第8話 BRONZE-FROzen

ジョンとアマンダが17日以来塞ぎ込んでいる。

恵やスカーニーたち以上に、ビルもシャルルもセバスチャンも心配していた。アレックスやエリザベス、ヴァージニアもヴィクトーもジョセフもふたりを心配していた。

「何か食べられる?」

部屋をノックしてもアマンダは出てこない。

家に行けばジョンが対応してくれるものの、「ありがとう、でも今はそっとしておいてほしい」というばかりだった。


先日の事件はやはり亜種白路がスパイを使って恵にアタックしたことがわかった。スパイの処分は即日されたものの、そのルーツが祖国と文化にあることがどうしてもやりきれなかったのだ。

Food hoods Delivaryという証券は今や紙屑以下、すなわち債権でしかないわけだが、亜種白路はその債務をなんとか逃れようと新たな証券を上場した。

「マーケットに出しているわけじゃない。社員に入社祝いとして与えている。そしてその社員が知り合いにさらに売っている。例のVIPの護衛とかVIPとの会食チケットのあれだよ」

この証券を不運にも買ってしまったのが例の黒人女性だったというわけだ。SWLカンファレンスは監護施設という名前を変えた。三閉免疫不全の人々が症候群であったことに気づき始め、脱走を試みようとしている。

「俺たちを守る奴隷をひとりでも多く囲っておかなければならない」

亜種白路は元老院の立ち入り検査の際に、SWLカンファレンスの資料を見せて「監護施設ではなく、看護・療養教育施設だ」と主張するようになった。書き換えは8月初旬に行われたものの、元老院へは正式に届出をしていない。

「間に合わなかった」とか「郵便の遅延が災いした」とか色々な言い訳をしている。


「こうしている間にも新しい証券はこの島に出回っていることになる。この島のなかでのみ売買がされているのならまだしも、、、」

これがアマンダの本音だった。エリザベスは時空旅人だ。デイムーンに乗って一瞬だけアマンダの心を見ることができた。


元老院とMjustice-Law家、それから金融連邦の会議ではビルが証券の売り方をシェアしてくれた。

エリザベスは即時サドカイサイクルに掛け合った。受刑時空旅人はもともと亜種白路によってFROzenを組織させられていたからこれを再利用することを思いついたのだ。


8月23日、被害者団体として再出発したFROzenは新たな仲間6人迎え入れ、名前をBRONZE-FROzenとした。

「アマンダがこのニュース早くみてくれるといいんだけど」

ヴァージニアはアマンダとジョンの郷土料理を作ろうと今もユーチューブと睨めっこしている。



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