第23話「初めての依頼、資金集め」

 宿に着いた俺たちは少しギクシャクしている。というよりかは俺が戸惑っているの方が正解だろう。  

 なぜなら、バハムートたち全員が同じ部屋なのだ。もちろん俺は1人部屋を4つと言った。しかし、不死鳥が

「いえ、我らは主人を守らなければならないので同じ部屋で、4人部屋を一つお願いできるかしら。」

お姉さんボイスで意味分かんないこと言ってんじゃねぇよ、バハムートは賛成だが、フェンリルが、

「俺が何でこんな男と!」

ほんとに主語がボーイッシュなこと。そうした結果。不死鳥からは謎の視線を感じるし。バハムートは落ち着き無いし、フェンリルは睨んでくるし。俺は超絶気まずい。

「…まぁみんなさ、そろそろ依頼を受けに行こう!」

「確かにそうね」

「そろそろお腹減って来た!」

「勝手に行っとけよ」

「フェンリルもそういうこと言わずにさ?ね?」

フェンリルは少し間をおいて口を開いた。

「不死鳥姉と、バハムートに振り回されるお前も可哀想だからな。着いていってやるよ」

全くアリスかよ。


〜冒険者協会〜

 依頼一覧を見ていると。A級のドラゴン討伐があった。それを受けることにした。

「これを」

「パーティが規定の人数に達していないので受理出来ません。」

「そんなん知らんやらせろ」

「いえ、ですから、こちらとしても、依頼の達成度は信頼そのものなんです。もし失敗すれば、難しい依頼が来ず、冒険者の収入が減ってしまいます。」

「じゃぁ俺たちとやるのはどうだ?」

こいつらどこかで…

「勇者様?!確かに4人4人で8人、A級B級合わせて8人なら受理出来ます。」 

勇者か、昨日見たからか、いや、もっと懐かしい感じが…

「ところで、君たち名前は?」

俺たちは偽名を使って答えた。

「我はムートじゃ!」

「我はニックスよ、よろしくね」

「俺はルリだ」

「俺はフェイク、お前らは?」

ハッとした表情で勇者が答える。

「俺はユウト、ほらお前らも」

「私はミオ」

「俺はタカシ」

「私はアンリ」

こうして、自己紹介を終え、ドラゴンの居るチャイルド山脈へ、全然チャイルドって大きさじゃねぇ、などと考えていたらいつのまにか、ドラゴンの巣の前に。暗かったので、巣の上部を殴って飛ばした。ドラゴンがこちらに気づくと、ブレスを吐く準備をした。

「ルリ」

「言われなくてもわかってる」

と、フェンリルならではの速度でドラゴンの懐に入り首を切り落とす。

 勇者が呆気に取られてるとこを素材収集して、帰ることにした。帰るというその時まで勇者御一行は呆気に取られ、石になったのかと疑うほどだった。


 山を降り、冒険者協会で依頼完了の手続きをする時。

「僕ら必要なかったんですが、依頼料もらってもいいんですか?」

「いいよぉ、遠慮しなくて。貰ってもらって。」

こうして解散したが勇者が受付嬢に呼ばれていた。


 受付嬢が勇者に質問する。

「さっきのはどういうことですか?」

「いやぁ、それがさ、俺たち勇者が武器を構えた時にはあのパーティーによりドラゴンが死んでたんよ」

受付嬢は疑いつつ。

「これからは依頼の関係であの人たちを止める必要はなさそうね。」

 資金集めも、初依頼もこなせて俺はその日、良く眠れることは無かったよ。理由はご想像にお任せします。

 


            次回「ダンジョン」

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