第34話「王都侵攻、勇者」
俺らの軍はヴォイド上陸作戦で勝利し、そのまま南下し、獣人の国の王都へ向かう。その際伏兵などが居たが多少の犠牲を出しつつも王都が見えて来た。
「これより!俺らはあの王都に攻め込み、獣人の国を滅ぼす!心してかかれ!失敗は許されない!」
「おおお!」
士気はだいぶ向上した。
ーーーーーー王都内
「僧侶様!新たな患者です!」
「私が診ます!大丈夫ですか?意識はありますか?」
勇者パーティの僧侶は一生懸命に患者に声をかける。すると患者は口を開き何かを言っている。
「…つ…が……る、やつ…がく…る」
「奴が来る?奴って誰ですか?!」
「ミオ?よく聞いて「奴ら」って言ってるわ」
「奴らとはなんですか?!」
「ア…ズマ…オル…と、そ……団ヴォルノビッシュ軍です」
「アズマオル?…アズマトオル?!!!ねぇ、まさか東君のことじゃ!」
「相手が東君だとしても俺たちはこの街を守る、それだけだ。」
ーーーヴォルノビッシュ軍
「全員、王都に侵攻する!全軍前進!」
俺たちは、城門の真正面から凄まじい数の軍隊で真っ直ぐ向かっていく。そのため何人かは腰を抜かして壁が意味をなしていない。
「城門を破壊しろ。」
戦車から大砲が撃たれる。ヴォイド上陸作戦ではあまり活躍できなく戦車と、戦闘機は現代の自衛隊に合わせた。そのため格段に威力が上がったので簡単に城門を破壊した。
「雪崩こめ!」
戦車と歩兵が城内に雪崩れ込んだ。市民はパニックを起こしている。
「この後に及んで被害者気取りか…笑」
その時上空に影が。俺はすかさず腕で受け止める。
「お前、あの時の冒険者!?なんでこんなことを!」
「お前に教える義務はない。邪魔するならお前から殺すぞ」
「俺はお前を倒すためにここに来た。」
「1人じゃ俺には勝てないぞ?」
「安心しろ、仲間は来てる」
「ファイアトルネード!」
「ロックオン」
炎魔法と矢が飛んでくる。弓は腕で弾き返し、魔法は腕をクロスし、防いだ。
「お前たち、普通の人間じゃないな?」
「当たり前だ!俺たちは勇者なんだ!異世界から来た!救世主なんだ!」
「異世界から…俺と同じかよ」
「まさか君…東君なの?」
「なぜ俺のことを」
「同じ高校だったから」
まさか、こんなとこで同級生に会うなんてな。夢でも見てるのかと思った。
「ねぇ東君、こんなことやめよう?なんも生まれないよ」
「……………………から」
「え?なんて?」
「お前たちはなんも知らないから!そんなことが言えるんだよ!」
「それってどういうこと?」
「なんで魔族と勇者は戦争したと思う?俺はこれ以上友を失いたくない!お前らみたいにな、ただ訓練して、いい待遇受けて、ただ魔王倒すためにこの世界にいるんじゃないんだよ!俺は、2回目の人生を歩んでるんだ!その過程で、友を失い、好きな人を自分で殺し、勇者と魔族の戦争の真実を知った。お前らみたいな、綺麗事ばっか並べてる奴が寄り添おうとしてくんじゃねぇ」
「ごめんね、そんな傷ついて…」
「だから寄り添おうとすんなって言ってんだろ?」
俺は言葉なんか聞く間も無く僧侶であるミオの腹を貫いた。
「ミオ?よくもぉミオを、殺」
「火雷拳」
アンリの首が溶けて無くなっていた。立ったまま死んだかと思ったらパタンと倒れてしまった。
「アンリ?おい起きろって!お前だけは許さ」
「タカシ!ダメだ!」
「散れ」
ぶん投げたたくさんの大剣がタカシを微塵切りにした。
「これでフェアだな、勇者ゆうと」
「東!お前を殺す!」
次回「勇者パーティ壊滅、悪夢の始まり」
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