第72話 2024年2月25日 相生、気になっていたので文学フリマに行ってみた ~文学フリマ広島、取材旅行扱いで経費にします~



 さて。

 ちょっと前のエッセイで、文学フリマが気になる、みたいな話で、自費出版について調べてみたんですけれどね。


 まあ、死ぬまでに書籍化できないんなら、自分で筆を折ろうと思った時に、本にしちゃってもいいんじゃない、みたいな……。


 実際、どんくらい売れるんかなぁ、とか、どんな雰囲気なんかなぁ、とか。


 ちょうど、気になっていたタイミングで。




 ……たまたま、なろうの割烹で文フリの情報を入手。しかも、場所は広島。




 うん。近い。近いと言っても新幹線の距離だけれど。まあ、近い。


 予定は問題ない(いや、ないこともないけれど、どうにでもなる)。


 じゃあ、1回くらい、行ってみるか、と。




 相生、唐突に文学フリマへ行くことを決定しました。


 ただし、確実に散財すると予想されるため、厳密に「お小遣い設定」をした上で、行くことに……完全に子ども扱いやん……(だが、その気になったら一万円札を複数枚持ち出せるのが大人。だからこそ「お小遣い設定」は大事です)。


 まあ、広島は広電の完乗がまだ終わってなかったし、ちょうどいい。


 広島の友人に連絡をとったら、都合が合わなかったので、そこはちょっと残念だ。


 事前に調べて、気になるお店はチェックした。


 ひとつは高校の文芸部。

 もうひとつはカクヨムで文フリでの戦いをエッセイしてたところ。

 そして、情報を得た、なろうの割烹のお店。




 ……という訳で、行ってきました、「文学フリマ広島6」に。


 正直、広電と文フリのどっちがメインなのかは微妙なところなんですが……。


 同じ会場のとなりでやってた催し物も気になったけれど、そこはスルー。


 文フリ会場に突入です。


 入ると、シールを渡されます。VisitorのBでしたね。胸のところに貼るように、とのこと。


 ……貼ったのはいいんだけれど、ゴミ箱もセットで用意してほしかったです……シールの裏紙が残るので……。




 さて、会場。広いのか、せまいのか、比較対象を知らないので判別できない。まあ、広いんじゃないかな……?


 だいたい、長机の半分でひとつのお店。長机ひとつでひとつのお店なのは強者なんだろうと思う。


 まずは全体をぐるっと回りたい。


 ということでうろうろします。




 ……正直、めっちゃ気になる。これ、本屋に売ってる本とどう違うの?




 まず、『単語帳と狐のしっぽ』が気になった。JKふたり、屋上っぽいところ、横並び、背中。顔が見えていないところも含めて、めっちゃ気になった。


 ……「お小遣い設定」がなかったら、即買いでしたね。


 やっぱり、相生は「絵」の訴求力に弱い。自分が、絵が描けないから。




 それから「第一芸人文芸部」も見た。残念ながら、芥川賞作家はいませんでしたね。




 やばいのキタ。『はじめてのフェリー旅2023』とか、もうこれ、ダメやん……手に取ったら絶対に買うヤツやん……。


 めっちゃ我慢して、触らないようにしました。おそるべし「お小遣い設定」の強制力。


 全部見てから、事前に購入を決めていたもの以外は、お小遣いの範囲で! ちなみに事前に決めてた分もお小遣いの範囲です……(泣)。




 今度はタイトルと表紙のどっちも攻めてきた。『無名の一次創作文芸個人サークルが1年間で500部頒布する方法。』って……。


 ヤバい。中身が気になりすぎる……。




 もうお分かりかと思いますが、相生、めちゃくちゃ楽しみつつ、「お小遣い設定」に苦しんでますww。




 さっきのと同じお店の『海の見える図書室』っていうのも、タイトルと表紙のダブルでキタ。


 やっぱり図書館とか、図書室とか言われたら弱いよね……。




 これ、本屋の価格帯だったら、間違いなく、買いまくってるわ~。


 文フリは、本屋の価格帯よりもたぶん500円以上、高い。個人もしくはサークルでの自費出版だから、まあ、そうなるよねって話ではある。


 あと、クレカが使えたらヤバかったと思う。「お小遣い設定」の意味がなくなったかもしれない。




 ……本好きにはとっても危険なイベントなのかもしれませんね~ww。




 あと、『閑話集 本日も晴朗なり。』とか、『ベアトーシャの朝星』とか、『meguri』とか、『その淑女はクリームソーダがお好き』とか、いろいろと惹かれるものはいっぱいあって、でも「お小遣い設定」によって我慢を強いられるという苦行が続く……。




 サークルそのものが気になったところも多い。


 例えば『へにゃらぽっちぽー』とか、『ClubRPG広島クトゥルフシナリオ』とか、『広島Trafficlabo』とか、『昭和漫画兄妹』とか……。『へにゃらぽっちぽー』なんかはタイトルが意味不明すぎて逆に興味を抱いてしまった……でも中身が予想不能すぎて買えない……そんな感じ。『昭和漫画兄妹』なんてもう「昭和」って言われたらダメやん……。




 うろうろしてたら、なんかこのタイトル、覚えがある……『銃拳使いと自動人形』……覚えがあるだけれど……。


 そのタイミングでフリーペーパーを頂いて、ふと、思い出した。


「……カクヨムで書いてらっしゃいますよね?」

「あ、そうです、そうです!」


 ……おお。こういう人もいるんだ。すごい。




 そうそう、フリーペーパー。ちらちらと見ながら歩いてたら、めっちゃもらえます。いっぱいもらいすぎて大変なくらい。




 ま、そんなこんなで、ぐるっと一周、回りました。


 で、ここからが本番です。


 事前に興味を持って、取材したいと思ってたところに行く。




 まずは高校の文芸部が出店してるところ。偏差値60オーバーの中高一貫校ですな。京都の有名な私立です。

 広島まで来るんだ……とびっくりして、可能なら取材したいと思いまして。


 あとはアレですよ。Xに出てた出品作の中に、「夜行列車」というタイトルがありまして。

 ブルトレ大好きな相生にはもう、気になって、気になって……。


 1冊、買わせて頂き、インタビューをさせてもらうことに。


 将来、作家を目指すかどうかは、基本的には趣味でやってて、部員の中にはなりたいと思ってる人もいる、みたいな感じ。


 どんなジャンルを書いてるのかは、純文学だったり、ミステリだったり、歴史小説だったり、と、それぞれいろんなジャンルを書いてるらしい。本格的だ! すっげえ、かっこいい!


 気になるのは誰の指導を受けてるのか……なんと、顧問の先生らしい。いや、すげぇな、顧問の先生……。


 あと、ネット小説に興味があるかどうかは……うん。あんまり興味はないみたい。


 そんな感じでしたね。相生、自分の中高に文芸部みたいなのがなかったと記憶している(知らなかっただけという可能性もあるけれど)ので、相生が知ってる文芸部は「古典部」くらいです(当然ながら熟読してます)。

 実際、文芸部ってどんなもんか、知りたかったんですよね。話を聞けてよかった。ありがとうございました。


 ブースをよく見ると、売上は能登へ、ということらしい。もう1冊、買わせて頂き、ブースを後にしました。


 帰りの新幹線で気になってた『夜行列車』を読んだけれど、うん、すっごく純文学してました。

 さすがは有名私立校……高校生でこれを書けるのか……ボーイミーツガールのお話で、でも、思春期の自己投影なんですよね……ただし、残念ながらブルートレインではなかったけれど……まあ、ブルトレなんて全部廃止された世代だからしょうがないか……。




 次は、下調べでヒットした、文フリと戦ってらっしゃる(正確には売上数で戦っています。目標が達成できなかったら罰ゲーム的に歌ったりするらしいです……)ところにお邪魔しました。もちろん、カクヨムで検索して発見したところです。


 つい、この前、カクヨムで読んだ、異世界でおなかをこわす短編がおもしろかったので、それを書いた人がアンソロに参加しているということで、事前にこのアンソロの購入は決めてましたので。


 ところが、実際にブースに行くと、なんとアンソロ、装丁違いで二種類もあった!?


 ちょっと、片方は怖かったので……怖くない方を買いました。出た、ビビリ相生……。


 そして、いろいろとインタビューさせて頂きました!


 いやあ、知りたいこと、いっぱい、教えてもらえましたよ……。


 相生が気になっていたのは「絵」の部分ですね。

 フリー素材なんかで装丁をデザインしたりもしているそうですが、きちんと絵師さんに依頼した場合は4~5枚で2万円くらいはかかるとのこと。表紙と挿絵、という感じですね。

 でも、知人に描ける人がいる場合、かなりお安くできるらしい……とはいえ、それはそれで申し訳ない気もしますね……。


 さて、気になるのは印刷費用も。

 なんと、1冊300円でつくれるとのこと。意外な安さにびっくり。あれ? それなら黒字化も夢ではないのでは……?

 そう考えてしまったけれど、よく聞くと、そこには絵師への支払いが含まれていません。あくまでも印刷の部分でした。うん。そう簡単ではないよね。あとはページ数とかでも変わってくるみたいですね……。


 そして、文フリで、実際、どれくらい売れるのか……?

 これは、カクヨムのエッセイの方でも書かれているので、そのまんま、ということでした。だいたい7冊~27冊くらいで、平均すると10冊というところ。

 なんとなく100冊くらい売れるのかな、なんて思っていた相生は甘い。甘すぎた。


 文フリでの黒字化は可能なのか……?

 うまくやれば、可能かもしれない、とのことでした。まあ、ノウハウを磨いてきた方だからこそ、言えるセリフかもしれません。

 でも、やっぱり、「絵」がネックになるようです。そこ、一番、お金がかかるところ。でも、「絵」によって売れ行きは変わるし……そう考えると、「文」よりも「絵」なんですよね……。

 もし、自分で「絵」が描けたら、黒字化は十分に可能だろうというお話でした。いや、でも、物語が書けて、絵が描けるんなら、もう漫画家のルートですよね……。


 でもまあ、黒字化とか、そういうの抜きにしたら、こういう場でお店を出す楽しさとかはもう、言葉にできないものがあるらしいです。いわゆるプライスレスなアレですね。確かに、楽しいんだろうなと思います。


 それと、雑談で、カクヨムで☆4000の方でも、文フリで20冊だったとか、そういう裏話も教えて頂いて……自費出版もなかなか厳しいですよね……。


 ただ。

 書籍化できずに筆を折るんなら、カクヨムで頂いたリワードで、自分のためだけのたった1冊の書籍化でもいいかなぁ、なんて、思いました。1冊から印刷してもらえるそうです。

 そしたら、予算の範囲内で、自分の好きな絵を描いて頂いて、それで表紙と挿絵を用意して、自分だけの『アインの伝説』とか、自分だけの『RDW+RTA』とか作って、死んだら棺桶に一緒に入れてもらって昇天するなんて……なかなかいい妄想じゃないですかね……?

 いや、死んだら、ヤフオクに「この世でたったひとつの本」とか宣伝して出してもらうとか……。


 ……買い手がつかなかったら成仏できなかったりしてww。


 忙しいのに、たくさん時間を頂いて、申し訳なかったです。ありがとうございました。




 続けて、なろうの割烹で文フリの情報を頂いたところへお邪魔しました。


 いろいろとR18も販売してらっしゃるんですが、相生、そこに手を伸ばす勇気はなくて、ですね。またしてもビビリ相生……。


 全年齢版を2冊ほど、買わせて頂きました……。


 それで、いろいろとお話をして、時間も頂いてしまって、しかも、その頃には山ほどフリーペーパーを手にしていたので……袋とかまでもらっちゃって……あと、ポストカードも……。


 さらにはお土産まで頂いてしまい……。


 行って迷惑をかけてしまったのではなかろうか……。


 いや、ホント、すみませんでした。いろいろと申し訳ないです。




 最後の最後に、カバーイラストがとっても気に入った1冊を「お小遣い設定」ギリギリで購入しました。お小遣いは0円になりました。

 まあ、当日、見て回っての、衝動買いですよね……「お小遣い設定」がなかったらヤバいことになっていましたよ……。


 ただ、お札がなくて、全部100円玉で買ったので、すんごく申し訳なかったです。本当にすみませんでした。


 今、お気に入りのカバーイラストが見えるように、棚に配置しています。頂いたフリーペーパーも同じイラストなので……どこかに貼るか、黒歴史ノート(インタビュー用に持ち歩いていた……落とさなくてよかった……)に貼るか……。


 ……いや、マジで。このレベルの本が作れるんなら、自分だけの1冊、本当にやってみてもいいのかもしれませんね。




 こんな感じが、相生の文フリ初体験でした。


 ヤバいくらいに楽しいです(おそらく今後の参加は禁止されるでしょう)。


 湯水のようにお金を遣ってしまう可能性があるので、そのへんは注意が必要かもしれません。


 みなさんも、文フリ、行ってみませんか……?






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