第16話「槍使いvs弓使い、禍々しい力の正体」

 さて、準々決勝出場が決まったし、相手の力を見ておかねばな、こう言うのは大体イレギュラーが混ざってるからね、次の試合は槍使いと弓使いの戦いか。

「さてお次の試合は、槍使いモウア!vs弓使い、トルティーヤ、試合!始め!」

その次の瞬間会場は静まり返った。一瞬にして試合が終わったからだ。そして会場がざわつきだす。

「トムさん、今何が起きたんでしょうか」

「そんなん分かるか!トオルに聞け!」

俺には見えていた。

「試合開始の直後トルティーヤの方を向き、距離を詰め、トルティーヤの首元に刃を突きつけた。それも瞬く間に」

こいつの正体は3択だ。俺の存在を知った魔王が偵察しに来たもしくわ別の転生者最後はこの世界の存在。まぁ、勝つのは俺だが。少し手こずりそうだ。その後は第2ブロックの方に1人強いのが居た。魔術師学園の生徒だ。

 その夜俺は考えていた。モウアから感じた凄まじい禍々しさを。闇系のオーラを発するやつは間違いなく。魔族だ。しかし断定するには早い、何故なら、俺の前世でも闇系のオーラで誰も近付かないと言うやつはいたからだ。それにしても不気味だ。あんな闇のオーラを纏うなんて。モウア…moua …maou…魔王、まさかとは思うが、本当に魔王なのか?でもこんな発想が出来るとしたら。転生者。魔王は転生者なのか?いやたまたまかも知れない。久しぶりだ。こんなに悩んだのは。全く。確かに魔王ならあの禍々しい力を証明は出来るが。それは明日の試合で確かめよう。

「トム、飯いこーぜ」

「分かった」

食堂に行くと何やら話している。

「あの槍使いと、トオル、どっちが強いかな。」

「試合の決着速度から見て、モウアさんじゃない?」

「とても美しい動きだったわ、女の私も惚れちゃう」

「いや、トオルも、まだまだだと思うぞ。」

「なんで?」

「今までであいつが息切れるとことか、冷や汗かくとこ見たことあるか?」

「そういえば、ないかも、未知数ね」

全く明日の話でもちきりだな。

 やはりこの食堂は、ステーキがうまい!

「美味しい…幸せ〜」

「トオルは食事の度にそれ言うよな。」

と笑いながら言っていると、入り口の方からモウアが入ってきた。

「貴方がアズマトオル?」

「そうだけど、」

「私はモウアナッテシオ明日の対戦よろしく」

「こちらこそ」

今ので確信した。魔王でなくとも魔王の手先だろう。少し用心せねばな。



         次回「モウアvsトオル①」

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