第10話 2度目の配信とエルの実力 ③


さて、俺とエルは歩み始めたのだが、敵が弱すぎて俺がアイテムボックスから出した戦闘用のUAV単機が勝手に殲滅して付属のアイテムボックスに入れていっているので、俺たちの出番はまだないのだ、そう、まだな。


因みにコメント欄は大いに盛り上がりを見せているようだ、さすサブマス流石はサブマスターとか言ってる人もいるし、へ?とかおいおい、あのモンスターはとか言っている奴もいるからな、さすサブマス言っているやつは三千世界universeの関係者だというのは分かるが、へ?とか知ったかぶりしている奴らは日本人のリスナーだろう。


ちなみにだが日本には三千世界というギルドがあるというのはどこかで情報が制限されているのか騙されているのか知らないが噂程度にしか入っていないのである、それと同時に上級探索者国際序列があるのも教えられないのである、流石ダンジョン後進国というべきか、流石に広げた方がいいかね?


『なぁ、ゼロ見ているんだろ。上級探索者国際序列の事って言っていいのか、どうなんだ?』


そう思った俺は唯一翻訳対象外にした言語で配信の向こう側で見ているであろうコードネーム:ゼロ、レイ・シャスティエルに向かってそう聞いてみる。すると、三秒で大丈夫だ問題ないActum est, non est dubiumと返ってきた、恐らく言っていいということなのだろう。


因みに翻訳対象外の言語はラテン語である。


「さて、このまま何もないというのは暇なので一つ話しておこう。俺は上級探索者日本国内序列に登録しているわけじゃないんだ。」


こうでも言えば無知な奴らは何か言ってくるだろう。


『え?』

『雑魚やんけ。』

『草』

『なぜ日本の皆様は大事なことに気がつかないのでしょうかねぇ。』


やはりだ日本人は貶してくる、外国の方々は察してくる。

日本と海外じゃ情報が違いすぎるのだ。


「まぁ、正確に言えばできないんだ、立場上な。なぜかと言うと俺は上級探索者国際序列の首席だからだ、言い換えれば序列一位だな。」


『は?なにそれ。』

『国際?』

『成程、情報の操作のですか。』


ほれみろ、日本人は何も知らない。


「なぁ、日本では国際序列という言葉を聞かないだろう、それはどういうことか分かる?」


『知らねぇからわからねぇ。』

『知っているぜ。』


うん、外国人リスナーは日本人リスナーとで反応が真逆だ。本当に面白いな。


「なに、簡単な話さ。日本探索者協会とはまた別の組織が上級探索者日本国内序列だからだよ、あ、因みにどちらも国営だけどこの二つの組織は仲が良くないよ。そしてさらに、その上級探索者日本国内序列という組織が情報の操作をしているかららしい、俺の知り合いが言っていたことだけどね。」


その知り合いというのが日本探索者協会の会長というのがまた恐ろしいところだ。


「あと、知られてはいないが。日本には一応特級探索者が三人いてそのうちの一人が日本探索者協会の会長だけどな。あとの二人は俺のプライベートも関わってくるんで言わないでおくよ、あと国際序列の方も説明していく、因みに日本国内序列に登録していると国際序列に登録できないし、日本国内序列からだとどう頑張っても特級探索者になれないから注意しろよ、あ、因みに国際序列は百位まで存在しておらず、確かその百位の人が確かずっと百位をやっている人でね何故か入れ替わりが起きる時もいつも九十九位の人が変わって百位のその人は変わらないんだ、その結果付いた渾名がヤーヌスJanusという渾名だよ。この人に勝てたらようやく上級探索者国際序列、晴れて協調性があって統率された化け物たちの仲間入りだ。因みにあのナオとかいう探索者でも彼には勝てないと思うよ。これくらいでいいかな、あと、上級探索者国際序列は国連の下部組織、国際探索者協会通称WSAの運営する序列で国際序列になってくると国籍云々が消えるんだ、いや違うなすべての国の国籍を手に入れるんだ、まぁ序列から消えたら前からあった国籍しか使えないけどね。

さて、これくらいでいいか、もう階層ボスの扉の前だし。」


俺はそう言って話すのをやめた。俺にしてはいい仕事をしたのではなかろうか。


よし、大丈夫そうだな。Bene, bene est.

『情報が多い。』

『俺たちは騙されていたのか。』

『なんで、上位の探索者たちなのに協調性があって統率されているんだ。』

『もうボス部屋なのか。そういえば、こっちの方が異常では?』

『『『『そうだったな』』』』


「やったのじゃもう階層ボスの部屋なのじゃ。」


そして、エルは満面の笑みである。因みにエルは途中からしびれを切らしてUAVと一緒にモンスターを倒していた。


「さて、エル扉を開けるぞ。」


俺がそう聞くと、エルは力強く頼りがいがありそうな声で


「分かったのじゃ‼」


と言った。


そして俺は扉を開けた、


中にいたのはここら辺の階層では出て来なさそうな、銀色と赤色のドラゴンだった。

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