第77話 2024年3月28日 相生、読まれないって悩みについて考える ~ネット小説は基本、読んでもらえないから、どうするのかって話~(2)



 さて。

 正攻法はもういいとして。


 正攻法とは言えない方法として、Xの利用がありますね。SNSの利用とも言えます。ある意味では正攻法です。


 そっちでフォロワーを増やせているのなら、とても効果的だと思います。

(私はやったことがないですので多くは語れません。)


 例えば、馬路まんじ先生は当時のTwitterで読者をたくさん集めることに成功して、なろうのランキングを駆け上がり、書籍化もしていると聞いています。


 とにかく、読者動線をたくさん、生み出すこと、が、PVを増やすための基本となります。






 その代表的なやり方として有名なのが「なろう」での「短編からの長編化作戦」ですね。


 カクヨムと違って、「なろう」はトップページで「短編」の新作を20作品も紹介しています。トップページで、です。


 そして、なろうには本当にたくさんの長編連載エタ作品があるのです。


 エタ作品が多いことで、なろうでは長編を完結するまで読まない勢が存在します。そして、その人たちは気になる長編が完結するまで、短編を読むのです。エタらなくて安心できるから。


 つまり、なろうには短編優位な環境ができあがっています。


 だから、プロローグ的な短編を公開して、読者の反応をさぐり、それからの長編化、というパターンが成功例として存在している訳です。


 これは言うまでもなく、「カクヨム」では通用しない。


 カクヨムには短編を優遇するような仕組みがありませんから、そもそも意味がないんです。


 そのへん、考えていくといいかもしれません。






 じゃあ、読者動線は、どう確保するのか、という話になります。


 ここで重要なのは、「ネット小説では、ほとんどの読者は作品につき、作者につかない」というのが基本だと知っているか、どうか、です。


 つまり、ひとつの作品を書き終えて完結させたら、そこで終わり。次の作品に流れてくる読者もいますが、前の作品の読者の全てではありません、ということです。


 実際にそれは、作品フォローと作者フォローの数値の違いで証明されていると思います。


 同一ジャンルを書き続けることで読者を雪玉転がしのように増やすことは可能かもしれませんが、どのジャンルが自分にあっているのか、試したいこともあるでしょうし、書きたい物が全部同一ジャンルとは限らないんです。


 では、どうしたものか、と。




 ひとつ、やり方としてあるのは、「完結作品にお知らせの1話を追加で更新して、新作のURLをそえて伝える」というやり方です。「あとがき」にして、そこに追記するのもありだと思います。


 作品フォローしていて、作者フォローをしていない読者には、新作のお知らせが届きません。だから、作品フォローで更新のお知らせが届く間に、新作を宣伝してしまうのです。


 作品フォローと作者フォローは、押す場所が離れているので、完結作品の最後で新作を宣伝する効果は高いと思います。


 実際に、『アドスコア日記2024』を書いている喰寝丸太さんがこれをやって広告表示PVを大きく伸ばしています。


 自分の完結作品を読者動線にする方法、ということですね。




 そして、これを応用したのが「大長編の分割投稿」となります。


 まあ、狙ってやっている訳ではないのですが、私の『RDW+RTA』がこれと同じ状態になります。


 このシリーズは現在、4作品で、そのうち2作品は完結済みです。だから、最後の1話にあとがきとお知らせを載せて、新作への読者動線をつくっています。


 もともとは、カクヨムの作品ページで、話数が増えたらスクロールが長くて読者に不親切だと考えて分割していました(これはカクヨム運営が形式を変更したので今はあてはまりません)。


 前回、ネクストの影響で説明していますが、本編とスピンオフ、という関係だと、相互に読者が動くことがありますから、効果がありますし、続編の場合はいろいろな場面があります。


 例えばランキングです。

 ほぼ同一タイトルの作品が、ランキングの中に複数、ちらちらとしていたら、気になりませんか?

 下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる大作戦ですね。

 分割投稿で、ランキングでの露出を増やせる可能性があります。本編とスピンオフでも、これと同じことは起きるはずです。

 完結して閑話を続きに載せるよりも、閑話をスピンオフとして独立させて、完結作品の最後で宣伝する方がいいと、個人的には思っています。もちろん、スピンオフの方では、「本編はこちら」という形でURLとともに紹介するべきでしょう。


 また、「自主企画」です。

 実際に「自主企画」がどれだけ読まれているのかは分かりませんが、続編タイプの分割投稿であれば、「自主企画」における「ランキングへの影響」をなくすことが可能です。


 本来、カクヨムの「自主企画」は、参加者同士の☆がランキングに反映されません。だから、ランキング狙いの場合は、「自主企画」は避けるべきです。


 ところが分割投稿の場合、続編となる最新作が注目されればいいので、完結済みの前作や前々作を「自主企画」に出してランキングの制限にかかったとしても、そこで読者を獲得できれば、「最新作は自主企画に登録していない」ので、ランキングの制限を受けることなく、自主企画の恩恵を得られます。


 やや裏技感はあるので、真面目な方には難しいかもしれません。

 ですが、質の悪い自主企画主だと、「読み合い企画を仕掛けて、自分の作品だけは自主企画に登録せず、説明文のところにURLを載せて読ませようとする」などということもごく普通に行われています。

 それと比べたら、きちんとお話の途中のキリがよいところで「完結」させて、作品を分割しているだけなので、よっぽどマトモな方法だと、私は思います。スターウォーズだって、バックトゥザフューチャーだって、やってることではありませんか?




 そこまでしなくとも、と思うのなら、しなくてもいいかな、とは思いますが、「そこまでしたくなる」くらい、「ネット小説は基本的に読んでもらえない」ものなのです。


 だからこそ、読まれたいのであれば、「どうすれば自分の作品の露出を増やせるか」を考えるべきだと思います。


 基本はそのサイトのトップページを分析すること、だと思います。


 カクヨムとなろうだと、やり方が大きく変わる。そういうことに気づけると、その頃にはPVも増えているのではないかと思います。




 みなさん、PVを伸ばして、たくさんリワードを獲得しましょう!


 では、これにて。






 と、いいつつ、つづく。





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