第78話 2024年3月28日 相生、読まれないって悩みについて考える ~ネット小説は基本、読んでもらえないから、どうするのかって話~(3)



 さて、と。

 ここから先は、本格的に裏技ですから、見たくない、聞きたくない、という方はお早めにブラウザバックを、どうぞ、おススメいたします。




















 あら。

 読んでしまいますか。

 そうですか。


 まあ、いいでしょう。お付き合いください。


 まず、「ネット小説はそもそも読まれない」というのは真実です。


 そりゃあ、もう、ちっとも読んでもらえません。


 それなら、どうして、そもそも、相生はある程度読まれるようになったのか、という話ですね。

 ここまでのエッセイで語っていますが、私の場合は「スコップされた」だけなのですよ、単純に。


 本当に、運良く。

 ただ、スコップしてくださった方がいた。それだけ。


 それをきっかけに読んでもらえるようになり、次回作にも目を向けてもらえるようになり、それが「なろう」から「カクヨム」へと引っ越しても、続いている、という、それだけなのです。


 最初のスコップがなければ、こんなに読まれていないと思います。


 言ってみれば、そういう偶然でしかないんです。


 ただし、そのスコップ以降、積み重ねてきたものが、今、読んでくださっている方々へとつながっているのもまた真実です。


 基本的に「ネット小説では、読者は作品につき、作者にはつかない」ものです。それでも、「作者につく読者」は皆無ではありません。比率として、「作品につく読者」よりも少ない、というだけなのです。


 だから、作品を掲載し続けていけば、いつかは「作者につく読者」も増えていきます。私にも本当に初期からずっと読んで下さっている方がいらっしゃいます。


 これは、本当にありがたいことなのです。




 その上で、まあ、とんでもない話をしましょう。


 ネット小説の公開ができるサイトとして知られているもののうち、三強となると、「なろう」「カクヨム」「アルファ」だろうと思います。


 この三つからの書籍化がもっとも多いし、ユーザ数も多い。


 そして、「カクヨム」よりも今はまだ「なろう」の方がユーザ数が多いのです。




 ……それなら、「なろう」から読者を呼び込めないかな、と。




 そういう作戦ですよ、単純に言えば。


 ま、いろいろと理由はあります。




 例えば、今、「なろう」は改革に入っています。

 これは、大きくふたつの要因ですね。「短編優位」と「イセコイ一強」が原因です。そして、その結果としての「なろう離れ」ではないかと思います。


 ネット小説の世界なんて、言ってみれば小さな地中海なワケです。世界の全ての人が関係しているワケじゃない。ごく一部だ。

 その中でシロナガスクジラになった「小説家になろう」は、「なろう系」と呼ばれる代表作が無料で読める状態のまま、掲載されています。

 だから、何もしなくても、広告収入は入ってくる。読みにくる人が絶えないから。


 まあ、いろいろあって「なろう」では「短編優位」と「イセコイ一強」になりました。そのへんの話は割愛します。


 結果として、「なろう」では「ファンタジー」と「現実世界恋愛」がそんなに読まれなくなっていった。


 本屋に並んでいるラノベ系統の書籍って、「ファンタジー」と「ラブコメ」が多いですよね?

 そこが「イセコイ一強」という現象によって、埋もれていったんですよ。

 全然読まれないってワケじゃない。でも、「イセコイ」と比べたら厳しい。総合ランキングに入れませんよ、と。


 で、「カクヨム」について考えてみると、「異世界ファンタジー」と「現代ファンタジー」と「ラブコメ」が、星が多くなりやすいジャンルなんです。

 つまり、読者が多いジャンルです。


 棲み分けってヤツでしょうか。ひょっとすると、カドカワの商業的な戦略もあるのかもしれません。


 確かに「イセコイ」は強いです。ピッコマのようなコミック系のサイトでも「悪役令嬢」ものがあふれています。


 でも、そればっかりだと、ねえ……。


 だからといって、「なろう」のユーザ数はハンパないワケです。「イセコイ」中心になったとしても、「ファンタジー」や「ラブコメ」の読者だって、そこそこ多い。




 そこから引っ張ってくるための作戦、それが『カクヨム先行での並行掲載』になりますね。




 自分の作品の力だけでなく、「カクヨム」の総力として、今、「ファンタジー」と「ラブコメ」はいい作品がそろっています。

 なろうでは読まれないことにより、カクヨムへと流れてきているというのもあるでしょう。カクヨムオンリーとタグをつけた作品も多い。


 そうして生まれた、「なろうからカクヨムへ」という流れ。これに便乗しない手はありません。


 今、「なろう」が改革によってどうにかしようとしている。だから、ここが最後のチャンスかもしれない。




 すでに述べた、「なろう」での正攻法ですが、あれをカクヨムでの連載を地道に続けた後で、「カクヨム先行」を保ちながら「なろうでの一挙投稿」で、なろうのランキングをめざすのです。


 そして、「なろう」のランキングで読者がつき、しかも物語の中でここは「続きが読みたくなる」という「ヒキ」のある部分のあとがきで……。


 そう。ぼそっと。または、こそっと。


「(この小説はカクヨム先行で公開しています。)」と。


 そう、囁くんですよ。


 全員は呼びこめません。そんなことを期待してはいけません。でも、数人でも呼び込めたら、すごいことです。意外と、どちらにもアカウントを持っている読者は多い。だから、呼び込むことは可能です。


 数値を具体的に考えるのなら、カクヨムで100話公開して、1日1話更新を継続しているとしたら、その段階で「なろう」の方で「49話」分くらいを使っての「一挙投稿」に踏み切ります。

 1日7話投稿で一週間の計算ですね。それ以降は更新頻度を落します。

 夜0時、朝6時、7時、昼12時、13時、夕方18時、19時くらいの7話更新をするか。もしくは夕方18時からの19、20、21、22、23、0という夜集中の7話更新をするか。どちらか、でしょうね。

 運良く、なろうでジャンル別のランキングにでも載れば、かなりのPVが稼げます。そうすると読者も増えます。


 そして、一番、続きが読みたいところで、囁くのです。「カクヨム先行です」と。


 もちろん、その後も「なろう」でゆっくりと更新はすればいいと思います。カクヨムに追いつかない程度に。


 サイトによる読みやすい、読みにくいは、ユーザ次第なので、続きが気になるからといって全員を呼び込めるワケではない。でも、確実に、何人かは引きこめます。


 そういう作戦です。




 オマケで言えば。

 もし、なろうでランキングを上っていくようなことがあれば、「公募関係のタグ」はいれずにそのままにしておくことをおススメします。


 出版社からの打診があるかもしれませんよ?


 なろうはそれくらい、一挙投稿の効果が高いのです。


 まあ、そんな話ですね。





 そこまでやって、どうにかした結果。

 1日あたりのPVが1万くらい、というのが私の現状です。


 さて。

 みなさんは、どうしますか?


 そこまでして読まれなくてもいい、と。そういう考え方もあるかもしれません。

 でも、今、読んでもらえない。だから、とにかく読んでもらえたら……。そう感じている人もいるかもしれません。


 選ぶのは、あなたです。





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