第21話「フェンリル」

 フェンリルと睨み合い2時間、奴の威圧はすごい、普通の人間なら3秒と持たないだろう。威圧だけで倒れない俺を見てフェンリルは動く。そう思った瞬間には目の前。脊椎反射でつま先を思いっきりあげファンリルを飛ばした。フェンリルは驚き、問う。

「貴様何をした。」

「つま先を上げた。」

「魔力なしでその威力、素晴らしいな。しかし、これはどうかな。」

フェンリルは左右に移動しながら近づいてくる。予測しづらい。後ろのバハムートが言う。

「見るな!感じろ!」

「無茶言うな!」

「お主なら出来る。」

俺は何かできるスキルがないか探した。

「あった!」

「遅い!」

俺はフェンリルの脳天にチョップをかました。

そう今使ったのは、並列思考、高速演算、超感覚、超感覚で的な位置を把握。高度演算×並列思考で奴の動きの規則性を発見。どこから来るか予測。攻撃をかます、この間0.1秒。そしてフェンリルの機動力に追いつくため、移動速度上昇、バハムート翼、超速反応を発動、バハムートの翼で空に回避、移動速度上昇で下がるフェンリルに攻撃、超速反応で、フェンリルの攻撃を避ける。スキルを上手く活用し、フェンリルを圧倒。自分でももっとスキルを使うべきだったと反省している。しかし、フェンリルも実力を隠していた。

「第二フェーズだ人間!」

その瞬間にフェンリルが青い炎を纏い、目が鋭くなるのを感じた。この世界初と言って良い、冷や汗が流れた。深淵落下を喰らわすも少しよろついただけ、火雷の拳を使うも擦り傷。

「なんだ、その程度か?」

と、先ほどとは段違いの速さで攻撃をしてくる。避けるのがやっと、おそらく擦れば俺でも一時的なダメージを負う。これはやむを得ない、魔力を使い自分の身体能力や攻撃力を上昇。さっきより速くなったフェンリルに追いついた。そして、火雷の拳、深淵落下の合わせ技

「奈落(ブラックホール)」

火雷の剣により生まれた質量と、深淵落下による大穴に質量分の重力を穴に移し生まれるブラックホールに落とす。しかしすぐに蒸発するため、神獣なら弱る。先ばどの青い炎は消え、鋭い眼光も薄くなってきた。フェンリルは雄叫びを上げ口を空に向け、自分の魔力を集めた。

「散れ!人間!」

「断る!」

俺の拳と奴の魔力がぶつかり核爆弾級の爆発が起こった。俺は倒れなかったがボロボロフェンリルも同じだ最後に両者共にトップスピードで斬り合う。俺は跪く、フェンリルは倒れた。俺も気を失った。起きると目の前には紅蓮の炎、真冬のこの時期では暖かいと感じる。その上で体が段々軽くなってきた。

 完全に起き上がると前には不死鳥がいる。クソ、もう出てきたのか。と戦闘体制に入ると。

「アズマトオルよ、バハムート、フェンリルを倒した、貴様は我ら神獣の主人となる。」

ちなみに俺は約半年間眠っていた。そのためもうすぐ春になる。こうして俺は死の谷で、全ての神獣を仲間につけ、死の谷から去るのだった。

 勇者も修行が終わり旅立ち始め約2ヶ月。モドレーテがあった場所から1番近くの街に来ていた。それまで初級ダンジョンを攻略し、装備を整えていた。



          次回「勇者との出会い」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る