第2話
みんな、休み時間は恋愛の話。「私の彼氏がね……」、「さっき、あの2人が……」って、楽しそうに、目をキラキラさせて話してた。
「おっ、何読んでるの?小説?」
少し人気者で、少し気怠そうな先生が話しかけてくる。
「はい。小説です」
少し上擦った声で答えたことを今も思い返しては、恥ずかしくて赤面してしまう。
その後も会話は続いたんだろうね。でも、記憶に残っているのは、先生らしくない雰囲気と私の心臓の音。
たまに、友達と会って、好きだった人の話をするけど、先生の名前はあまり出せない。だって、多分、同級生とか先輩のことを好きになる時よりも好きになった理由がしっかりしてたから。思春期の子どもなりに、真剣だったのかな。
まあ、好きになった理由がしっかりしてるなんて、理由を聞いたら、なぁんだって言われそうだけど。
……理由は、一目惚れしたから。2度も。
1人の人を2度も一目惚れしたなんて、矛盾してるかもしれないけど、本当なんだから仕方ない。
どういう意味かはまだ言わない。口に出したら、終止符を打つようなものだよ。
かっこつけちゃったな。
かっこつけついでに、多分、もう一目惚れはしない気がする。わからない、なんとなく。
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