンタが……父親……? アンタがジャームになって死んだ……? ちょっと、なんなの……? 色々状況が……(混乱している)」

   とりあえず何かないか部屋を見ますかね。


GM:部屋を見渡すと数々の書類が目に付き、それらの意味を理解出来そうで、しかしどこかもやがかかったように意味が繋がらない。どうやら天音としてではない知識の主導権は向こうが握っているようだ


天音:「わかりそうでわからないわね……まぁ、先輩ならわかるか」と言いながら適当に回収したいですね。


GM:回収は出来ます。『先輩に聞く? それが出来るかは保証しかねるね。だって君、今はまだここにいるけれどいつかは消えてしまうよ。あと何日もつだろうね。この二重人格は歪なものだから、正常な状態にならないと身体の方が壊れてしまうんだ』


天音:流石にその言葉には動揺しますよ。

   「な、何を言ってるのよ。私が、消える? 騙すにしても、もう少しマシな嘘を吐きなさいよ」


GM:『残念ながら嘘じゃない。君と僕の意識の同居は一つから分離したものではないからね。君か僕、どちらかが消える。そして――』


   桐坂将の声が重みを増した気がした

   『その主導権は今は僕にある。『ヴェノムハザード』は君のウィルスを活性させながら僕を優勢にするために細々とやっていたからね』


天音:「……けんな」

   自分が消える。その言葉と共に今までの記憶が、思い出が奔流する。

   俺なんか、と言いながらも頼りになる先輩。引っかかる所はあったけどそれでも面倒見が良いマスター。出会ったばかりだけど、尊敬に値するUGNエージェント。

   日々を共に過ごした子供達の顔、学校のクラスメイト達、そして、厳しくて、鬼なんて呼んでしまうけど誰よりも優しいシスターフレア。

   嫌だ、消されて、たまるか。その思いが言葉と共に噴出する。


   「────ふざけんな!!! そんな事、納得してたまるもんですか!! アンタの方が優勢? そんな事知ったこっちゃない! これは、私の体、私の心、私の思い出────それを、アンタなんかにうばわれて奪われてたまるもんか!!」


GM:『……その勢いがあれば、やれやれ、君がへこんで動けなくなる心配はなさそうだ』

   男の感情は読めない。ただ平坦に、言葉を紡いでいる

   『『ヴェノムハザード』は既に目的を達成した。僕しかその力を扱う事が出来なかったレネゲイドクリスタルを取り込んだんだ。あと数日、残り少ない命を自由に使うと良い。彼は、君を見逃すみたいだよ』


天音:「……アンタの目的はなんなの? まるで、私に邪魔をさせたいみたいじゃない」


GM:『僕の目的は、ただ世界に平和が訪れる事さ。それを為すのが『ヴェノムハザード』でも君達でも構わない……さぁ、行こうか。まだ寝起きで頭がぼけているならば僕が代わるが? お嬢様』


天音:「誰があんたなんかに使わせるもんですか。頭良い分、人としてのデリカシー足んないんじゃないの。お父さん……うげっ」と、自分を奮い立たせる意味で気丈に振舞ったが最後の言葉だけは気持ち悪くなった人。

   では、めぼしい書類とか回収して帰りたいですね。もし桐坂が重要な書類について教えてくれるならそれも回収したい。


GM:それに関しては桐坂が『分かったよ』と言ったとたん自分で理解出来るようになります


天音:あ、機械類のデータもあるなら回収は出来てることで良い?


GM:いいよ!


――――幕間:天音の帰還(シーンを作らずに行ったRP)――――

天音:「た、ただいま戻りましたー」


立花:「オウ、お疲れ。なんか変なことされなかったか?どこも悪くないか?」とこう、ちょっとそわそわしながら甘いコーヒー出してやります


天音:「……大丈夫。頭の中に変なの居るだけで体は大丈夫です」と、自分が消えるって事情は伏せながらコーヒー貰います


立花:「そうか」あからさまにホッとした顔をする

   「まぁ、なんだ。天ちゃん、よく戻ってきてくれた」とこう不器用な笑顔を作る


天音:「あれー、心配してくれたんですか? 珍しい」

   と、その笑顔を茶化すのはダメかな。なんて思った天音は

「そりゃ、ここは私の居場所の一つですから」と、少しだけ照れくさそうにそう言った。


立花:「俺じゃなくて、ミクちゃんがだよ。今度ミクちゃんに心配かけさせやがったらただじゃおかねえ」とそっぽを向いてあからさまに強がりなのだ


GM:みくりはそのうしろで「ほら、立花さんこういう人ですから」って微笑んでる。天音が立花のそういうところを分かっているという信頼


直人:「ちなみに天音さん、天音さんがいない間、りっさんは寝ずに探し回ってたよ」


立花:「余計なこと言うんじゃねえ!だいたい直やんだってずいぶんキャラ違ってたじゃねえか。なんつーか、必死でよ。おーおー、青いってのはいーなー」と捨て台詞残してキッチンの奥へ引っ込んでいこう


天音:そんなわけで、ここで真砂に対する猜疑心が表ではなくなり、感服が表になるよ

   「さて、それじゃあ心配かけた分、涼良木天音、頑張りますよ!」と、自分の存在を確かめるように言って、がんばるぞい! って感じで

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