第4話 初配信①


「本当に改造は完了したんだろうな?鏡花。」


俺は鏡花が運転する車に乗って浜松第三上級ダンジョンに来ていた。


「えぇ、大丈夫よ。動作確認もすべて完了しているしダンジョン内でもきちんと配信等に使う機能が動くことも確認できてる。」


なるほどね、大丈夫そうだ。


「あと、ちょっと特殊な改造を施してね、リアルタイムで多言語に翻訳されるの、尤も字幕だけどね。コメントのフィルターも万全。宣伝も問題なしコネのあるダンチューバ―や私や師匠のツブヤイターのアカウントでも宣伝済みそしてレンのチャンネル『レンの錬金工房』も開設それと同時にツブヤイターのアカウントも開設。といった感じかしら、安心しなさいなツブヤイターのアカウントは私が何とかするから、まぁ自分でやりたいなら渡すけど。」


と、聞いてくるがひとつ言いたい、鏡花さん働きすぎじゃね?

あの人まだ若いよ18歳よ、まだ普通なら学生よ、師匠は三十代らしいけど実際は本当の年齢など聞いたことがない。俺?俺はまだ高1いや今が春休みだからそろそろ高2になるだが?それに、過去の鏡花と同じで進学なんて考えてないが?普通科の高校だけど…。


まぁ、職には困らないしもうは働かなくても一生遊んですごせるだけのお金は持ってるからね。


中一のころに上級探索者になったし、それからすぐに上級探索者国際序列の次席について鏡花が特級探索者になったタイミングで首席になったし。ほんと驚きだ、こればかりは俺を化け物呼ばわりしてどこかへ消えた両親に感謝だな、住んでる場所は今と両親と住んでた時とで大して変わらないけど。


「了解、あと鏡華は若いから働きすぎるなよ。」


心配してそう言うと。


「私より若いおなたがそれ言うの?」


と返された。


「はいはい、じゃあ、あの例の裂け目があるところまで行ってから連絡するから遠隔で配信よろしく。」


「わかったわ、ってさては下層から配信するつもりね。」


「そうだよ。じゃあ任せた。」


俺はUAVをアイテムボックスに改造した白色のローブのフードに入れてから移動し始める、服装は黒色のズボンに白色のローブ、それとローブの中に着ている黒色の服だ、この前みたいに偽装しなくていいから楽だしローブは羽にもなるからな。


そうして俺はダンジョンの入り口の日本探索者協会の支部に向かった。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「今日、ナオがこのダンジョンに来てるってよ。」


俺は受付を済ませダンジョンに入ろうとしていた時そう聞こえた。

ナオ、確か人気のダンチューバ―だったか。


「へー、あの日本で一番特級に近いといわれるあの子が。で、階層は?」


「四十階層下層の一層目だったかな。今は四十三階層くらいまで行っているかもしれないけどな。」


なに、四十三階層かもしれないだと、やばいな人気者の配信に顔は映りたくない、念のため持ってきているただの狐のお面でもつけていいかと鏡花に後で聞くか。


そういえば、国際の方でナオという者は聞いたことが無いな、やはり日本国内序列の方なのか。


まぁ、いいか。目的のところに行くか。


そうして俺はダンジョンに入る門を潜り四十三階層の隠し部屋につながる裂け目のところに歩いて向かった。

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