死の谷編

第19話「死の谷、勇者の修行」

 俺はゆうと、友達のタカシと、ミオ、アンリと高校の教室に居た。

「もう卒業かぁ、」

「でも不吉よねぇ」

「東君、結局死んじゃったらしいよ」

「あぁ成績は優秀だったし残念だよ…ってなんか地面が光ってるよ!?」

4人は瞬く間に知らない場所に居た。

「勇者の召喚に成功したぞ!」

「勇者?なんのこと言ってるんだ?!ここはどこだよ」

「勇者どの勝手に呼び出してすみません、あなたにはこれより、魔王を討伐していただくため修行を行なってもらいます。剣士の方は騎士隊長と、弓士の方は狩人と、魔術師は宮廷魔術師と、僧侶は教会のシスターたちと修行してもらいます。そして、今から国王陛下に謁見してもらいます。」

「ねぇゆうと、どうなってんの?」

「まぁよく東君の言ってた異世界転生に近いと思う。もしかしたら国王は東君と会ってるかもしれない。」

「それって東君が異世界転生したってこと?」

「まぁ国王に聞いてみようぜ。」

 国王の間に行くと、さまざまな役人の方や護衛がいる。

「勇者たちよ、よくきてくれた。これから君たちには魔王を討伐してもらいたい、質問はあるかね」

「あの、東透って知ってますか?」

その瞬間国王が驚いたように言った。

「トオル殿を知っているのか?関係は?」

「異世界での同級生です。死んでしまってますが」

「お父さん、トオルは転生者ってこと?」

「おそらくな。」

「今東君はどこに!?」

国王は少し俯いてから言った。

「行方不明だ。しかしおそらくは、という人物がいる。」

「行方不明ってどういうことだよ!」

「トオルが入学した学校が魔王軍によって攻め落とされたの。そのとき謎の人物が四天王を倒して消えた。それに、トオルに限って死ぬなんてことありえないから、その謎の人物がトオルだと思うわ」

「そうですか」

「他に質問は?」

「いえ、ありがとうございます」

そうして、勇者たちの修行が始まった。

 死の谷に入って2日目、ほとんどの雑魚魔物は出てこない。少し抜けている魔物は瞬殺。それから3日、4日と同じような日々が過ぎていく。そして1週間経って謎に広い場所に出た。すると上から声がする。

「珍しいな、人間がこんなとこまで来るなんて。」

「…」

「恐ろしくて声も出せぬか、まぁ立っているだけ褒めてやろう、姿を表したら気が飛ぶと思え」

別に俺は恐ろしくなんてない。ここには強くなるために来たそれだけだ。だから謎の声など気にしていない。次の瞬間土煙と共に黒い何かが降りてきた。

「我は世界を支える神獣の一柱、黒龍バハムートだ。我を前にし、立ち竦むことすらないとは、相当な自信家か、大馬鹿者だな。」

「別に、俺はこの手で魔王軍を壊滅させる。今の力じゃ足りない。お前たち神獣を全員倒し、使役して魔王軍を壊滅的させる。それだけだ」

「ほう、面白い、ならば見せてみろ今のお前の実力とやらを」

俺はこの1週間ぼおーっとしながら魔物を倒してきてはいない。ずっと新しい技を考えていた。そして出来たものがある。それは、自分のパンチによる摩擦で炎と静電気が発生、二つ合わせて、相手に多大なダメージを与える。それからパンチによって発生した風で炎を広げて、持続的なダメージを与える。その名も

「火雷の拳」

スピードは最大、バハムートも少し驚いたがギリギリよけ掠った。バハムートは掠っただけだと安心してると思うが。すぐにボワっと炎と雷が走り爆発。遅れてきた音と風により炎が揺らぎ、広がる、バハムートは首元を抑えて痛みに耐える。

「人間でありながらこれほど力とは。面白い我も本気を出して戦わなければな。」

次の瞬間俺の目の前に来たかと思うとその鉤爪を俺に振るった。俺も刀で受ける。火花が散る。両者共に弾かれ、バハムートは反対の手で俺はすぐに刀を返し、もう一度受ける。そんなことを1秒間に千回繰り返し、5秒後にバハムートの腕をそらし、好きが出来た、俺は空気を蹴り凄まじい速さで、首を切る。しかし神獣というべきか、鱗が硬い、鱗は剥がれたが、瞬間再生してしまう。そしてバハムートが俺を空へ飛ばし飛んできた。

「地上戦で我に勝てても空中ではどうかな?」

俺は空中を蹴りながら擬似飛行している。

「では行くぞ?」

来るっ、バハムートがすごいスピードで俺に突進してくる、ギリギリ避けれるがやはり龍、すぐに折り返し攻撃を当ててくる。このままでは防戦一方。しかしこんな時のためにさっき、翼に切り目を入れておいた。つまりやつが凄まじいスピードを出すたびに翼が破けていくのだ。そして切り目が数メートル入ったとこでやつのスピードが落ちた、俺はその瞬間に空中を蹴り上昇、思いっきり回転し、踵を奴の頭へ決める。しかし、バハムートは手で防御し、脳天がかち割れるを回避、それでもバハムートの片手を破壊する事に成功。そのままやつは地面に叩き落とされる。




         次回「バハムート擬人化」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る